皇居東御苑花だより(令和6年6月14日)

令和6年6月14日
写真 説明
ノカンゾウ
○ノカンゾウ(ススキノキ科)Hemerocallis fulva var. disticha
野原や溝の縁などに見られる多年草で、忘れ草の一種です。6~8月、細長い葉の間から伸びた70cm程の花茎の先に、橙赤色のラッパ状の花を咲かせます。
ハナゾノツクバネウツギ
○ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)Abelia×grandiflora
中国原産のシナツクバネウツギと欧州産のユニフローラの交配種です。大正末期に渡来し、生垣などに広く植えられています。よく分枝し、高さ1~2mになります。5~11月、枝先にやや淡紅色を帯びた白花を多数咲かせ、淡い芳香を放ちます。別名アベリア。
ヤマモモ(実)
○ヤマモモ(実)(ヤマモモ科)Myrica rubra
暖地の山地に生え、高さ約25mになります。雌雄異株で、4月頃、花穂に目立たない小花を咲かせます。直径1~2cm、多数の突起がある果実は、夏に赤く熟し、甘酸っぱい味がします。
ハンゲショウ
○ハンゲショウ(ドクダミ科)Saururus chinensis
水辺に白い根茎を伸ばして群生する多年草です。臭気があり、高さ60~100cmになります。6~8月、白い小花が穂状に咲く頃、上部の葉が白くなります。半夏生(7月初旬)の頃、葉を白くするとか、半化粧のように見えるとか、名の由来とされています。
ネムノキ
○ネムノキ(マメ科)Albizia julibrissin
山野、川岸などに見られ、高さ6~10mになります。6~7月の夕刻、枝先に10~20輪の花を咲かせます。規則正しく並んだ小さな葉は、暗くなると合わさるように閉じます。
オカトラノオ
○オカトラノオ(サクラソウ科)Lysimachia clethroides
山野、丘陵などの日当たりの良い草地に見られる多年草で、高さ60~100cmになります。6~7月、白色の小花を多数咲かせた花穂を虎の尾に例え、この名があります。
モクゲンジ
○モクゲンジ(ムクロジ科)Koelreuteria paniculata
中国、朝鮮、本州の主に日本海側に分布し、寺院によく植えられ、高さ約20mになります。7~8月、枝先の大きな花序に中心が赤い黄色の小花を多数つけます。果実は袋状で、直径6cm程の硬い種子は数珠の材料にもなります。
ノリウツギ
ノリウツギ(アジサイ科)Hydrangea paniculata
日当たりの良い山野に生え、高さ2~4mになります。7~8月、枝先に多数の小さな両性花と直径1~5cmの白色又は淡紅色の装飾花をつけます。樹液が和紙作りの糊に利用されていたことが名の由来です。
ヒョウタンボク(実)
○ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
トウフジウツギ
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
タイサンボク
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産で、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ホタルブクロ
○ホタルブクロ(キキョウ科)Campanula punctata var. punctata
山野に普通に見られる多年草です。6~7月、紅紫色又は白色の鐘状の花を咲かせます。チョウチンバナ、ツリガネソウなど多くの呼び名で親しまれています。ちょうちんの昔の呼び名「火垂る袋」や実際にホタルを入れて遊んだことが名の由来との説があります。
ガクアジサイ
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁