皇居東御苑花だより(令和6年6月21日)

令和6年6月21日
写真 説明
オオバギボウシ
○オオバギボウシ(キジカクシ科)Hosta sieboldiana var. sieboldiana
山地の草原や丘陵地などに見られる多年草です。7~8月、漏斗形の淡紫色又は白色の花を多数咲かせます。葉は卵状楕円形、長さ30~40cmになり、新芽の若葉はウルイと呼ばれ、食されます。
キキョウ
○キキョウ(キキョウ科)Platycodon grandiflorum
日当たりの良い山地や野原などに生える多年草で、高さ50~100cmになります。昔からよく栽培され、八重咲きや白花など多様な園芸種があり、根は薬用とされます。7~9月、青紫色の鐘形の花を咲かせます。万葉集に収められた秋の七草の「朝貌(あさがお)」がキキョウとされています。
クコ
○クコ(ナス科)Lycium chinense
土手や道端などに生え、高さ1~2mになります。茎は根元から多数に分かれ、枝は弓状に垂れ、小枝が刺状になります。7~11月、5裂する薄紫色の小花を咲かせます。長さ1.5~2cm、楕円形の果実は、橙紅色に熟し、食されます。
ハマナス(実)
○ハマナス(実)(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
ユウガギク
○ユウガギク(キク科)Aster iinumae
葉は薄く、下部の葉は羽状に浅くあるいは深く裂けます。7~10月、茎の上部で細長い枝を四方に広げ、枝先に直径3cmほどの白い花をつけます。名前の「柚香菊」は、ユズ(柚)の香りがする菊の意味と言われますが、実際には香りは余り感じられません。
ノリウツギ
○ノリウツギ(アジサイ科)Hydrangea paniculata
日当たりの良い山野に生え、高さ2~4mになります。7~8月、枝先に多数の小さな両性花と直径1~5cmの白色又は淡紅色の装飾花をつけます。樹液が和紙作りの糊に利用されていたことが名の由来です。
リョウブ
○リョウブ(リョウブ科)Clethra barbinervis
山林に見られ、高さ8~10mになります。樹皮は茶褐色のまだら模様で、剝がれる薄片を残したまま床柱にも使われます。7~9月、枝先に白い小花を密につけます。若葉は食用になります。
ヒョウタンボク(実)
○ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
ハンゲショウ
○ハンゲショウ(ドクダミ科)Saururus chinensis
水辺に白い根茎を伸ばして群生する多年草です。臭気があり、高さ60~100cmになります。6~8月、白い小花が穂状に咲く頃、上部の葉が白くなります。半夏生(7月初旬)の頃、葉を白くするとか、半化粧のように見えるとか、名の由来とされています。
アサザ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ノカンゾウ
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。
アジサイ
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form. macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
ガクアジサイ
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁