皇居東御苑花だより(令和6年5月24日)

令和6年5月24日
写真 説明
タイサンボク
○タイサンボク(モクレン科)Magnolia grandiflora
北米中南部原産で、明治時代はじめに渡来し、大きなものは高さ20mを超えます。葉は長さ20cm前後の長楕円形です。5~6月、直径20cm程もある芳香の強い白い花がお椀のように開きます。
ナンテン
○ナンテン(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に見られ、高さ約2mになります。庭木、盆栽として植えられます。5~6月、枝先に白い小花を多数咲かせます。11~12月、果実は赤く熟し、正月飾りやせき止めの薬として利用されます。
ハアザミ
○ハアザミ(キツネノマゴ科)Acanthus mollis
地中海沿岸の岩礫地の斜面に生育し、草丈1~2mになる大型の常緑多年草です。長さ60cmになる花序に、長さ4~5cmの白色の花を多数咲かせます。
ヒメシャラ
○ヒメシャラ(ツバキ科)Stewartia monadelpha
山地に生え、高さ15~20mになります。滑らかな樹皮は淡赤褐色で薄くはがれます。6~8月、葉腋に直径約2cmの白花を咲かせます。
アジサイ
○アジサイ(アジサイ科)Hydrangea macrophylla form. macrophylla
日本原産ガクアジサイの園芸品種で、高さ1.5m程になります。6~7月、直径約3~6cmの装飾花を集めて球状に咲かせます。花弁のように見えるものは萼片が変化したものです。結実はしません。
ムラサキシキブ
○ムラサキシキブ(シソ科)Callicarpa japonica
山野に生え、高さ2~3mになります。6~7月、淡紫色の花を多数つけます。直径3~4mmの球形の果実は、紫色に熟し、秋が深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐ伸びて強いので、昔から道具の柄や杖などに用いられてきました。
シモツケ
○シモツケ(バラ科)Spiraea japonica
日当たりの良い草地や礫地などに生え、高さ0.2~1mになります。5~8月、枝先に直径3~6mmの花を多数咲かせます。
ユキノシタ
○ユキノシタ(ユキノシタ科)Saxifraga stolonifera
湿ったところに生える多年草で、栽培もされています。高さ20~50cmの花茎に多数の白い花がまばらに咲きます。5枚の花弁のうち上の3枚は小さく、卵形、淡紅色で濃い斑点があります。薬草として利用されるほか、葉は食用にもなります。
サイハイラン
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中の偽鱗茎から直立した30~40cmの花茎に、淡紫褐色の花が10~20個、下向きに咲きます。和名の采配蘭は、花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
アサザ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
ヒメコウホネ
○ヒメコウホネ(スイレン科)Nuphar subintegerrima
コウホネより小型で、浅い池沼などに生える多年生の水草です。5~9月、直立した花柄の先に、直径2.5~4cm、黄色い花を1輪咲かせます。コウホネ(河骨)の名は、河に生える根茎が白骨のように見えることに由来します。
○コウホネ
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
ウツギ
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var. crenata
山野に普通に生え、生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬から7月、直径1~1.5cmの白い花が密に咲きます。幹が中空で、空木(ウツギ)の名があります。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁