皇居東御苑花だより(令和6年6月28日)

令和6年6月28日
写真 説明
ヤブカンゾウ
○ヤブカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. kwanso
野原や堤、林縁などに見られる多年草です。80~100cmの花茎の先に、直径約8cm、橙赤色の八重咲きの花を数輪咲かせます。若芽、若葉は食されます。別名ワスレグサ。
キンカン
○キンカン(ミカン科)Citrus japonica
中国原産で、江戸時代以前に日本に渡来しました。高さ1~2mになります。初夏から秋に2~3回、白い花を咲かせます。果実は直径2~3cmの球形で、橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが、果皮に甘味と香気があり、食べられます。
ガンピセンノウ
○ガンピセンノウ(ナデシコ科)Lychnis coronata
中国原産の多年草で、鑑賞用に持ち込まれたとされ、古くから茶花として利用されています。6月~8月、橙赤色の美しい花を咲かせます。
カワラナデシコ
○カワラナデシコ(ナデシコ科)Dianthus superbus var. longicalycinus
山野の日当たりのよい草原や河原などに生える多年草です。茎は直立し、上部で枝分かれして30~100cmになります。7~10月、淡紅紫色の可憐な花が咲きます。
キキョウ
○キキョウ(キキョウ科)Platycodon grandiflorum
日当たりの良い山地や野原などに生える多年草で、高さ50~100cmになります。昔からよく栽培され、八重咲きや白花など多様な園芸種があり、根は薬用とされます。7~9月、青紫色の鐘形の花を咲かせます。万葉集に収められた秋の七草の「朝貌(あさがお)」がキキョウとされています。
ハンゲショウ
○ハンゲショウ(ドクダミ科)Saururus chinensis
水辺に白い根茎を伸ばして群生する多年草です。臭気があり、高さ60~100cmになります。6~8月、白い小花が穂状に咲く頃、上部の葉が白くなります。半夏生(7月初旬)の頃、葉を白くするとか、半化粧のように見えるとか、名の由来とされています。
ハマナス(実)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
オオバギボウシ
○オオバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldiana var. sieboldiana
山地の草原や丘陵地などに見られる多年草です。7~8月、漏斗形の淡紫色又は白色の花を多数咲かせます。葉は卵状楕円形、長さ30~40cmになり、新芽の若葉はウルイと呼ばれ、食されます。
ノカンゾウ
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。
イワタバコ
○イワタバコ(イワタバコ科)Conandron ramondioides
山地の湿った岩壁に生える多年草です。葉がタバコの葉に似ていることから名付けられ、葉の大きさは約10~30cmで、縁には不揃いな鋸歯があります。夏に10~20cmの花茎を伸ばし、紅紫色の花を咲かせます。
ヒョウタンボク(実)
○ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ムクゲ(アオイ科)
○ムクゲ(アオイ科)Hibiscus syriacus
中国原産で、生垣などに植えられ、高さ3~4mになります。7~10月、分枝した枝先に直径6~10cmの花を咲かせます。一日でしぼむ1日花で、紅紫色や白色、八重咲きなど多くの園芸品種があります。直径約2.5cmの実は、熟すと5裂し、長毛のある種子が現れます。
ガクアジサイ
○ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)Abelia×grandiflora
中国原産のシナツクバネウツギと欧州産のユニフローラの交配種です。大正末期に渡来し、生垣などに広く植えられています。よく分枝し、高さ1~2mになります。5~11月、枝先にやや淡紅色を帯びた白花を多数咲かせ、淡い芳香を放ちます。別名アベリア。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁