オーストラリアで採集されたハゼ科トサカハゼ属の1新種 Cristatogobius rubripectoralis.
天皇陛下の論文「A new species of gobiid fish, Cristatogobius rubripectoralis, from Australia(オーストラリアで採集されたハゼ科トサカハゼ属の1新種 Cristatogobius rubripectoralis)(共著)」が日本魚類学会の英文誌のIchthyological Researchに平成15年(2003年)5月23日付で刊行されました。
著者:明仁(※1),目黒勝介(※2),坂本勝一(※2)
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概要
陛下は平成12年(2000年)12月に沖縄県で採集されたトサカハゼ属の3種についての論文(共著)を発表されましたが,このたびの新種のハゼは同じトサカハゼ属の仲間であり,陛下がこの属について研究されていることを知ったオーストラリア博物館のハゼの研究者ホージィ博士より,まだ種類がわかっていなかったオーストラリア産の標本とスライド写真が送られてきました。その種はオーストラリアのクインズランド州やノーザンテリトリー州,およびインドネシアのジャバ(ジャワ)島から採集されており,マングローブ帯の砂泥底に生息しています。今までに報告されているトサカハゼ属の他種とは鱗が多いこと,尾鰭後縁が丸いこと、体色や鰭の色彩などの違いにより,明瞭に区別されるので新種として報告されました。
なお,このたびの研究に使用されたオーストラリア産の標本は,オーストラリア博物館,カナダのロイヤル・オンタリオ博物館,オーストラリアのノーザンテリトリー博物館,および皇居内生物学研究所所蔵のものです。
掲載雑誌
Ichthyological Research 50(2): 117-122 平成15(2003)年5月23日刊行