皇居東御苑花だより(令和6年5月10日)

令和6年5月10日
写真 説明
エゴノキ
○エゴノキ(エゴノキ科)Styrax japonica
雑木林などに普通に生え、高さ7~15mになります。5~6月、枝先に白い清楚な花を1~4輪咲かせます。果実は、洗濯石鹸の代わりや魚とりに使われました。
サイハイラン
○サイハイラン(ラン科)Cremastra appendiculata
山地の木陰などに生える多年草です。地中の偽鱗茎から直立した30~40cmの花茎に、淡紫褐色の花が10~20個、下向きに咲きます。和名の采配蘭は、花の様子が戦場で指揮をとる采配に見立てられたものです。
ウツギ
○ウツギ(ユキノシタ科)Deutzia crenata var. crenata
山野に普通に生え、生垣や庭木としてもよく植えられます。よく分枝して高さ1.5~2mになります。5月下旬から7月、直径1~1.5cmの白い花が密に咲きます。幹が中空で、空木(ウツギ)の名があります。
ガマズミ
○ガマズミ(ガマズミ科)Viburnum dilatatum
山野に普通に生え、高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く、地方名も多くあります。5~6月に、枝の先端から小さな白花を多数咲かせます。9~10月に実が赤く熟し、霜が降りる頃、白い粉を吹いて甘くなり、食べられます。
サツキ
○サツキ(ツツジ科)Rhododendron indicum
川岸の岩上に生え、広く栽培もされ、多数の園芸種があります。高さは1mほどになり、5~7月、枝先に朱赤色又は紅紫色の花が1個、まれに2個咲きます。
ユキノシタ
○ユキノシタ(ユキノシタ科)Saxifraga stolonifera
湿ったところに生える多年草で、栽培もされています。高さ20~50cmの花茎に多数の白い花がまばらに咲きます。5枚の花弁のうち上の3枚は小さく、卵形、淡紅色で濃い斑点があります。薬草として利用されるほか、葉は食用にもなります。
ヤマボウシ
○ヤマボウシ(ミズキ科)Cornus kousa ssp. Kousa
山野に普通に生え、高さ5~10mになります。6~7月、白い花びらのように見える4枚の葉の中心に小さな花を多数咲かせます。果実は直径1~1.5cmの球形となり、10月頃、赤く熟し、食べられます。
サラサドウダン
○サラサドウダン(ツツジ科)Enkianthus campanulatus
深山に生え、高さ4~5mになります。葉は枝先に輪生状に集まってつきます。6~7月、枝先に長さ1~1.5cmの鐘形の花を総状に多数吊り下げます。花の色は帯白色または帯淡黄色で紅色のすじが入り、先端は淡紅色を帯びます。朔果は長さ1cmの楕円形で下垂した果柄の先に直立します。
アサザ
○アサザ(ミツガシワ科)Nymphoides peltata
北海道を除く各地の池沼に生える多年生の水草です。水底の泥の中に根茎を伸ばします。葉は卵形又は円形で、水面に浮かびます。葉の脇から数本の花茎を伸ばし、黄色の花を咲かせます。
コアジサイ
○コアジサイ(アジサイ科)Hydrangea hirta
山地や丘陵の林下に生え、よく分枝して高さ1~1.5mになります。若枝は紫褐色を帯びます。6月頃、枝先に小形の散房花序をつけ、直径約4mmの淡青緑色の花を多数咲かせます。
コウホネ
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
○ハマナス
○ハマナス(バラ科)Rosa rugosa
海岸の砂地に群落を作ります。枝には細かい刺がびっしり生え、高さ1~1.5mになります。6~8月、枝先に直径6~8cm、紅色の花を1~3輪咲かせ、強い芳香を放ちます。赤く熟した果実は酸味があり、食べられます。花は香水の原料、根と樹皮は染料に利用されます。
ノイバラ
○ノイバラ(バラ科)Rosa multiflora
山野に普通に生え、高さ2m程になります。5~6月、鋭い刺のある枝の先に、直径約3cm、芳香のある白花を多数咲かせます。香水の原料にも使われています。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁