皇居東御苑花だより(令和6年6月7日)

令和6年6月7日
写真 説明
ナツツバキ
○ナツツバキ(ツバキ科)Stewartia pseudocamellia
山地に見られ、高さ10~20mになります。黒ずんだ赤褐色の樹皮は滑らかで、薄く剝がれます。6~7月、直径5~6cmの白花が朝開き、夕方落下します。
クチナシ
○クチナシ(アカネ科)Gardenia jasminoides var. jasminoidesa
暖地の林縁などに見られ、高さ1~3mになります。6~7月、枝先に芳香のある白花を1輪咲かせます。長さ約2cm、楕円形の果実は5~7個の稜があり、細い萼片を突き出し、10~11月、黄赤色に熟します。クロシン色素を含む実は、染料、薬用、食品の着色料などに使われます。
トウフジウツギ
○トウフジウツギ(フジウツギ科)Buddleja lindleyana
中国原産の落葉低木です。沖縄では野生化しています。4~10月、枝先に長さ4~20cmの花序をつけ、長さ1~2cm、紫~赤紫色の筒状の花を多数咲かせます。
ヒョウタンボク
○ヒョウタンボク(実)(スイカズラ科)Lonicera morrowii
山地や海岸に自生し、高さ1~1.5mになります。4~6月、開花した花は、はじめ白色、次第に黄色に変化し、キンギンボクとも呼ばれます。6~7月、ヒョウタン形の実が紅色に熟します。
オカトラノオ
○オカトラノオ(サクラソウ科)Lysimachia clethroides
山野、丘陵などの日当たりの良い草地に見られる多年草で、高さ60~100cmになります。6~7月、白色の小花を多数咲かせた花穂を虎の尾に例え、この名があります。
サカキ
○サカキ(モッコク科)Cleyera japonica
暖地の照葉樹林内に自生します。葉は古くから神事に使われます。6~7月、側枝の基部の側の葉液から黄白色の小さな花を咲かせます。10月頃、直径7~8mm、液果で11月に黒く熟します。
ホタルブクロ
○ホタルブクロ(キキョウ科)Campanula punctata var. punctata
山野に普通に見られる多年草です。6~7月、紅紫色又は白色の鐘状の花を咲かせます。チョウチンバナ、ツリガネソウなど多くの呼び名で親しまれています。ちょうちんの昔の呼び名「火垂る袋」や実際にホタルを入れて遊んだことが名の由来との説があります。
ノリウツギ
○ノリウツギ(アジサイ科)Hydrangea paniculata
日当たりの良い山野に生え、高さ2~4mになります。7~8月、枝先に多数の小さな両性花と直径1~5cmの白色又は淡紅色の装飾花をつけます。樹液が和紙作りの糊に利用されていたことが名の由来です。
タイサンボク
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産で、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ガクアジサイ
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
アジサイ
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form. macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
○カイコウズ
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8cm程の赤い花を咲かせます。
ムラサキシキブ
○ムラサキシキブ(シソ科)Callicarpa japonica
山野に生え、高さ2~3mになります。6~7月、淡紫色の花を多数つけます。直径3~4mmの球形の果実は、紫色に熟し、秋が深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐ伸びて強いので、昔から道具の柄や杖などに用いられてきました。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁