皇居東御苑花だより(令和6年5月31日)

令和6年5月31日
写真 説明
カイコウズ
○カイコウズ(マメ科)Erythrina crista-galli
南米原産(別名アメリカデイゴ)で、江戸時代に渡来し、暖地の庭木や街路樹として植えられています。6~9月、枝先に長さ7~8㎝程の赤い花を咲かせます。
ホタルブクロ
○ホタルブクロ(キキョウ科)Campanula punctata var. punctata
山野に普通に見られる多年草です。6~7月、紅紫色又は白色の鐘状の花を咲かせます。チョウチンバナ、ツリガネソウなど多くの呼び名で親しまれています。ちょうちんの昔の呼び名「火垂る袋」や実際にホタルを入れて遊んだことが名の由来との説があります。
カシワバアジサイ
○カシワバアジサイ(ユキノシタ科)Hydrangea quercifolia
北アメリカ東南部に自生する落葉低木です。葉の形が現地のカシワの葉に似ていることから名付けられました。5月~7月、真っ白な花々が円錐形に立ち上がります。
ガクアジサイ
○ガクアジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla f. normalis
暖地の海岸に見られるほか、多くの園芸種があり、高さ2m程になります。6~7月、開いた花は中心が多数の小さな両性花、周囲は装飾花で、淡紅色~淡青紫色、白色など様々です。
タイサンボク
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産で、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ナンテン
○ナンテン(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
サンゴジュ
○サンゴジュ(ガマズミ科)Viburnum odoratissimum var. awabuki
沿海の山地に自生し、庭や公園によく植えられます。6~7月、枝先に長さ5~15㎝の花序を出し、直径5~7㎜、盃型の白花を多数咲かせます。8~10月、赤い果軸~果実は名の由来、サンゴを連想させて、藍黒色に熟します。
ニワトコ(実)
○ニワトコ(実)(スイカズラ科)Sambucus racemosa subsp. Sieboldiana
山野に普通に生え、高さ3~6mになり、庭などに植えられます。よく分枝する独特の樹形で芽出しが早く、早春の野山で目を引きます。3~5月、枝先に淡黄白色の花を多数集めて咲かせます。梅雨の頃、鮮やかな赤い実が枝先を飾ります。
アジサイ
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form.macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
コウホネ
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ヒメコウホネ
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4㎝、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。
○ヒメシャラ
○ヒメシャラ(ツバキ科)Stewartia monadelpha
山地に生え、高さ15~20mになります。滑らかな樹皮は淡赤褐色で薄くはがれます。6~8月、葉腋に直径約2cmの白花を咲かせます。
ハアザミ
○ハアザミ(キツネノマゴ科)Acanthus mollis
地中海沿岸の岩礫地の斜面に生育し、草丈1~2mになる大型の常緑多年草です。長さ60㎝になる花序に、長さ4~5㎝の白色の花を多数咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁