皇居東御苑花だより(令和4年5月27日)

令和4年5月27日
写真 説明
ハクウンボク(エゴノキ科)
○シモツケ(バラ科)Spiraea japonica
日当たりの良い草地や礫地などに生え,高さ0.2~1mになります。5~8月,枝先に直径3~6mmの花が多数咲きます。
カラタネオガタマ(モクレン科)
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産,明治時代はじめに渡来し,大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月,直径20cmほどもある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ヒトツバタゴ(モクセイ科)
○ムラサキシキブ(シソ科)Callicarpa japonica vat.japonica
山野に生え,高さ2~3mになります。6~7月,淡紫色の花を多数つけます。果実は直径3~4mmの球形で,紫色に熟し,秋が深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐ伸びて強いので,昔から道具の柄や杖などに用いられてきました。
トチノキ(ムクロジ科)
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産のガクアジサイの園芸品種で,高さ1.5mほどになります。6~7月,直径約3~6cmの装飾花を球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が大きく変化したものです。結実はしません。
タニウツギ(スイカズラ科)
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で,水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を出し,黄色の花を咲かせます。
ヒメコウホネ(スイレン科)
○カシワバアジサイ(ユキノシタ科) Hydrangea quercifolia
北アメリカ東南部に自生する落葉低木で,葉の形がカシワに似ていることから名付けられました。5月~7月,真っ白な花々が円錐形に立ち上がります。
タラヨウ(実)(モチノキ科)
○ヒツジグサ(スイレン科)Nymphaea tetragona
池沼に生える多年生の水草です。水底から葉柄が伸び,光沢のある葉が水面に浮かびます。6~9月,長い花柄の先に白色の清楚な花が1個開きます。未の刻(午後2時)に開くので,未草と呼ばれます。
チョウジソウ(キョウチクトウ科)
○ザクロ(ミソハギ科)Punica granatum
西アジア原産で,高さ5~6mになります。6月頃,直径約5cmの朱赤色の花が開きます。果実は球形で果皮が厚く,熟すと不規則に裂けて淡紅色の種が現れます。種の外皮は甘酸っぱい味がします。
ハマナス(バラ科)
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var.crenata
山野に普通に生え,生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬から7月,直径1~1.5cmの白い花が密に咲きます。幹が中空で,空木(ウツギ)の名があります。
コウシンバラ(バラ科)
○トウグミ(実)(グミ科)Elaeagnus multiflora var.hortensis
山野に生え,よく分枝して高さ4mになります。葉は互生し,長さ4~10cmの楕円形です。4月~5月,葉腋に淡黄色の花が咲きます。6月頃,赤く熟した果実は甘みがあり,食べられます。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中の偽鱗茎から直立した30~40cmの花茎に,淡紫褐色の花が10~20個,下向きに咲きます。和名の采配蘭は,花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
シャガ(アヤメ科)
○サツキ(ツツジ科)Rhododendron indicum
川岸の岩上に生え,広く栽培もされ,多数の園芸種があります。高さは1mほどになり,5~7月,枝先に朱赤色又は紅紫色の花が1個,まれに2個咲きます。
キンラン(ラン科)
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え,高さ5~10mになります。6~7月,白い花びらのように見える4枚の葉の中心に小さな花を多数咲かせます。果実は直径1~1.5cmの球形となり,10月頃,赤く熟し,食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁