皇居東御苑花だより(令和4年4月22日)

令和4年4月22日
写真 説明
サトザクラ(一葉)(バラ科)
○キンラン(ラン科)Cephalanthera falcata
山地や丘陵の林下に生える高さ30~50cmの多年草です。4~5月,茎の先に黄色の花を10個ほどつけ,よく目立ちます。花の色から金蘭(きんらん)と名付けられました。
オオシマザクラ(バラ科)
○ギンラン(ラン科)Cephalanthera erecta
山地や丘陵の木陰に生える高さ10~30cmの多年草です。5~6月頃,茎の先に咲く3~5個の白色の花は長さ1cmほどで平開しません。花の色から銀蘭(ぎんらん)と名付けられました。
サトザクラ(普賢象)(バラ科)
○チゴユリ(イヌサフラン科)Disporum smilacinum
山地のやや明るい林下に生える多年草で,春,茎の先に1~2個の白い花を咲かせます。長さが1~1.5cm,その姿が小さくかわいらしいことから稚児百合と名付けられました。
○キエビネ(ラン科)Calanthe striata
暖地の林下に生える多年草です。4~5月,エビネの中では大型で,名前のとおり黄色い花を咲かせます。
ヤマツツジ(ツツジ科)
○キモッコウバラ(バラ科)Rosa banksise‛Lutea’
中国原産で,江戸時代から栽培されています。4月下旬から5月頃,枝先に淡黄色の八重咲きの花を開きます。常緑のつる性で,トゲがありません。モッコウバラと異なり,芳香がありません。
クサイチゴ(バラ科)
○コウシンバラ(バラ科)Rosa chinensis
バラの原種の一つで,古くから栽培されています。四季咲きの花が枝先に1~数個つきます。花冠は直径5~7cm,淡紅色~紅色で,基部は白色です。
ヒカゲツツジ(ツツジ科)
○ツリバナ(ニシキギ科)Euonymus oxyphyllus
山地に生え,高さ4mになります。5~6月,6~15cmの花柄に,直径6~7㎜,淡緑色又はやや淡紫色を帯びた花を開きます。朱色の実は球形で,熟して5裂すると,種子が現れます。
シロヤマブキ(バラ科)
○ニシキギ(ニシキギ科)Euonymus alatus f. alatus
山野に普通に生え,庭木としてよく植えられています。5月~7月,淡緑色の花を咲かせます。紅葉の美しさが錦に例えられ、名付けられました。枝にコルク質の翼が発達します。
イカリソウ(メギ科)
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は,スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ,初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
シュンラン(ラン科)
○ニリンソウ(キンポウゲ科)Anemone flaccida var. flaccida
山麓の林や竹林,土手などに生える多年草で,しばしば群落をつくります。4~5月,茎葉の間から普通2本の花柄を出し,直径1.5 ~2cmの白い花を二輪咲かせます。名前の由来の花の数が1個又は3個のものもあります。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○コデマリ(バラ科)Spiraea cantoniensis
中国原産で,庭や公園によく植えられています。4月~5月,本年枝の先に直径7~10㎜の白い花を20個ほど開きます。直径2.5~3㎝の手まりのような花序の形が名前の由来です。
シャガ(アヤメ科)
○ヒメウツギ(アジサイ科)Deutzia gracilis
山地の岩の上などに生え,高さ1~1.5mになります。5~6月,狭い円錐花序に,直径1~1.5cmの白い花を多数咲かせます。花弁は5個,雄しべは10個あります。
ヤマブキ(バラ科)
○カマツカ(バラ科)Pourthiaea villosa var. villosa
各地の山野に普通に生え,高さ5~7mになります。4~5月,短い枝先の散房花序に,小さい白い花が咲きます。果実は長さ7~9mmの楕円形で,秋に赤く熟すと,甘酸っぱくて食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁