三の丸尚蔵館 第74回展覧会について

1. 展覧会名

「書の美、文字の巧」

2. 会期

平成28年9月17日(土)~12月4日(日)
           前期:9月17日(土)~10月10日(月・祝)
           中期:10月15日(土)~11月6日(日)
           後期:11月12日(土)~12月4日(日)

  • 休館日:毎週月・金曜日,展示替の期間

           ただし,9月19日(月・祝),10月10日(月・祝)は開館し,9月20日(火)は休館いたします。

  • 開館時間:9月17日(土)~10月30日(日)
                         午前9時~午後4時15分(入館は午後4時まで)
                      11月1日(火)~12月4日(日)
                         午前9時~午後3時45分(入館は午後3時30分まで)
3. 共催

書陵部

4. 概要

〝書〟は,もともとは〝筆〟と〝者〟からなる〝〟と書き,文字で何らかの物事を書きつける,という意味を持ちます。書の始まりである漢字が象形文字から発展したことで,先人たちはその字形に多様な造形美を見出し,それを表す毛筆の種類や筆の運び方,墨の濃淡などの工夫によって実に豊かな表情を生み出し,文字の構成や書写する多彩な紙等との調和を図り,美的表現を追求しました。また文字は,文字そのものが意味を持ち,さらに言葉となり,文章となって様々に表現される事柄や感情,考えを伝えるという重要な役割を担い,その巧妙な使い方で豊かな表現を生み出します。本展では,中国の書聖・王羲之の書に始まり近代に至るまでの作品を通して,こうしたわが国の豊かな書,優れた文字の文化を紹介します。

中国・唐の影響を受けながら,わが国独自の文化を発展させた平安王朝期の美しい仮名や優美な文字,美しく装飾された紙との調和。書風が確立し,史実を伝える記録が多く残る中世。そして,伝統的な書の形が広まり,様々な学識が深まる中で多彩な書が展開する近世。さらに幕末から近代初めの動乱期に活躍した人たちが残した力強く,また興味深い記録の数々など,当庁三の丸尚蔵館と書陵部が所蔵する名品を通しての本展は,書の様々な魅力を十二分に鑑賞していただけるものです。 「書は人なり」という言葉のとおり,様々な人物による様々な文字は,それぞれの人柄による造形美が溢れています。時空を超えて,〝書〟の魅力的な美しさと,〝文字〟が巧みに伝える様々な史実を愉しんでいただきたいと思います。

<主な作品>
〔Ⅰ 唐様から和様へ-日本の書,華開く〕
鬼神置物

4 大乗悲分陁利経(巻第3)1巻 平安時代(12世紀)
<書陵部>

蓬らい雲鶴蒔絵書棚

5 喪乱帖 〈原跡〉王羲之 1幅  中国・唐時代(7~8世紀)
<三の丸尚蔵館>

住吉詣(右)
9 玉泉帖 小野道風 1巻 平安時代(10世紀)
 <三の丸尚蔵館>
裁縫箱・裁縫道具
12 琵琶譜 25枚のうち 平安時代(11世紀)
 <書陵部>
萬歳楽置物

14 雲紙本和漢朗詠集 下巻 源兼行 1巻(2巻のうち) 平安時代(11世紀)
<三の丸尚蔵館>

萬歳楽置物
27 伏見天皇御集  伏見天皇 1巻 鎌倉時代(13~14世紀)
<書陵部>
〔Ⅱ 豊かな書-歴史を伝え,書風を展開する〕
銀製青色七宝飾皿

28 結夏衆僧名 青蓮院宮尊円親王1巻 南北朝時代,建武2年(1335)
<三の丸尚蔵館>

裁縫箱・裁縫道具

32 後小松天皇宸筆御書状 後小松天皇 1幅 室町時代(14~15世紀)
 <書陵部>

萬歳楽置物

37 紫式部石山詣図 画土佐光元・賛三条西公条 1幅 室町時代,永禄3年(1560)
   <書陵部>

萬歳楽置物

42 後水尾天皇宸翰古歌懐紙 後水尾天皇 1幅 江戸時代,17世紀
   <書陵部>

銀製青色七宝飾皿

48 七言古詩・五言律詩  貫名海屋 対幅 江戸時代,安政5年(1858)
<三の丸尚蔵館>

〔Ⅲ 語る書-展開する文字の力〕
火退
50 行書屏風 藤田東湖  6曲1隻  江戸時代(19世紀)
  <三の丸尚蔵館>
萬歳楽置物

53 拝闕詩 吉田松陰 1幅 江戸時代,安政3年(1856)
 <三の丸尚蔵館>

裁縫箱・裁縫道具
55 薩長同盟裏書(木戸家文書) 坂本龍馬  1巻 江戸時代、慶応2年(1866)
<書陵部>
住吉詣(右)

67 伊藤博文書状(有栖川宮伝来書翰類) 伊藤博文 1点 明治21年(1888) <書陵部>

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