皇居東御苑花だより(令和6年4月5日)

令和6年4月5日
写真 説明
シダレザクラ(バラ科)
○シダレザクラ(バラ科)Cerasus pendula 'Pendula'
野生種エドヒガンから生まれたサクラで、枝がしだれるのが特徴です。3月下旬~4月上旬、葉に先立ち、2~3輪ずつ咲く、直径2.4~2.6cm、淡紅白色の花は、満開時には白色になります。
ソメイヨシノ(バラ科)
○ソメイヨシノ(バラ科)Cerasus ×yedoensis ‘Somei-yoshino’
オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、同一の個体から接木して増殖されたものが、観賞用として広く植栽されています。高さは10~15mになります。3~4月、葉に先立ち、淡紅色の花を咲かせます。
カリン(バラ科)
○カリン(バラ科)Pseudocydonia sinensis
中国原産で、甲信越、東北地方によく植えられています。3~5月、枝先に白や淡紅色の花を咲かせます。10~11月、長さ10~15cm、楕円形又は倒卵形の果実が黄色く熟し、芳香を放ちます。
ヤマブキ(バラ科)
○ヤマブキ(バラ科)Kerria japonica
山地の谷川沿いなど、湿った所に普通に生えるほか、庭などに広く植えられています。4~5月、鮮やかな黄色の花を咲かせ、このような色が山吹色といわれるほど親しまれています。
ウラシマソウ(サトイモ科)
○ウラシマソウ(サトイモ科)Arisaema thunbergii ssp. Urashima
林下などに生える多年草です。十数枚の小葉からなる葉を広げ、3~5月、ラッパ状の怪しげな花を咲かせます。和名の浦島草は、花から伸びた糸状のものを、浦島太郎の釣り糸に見立てたものです。
ニワザクラ(バラ科)
○ニワザクラ(バラ科)Prunus glandulosa
高さは1.5mほどで株立ち状になり、庭などによく植えられています。4月頃、葉と同時かまたは早く、直径1.3~1.5cmの花が枝に多数咲きます。花は白色または淡紅色で八重咲きです。
ニリンソウ(キンポウゲ科)
○ニリンソウ(キンポウゲ科)Anemone flaccida var. flaccida
山麓の林や竹林、土手などに生える多年草で、しばしば群落をつくります。4~5月、茎葉の間から普通2本の花柄を出し、直径1.5 ~2cmの白い花を二輪咲かせます。名前の由来の花の数が1個又は3個のものもあります。
ハナカイドウ(バラ科)
○ハナカイドウ(バラ科)Malus halliana
中国原産で、高さ5~8mになります。中国ではボタンに次いで愛好され、4月、枝先に淡紅色の花を4~6輪、美人の形容に使われる程、美しく咲かせます。10~11月、直径約2cm、黄色又は暗紅褐色に熟した果実は食べられます。
ドウダンツツジ(ツツジ科)
○ドウダンツツジ(ツツジ科)Enkianthus perulatus
山地の主に蛇紋岩地帯に稀に自生し、高さ1~3mになります。新緑や紅葉が美しく、庭や植込みによく植えられます。4~5月、直径7~8mm、壷形の白い花を多数吊り下げて咲かせます。
クルメツツジ(ツツジ科)
○クルメツツジ(ツツジ科)Rhododendron Kurume Group
別名はキリシマといいます。古くから各地の庭園などにも植えられ、霧島山ではクルメツツジに極めて近いものがあります。4~5月、枝先に赤色の花を2~3輪咲かせます。葉は互生し、小型で厚いです。
トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)
○トウゴクミツバツツジ(ツツジ科)Rhododendron wadanum
名前のとおり、関東、中部地方の山地によく見られ、葉は3枚輪生します。4月~6月、葉に先立ち、美しく咲いた花は、10本の長い雄しべが目を引きます。
○オドリコソウ(シソ科)
○オドリコソウ(シソ科)Lamium album var. barbatum
東アジアの温帯に広く分布する多年草です。湿った場所で群落をつくり、高さ30~50cmになります。4~6月、上部の葉の脇に、白色又は淡紅紫色、唇形の花を数輪集めて咲かせます。和名は花の形を笠をかぶった踊子に見立てたことよります。
シャガ(アヤメ科)
○シャガ(アヤメ科)Iris japonica
中国原産の帰化植物で、湿った林下などに群生する常緑の多年草です。3~4月、白紫色のアヤメに似た美しい花を多数咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁