三の丸尚蔵館 第64回展覧会開催要領

1. 展覧会名

開館20周年記念「美を伝えゆく-名品にみる20年の歩み-」

2. 会期

平成25年10月12日(土)~11月24日(日)
      前期:10月12日(土)~10月31日(木)
      後期:11月2日(土)~11月24日(日)

  • 休館日:

    毎週月・金曜日
        但し,10月14日(月・祝),11月4日(月・祝)は開館し,10月15日(火),11月5日(火)は休館します。
        また,11月23日(土・祝)は開館します。

  • 開館時間:

    10月31日(木)まで
            午前9時~午後4時15分(入館は午後4時まで)
        11月2日(土)から会期終了まで
            午前9時~午後3時45分(入館は午後3時30分まで)

3. 概要

平成5年11月3日に開館した当館は,今秋で20周年を迎えます。平成元年,昭和天皇の御代まで御物として皇室の所蔵品であった品々のうち,美術工芸品類約6千点余が天皇陛下と香淳皇后から国へ寄贈されたのを契機に,それらを専門的に収蔵し,調査研究,保存,公開を行う施設として当館は発足しました。小規模な施設ながら,収蔵品の調査研究に基づいてテーマに沿って公開し,皇室と文化の関わりについて様々な視点からの紹介を積み重ねてきました。これまでに開催した企画展は63回に及び,さらに12回の特別展を開催しています。

その一方で,皇室から託された日本文化の優れた作品を後世へ伝えるという役目も担っています。作品の保存管理は,日頃のメンテナンスを進めながら,さらに専門技術者による修理事業を行ってきました。貴重な作品の修理事業においては,事前の調査を行った上で修理方針を検討して作業を進め,修理中には様々な調査を行い,それらの記録を残した上で,修理後の作品の公開と保存に役立てています。これまでの修理事業により制作年代や制作方法の詳細など,貴重な事実が明らかになった作品もあり,わが国の美術史研究にも大きく寄与しています。

今回の開館20周年記念展覧会にあたり,修理事業によって興味深い成果をもたらした名品の数々を通して,公開を支える保存事業の重要性を紹介します。これまで,皇室に伝えられてきた作品を調査に基づいて系統的に紹介してきたこと,その一方で修理事業を中心として作品の保存措置に努力を重ねてきたこと,それらの積み重ねが継続していることは,当館の大きな軌跡です。この軌跡が,皇室と文化の関わりを広く紹介し,また日本文化の伝統の継承に役立つことを願います。

春日権現験記絵(巻第3)
春日権現験記絵(巻第3) 高階隆兼
 1巻(20巻のうち) 鎌倉時代,延慶2年(1309)頃
(作品番号1)

四季草花図屏風
四季草花図屏風 伝狩野永徳
四曲一隻 安土桃山時代(16世紀)
(作品番号3)

萬国絵図屏風
                                                                          (左隻)
萬国絵図屏風
八曲一双 江戸時代(17世紀)
(作品番号5)

動植綵絵(紅葉小禽図)
動植綵絵(紅葉小禽図) 伊藤若冲
1幅(30幅のうち) 江戸時代(18世紀)
(作品番号7)

喪乱帖 王羲之(搨本)
喪乱帖 王羲之(搨本)
1幅 中国・唐時代(7世紀)
(作品番号8)

蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来品)
蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来品)
一具 安土桃山時代(16世紀)
(作品番号13)

巌(裏面:風景)
巌(裏面:風景) 中村彝
1面 明治42年(1909)
(作品番号15)