皇居東御苑花だより(令和4年1月21日)

令和4年1月21日
写真 説明
ウメ(冬至)(バラ科)
○ウメ(冬至)(バラ科)Prunus mume‘Toji’
冬至の頃に咲くことから名付けられた早咲きのウメで,お正月用盆栽によく用いられます。中国原産で,庭や畑でよく栽培され,多くの園芸種があります。 
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬にかけて花をつけます。花の色は白く,大きさは2.5~3cmになります。花期が長く,盆栽,庭木いずれにも適しています。
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
八重寒紅は,紅色の八重咲きで,花弁の先は丸くなっています。花つきがよく,庭木や盆栽に向くとされます。
ウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glabra
山野に普通に生え,よく分枝して高さ1.5~3mになります。樹皮は縦に裂けてはがれ,灰黒色です。4~5月,本年枝の葉腋から伸びた長さ1~2cmの花柄に,淡紅色の花を1~2個下垂します。花冠は長さ1~1.5cmの細い漏斗形で,先端は5裂して平開します。液果は直径約1cmの楕円形で,6月に赤く熟します。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
カンヒザクラの雑種といわれています。樹皮は黒褐色で,横に割れ,こぶができます。つぼみは紅色で,葉の出る前か同時に開花します。花は直径2.5~3.5cm,淡紅色で縁がやや濃く,花弁は5枚,蜜が多いです。
スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近くで見られますが,自生のものではなく,植えられたものといわれています。20~30cmの花茎を線形で平たい葉の間から出し,芳香のある白花を数個つけます。和名は漢名の水仙の音読みからきています。
センリョウ(実)(センリョウ科)
○センリョウ(実)(センリョウ科)Sarcandra glabra
暖地の林内に生え,高さ50~80cmになります。葉は長さ6~14cm,薄い革質で光沢があり,縁には粗い鋸歯があります。6~7月,茎の先に2~3個の短い穂状の花序を出します。果実は直径5~6mmの球形で,12~3月に赤色に熟します。
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox‘Concolor’
ロウバイよりも花がやや大きく,内側の花被片も黄色くなります。中国原産で,庭木や鉢植え,花材としてよく使われます。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸に稀に自生する日本特産種で,高さ2~4mになります。6月頃,枝先に白い花をつけます。果実は2.5~3cmの扁珠形,果皮は黄色く薄いです。
ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)
○ヤブコウジ(実)(サクラソウ科)Ardisia japonica var.japonica
山地の木陰に地下茎を伸ばして群生し,高さ10~20cmになります。7~8月,葉のわきから白色の花を2~5個下向きにつけます。果実は直径5~7mmの球形で,10~11月頃,赤く熟します。
○ロウバイ(ロウバイ科)
○ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産で,江戸時代に渡来し,観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月,葉が出る前に香りのよい黄色い花を下向きまたは横向きに開きます。 
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多く,山地にも生え,大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり,なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。果実は直径4~5cmの球形で,果皮が厚く,熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油が採れます。
○キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。刺はあっても短く,葉は互生します。初夏から秋に2~3回,花弁が5枚の白い花が咲き,果実は直径2~3cmの球形で,橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが,果皮に甘味と香気があり,食べられます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁