皇后陛下喜寿記念特別展覧会　展示内容と作品

展示内容と作品

皇后陛下のご養蚕

ご養蚕に関係する品とお写真により皇后陛下のご養蚕の様子を紹介すると共に，蚕の繭で作られた装身具，養蚕と草木染に関するご蔵書の一部などを展示します。

【主な展示品】

  • ・御養蚕所飼育の繭4種（小石丸，白繭，黄繭，天蚕）
  • ・糸箪笥と御養蚕所の生糸
  • ・「御養蚕始の儀」で御使用のカルトンと羽箒
  • ・儀式等の際に飾られる牙彫「藁苞（わらづと）に繭」
  • ・御養蚕所でご使用の蚕座，藁蔟（わらまぶし）等の養蚕用具
  • ・御養蚕所の繭を使って作られたブローチ

正倉院裂（ぎれ）の復元

御養蚕所で飼育されている日本純産種の蚕，小石丸の繭から採れる糸を使用して復元された正倉院裂の数々を紹介します。様々な古代の織物が，御養蚕所の小石丸によって，美しい輝きを取り戻しました。平成19年度からの袈裟の復元では，小石丸の糸を使っての復元としては初めて，宝物の形にまで仕立てました。

【展示作品】

  • ・平成6～8年度のasiginuの復元模造品のうち，「讃岐国調白asiginu（さぬきのくにのちょうのしろあしぎぬ）」「丹後国調白asiginu （たんごのくにのちょうのしろあしぎぬ）」「伊豆国調緋asiginu（いずのくにのちょうのひあしぎぬ）」
  • ・平成9～10年度の羅の復元模造品のうち，「子持並ビ三ツ菱文羅（こもちならびみつびしもんのら）」「小菱格子文黄羅（こびしこうしもんきのら）」
  • ・平成11～12年度の綾の復元模造品「小唐花文白綾（しょうからはなもんしろのあや）」「八稜唐花文赤綾（はちりょうからはなもんあかのあや）」
  • ・平成13～16年度の錦の復元模造品「紫地花文錦（むらさきじかもんのにしき）」「赤地唐花文錦（あかじからはなもんのにしき）」「紫地鳳唐草丸文錦（むらさきじほうおうからくさまるもんのにしき）」
  • ・平成19～22年度の復元模造品「七条織成樹皮色袈裟（しちじょうしょくせいじゅひしょくのけさ）」「御袈裟boku袷（おんけさのつつみのあわせ）」

「春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)」の修理事業

鎌倉時代の絵巻の名品「春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)」（全20巻）は，平成16年度から修理事業を進めていますが，この絵巻に取り付けられている萌黄地藤立涌文綾（もえぎじふじたてわくもんのあや）の表紙裂が，御養蚕所の小石丸によって復元されました。修理後の絵巻にはこの小石丸によって復元された裂と，絵巻を巻き留める巻緒が取り付けられて，後世へ伝えられます。

【展示作品】

  • ・「春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)」巻第六（修理の完了したもの）
  • ・小石丸による表紙裂の染色工程見本裂
  • ・小石丸による復元巻緒
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