秋篠宮殿下は、平成2(1990)年6月29日、ご結婚に伴い、独立の生計を営まれることになり、秋篠宮の称号を天皇陛下(現上皇陛下)より賜りました。また、令和元(2019)年5月1日から、御代替わりに伴い、皇嗣の立場になられ、令和2(2020)年11月8日には、立皇嗣の礼が執り行われました。令和4(2022)年4月21日に神宮、22日に神武天皇山陵、26日に昭和天皇山陵をご参拝になり、立皇嗣の礼関係行事をすべて終えられました。また、両殿下のお考えにより、22日に孝明天皇山陵、英照皇太后山陵、明治天皇山陵、昭憲皇太后山陵、26日に大正天皇山陵、貞明皇后山陵、香淳皇后山陵をご参拝になりました。
令和4(2022)年9月20日には、英国女王エリザベス2世陛下のご葬儀ご参列のため天皇陛下が英国をご訪問中に、国事行為臨時代行として宮殿にてご執務になりました。
殿下は、妃殿下とご一緒に、新年祝賀の儀をはじめとする宮中の儀式および行事にお出ましになっています。
また、国内各地で開かれている各種の行事にご臨席になっています。主なものとして、全国「みどりの愛護」のつどい、海フェスタ、全国高等学校総合体育大会、全国高等学校総合文化祭、福岡アジア文化賞授賞式、全国育樹祭などがあり、その折りには当該地方事情の視察もされています。
東京都内では、上皇陛下から引き継がれた国際生物学賞授賞式のほか、交通安全国民運動中央大会、日本学術振興会賞・日本学士院学術奨励賞授賞式、上皇陛下から引き継がれた日本学術振興会育志賞授賞式、地球環境大賞授賞式、文化庁芸術祭オープニング、農林水産祭 実りのフェスティバル、大日本水産会 水産功績者表彰式、ブループラネット賞表彰式典、日本学生科学賞中央表彰式などの行事にご臨席になっています。
戦災・震災に関わる行事としては、都内戦災並びに関東大震災遭難者の春季慰霊大法要、東日本大震災追悼式、都内戦災並びに関東大震災遭難者の秋季慰霊大法要などにご臨席になっています。
殿下は、各種団体・組織の総裁・名誉総裁にお就きになっています。こうしたお立場でのお出ましとしては、山階鳥類研究所の山階芳麿賞贈呈式や文部科学省科学研究費補助金(特定奨励費)による研究事業の研究成果発表会、日本動物園水族館協会の通常総会、日蘭協会の年次総会、日本水大賞・日本ストックホルム青少年水大賞表彰式、日本ワックスマン財団の学術研究助成金贈呈式、済生会の総会、大日本農会の農事功績者表彰式、大日本山林会の全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式、日本植物園協会の大会開会式などがあります。さらに、御寺泉涌寺を護る会の総裁として、毎年、皇室の御香華院である御寺泉涌寺にお出ましになり、同会の定期総会にご臨席になっています。
このほか、殿下は、宮邸において、国内外の要人をはじめ、アジア・中南米協力フォーラムの若手リーダーや「次世代日系人指導者会議」被招へい者、JICA海外協力隊や国際交流基金賞受賞者、沖縄豆記者と函館豆記者、長寿善行者など、様々な分野の人々にお会いになっています。
これらのご活動の多くは、妃殿下とご一緒にお出ましになっています。
令和2(2020)年2月以降は、COVID-19の感染拡大により、予定されていた行事は開催規模が縮小されたり、あるいは中止・延期されたりしたことから、お出ましの多くがお取り止めとなりました。こうした状況の中、秋篠宮家では、早くから、COVID-19が様々な分野に及ぼしている影響などについて医療や経済等の関係者をはじめとする多くの専門家等から、オンラインや対面で説明をお受けになりました。また、実際のお出ましに代わるご訪問や人々との交流等も、オンラインで行ってきました。その後、国内各地で各種の行事が再開されるようになり、令和4(2022)年4月以降は、東京都外を含め各種の行事に実際にお出ましになり、様々な分野の人々に直接お会いになっています。
近年における両殿下の外国への公式訪問としては、平成26(2014)年6月から7月に外交関係樹立50周年の機会にザンビアを、国際親善としてタンザニアを、平成26(2014)年10月に支倉使節団訪墨400周年記念:日墨交流年の機会にメキシコを、国際親善としてグアテマラを、平成27(2015)年10月から11月に外交関係樹立120周年の機会にブラジルを、平成28(2016)年5月に国交樹立150周年の機会にイタリアを、平成29(2017)年9月に外交関係樹立120周年の機会にチリを、平成30(2018)年6月に日本人のハワイ州移住150周年の機会に米国を、令和元(2019)年6月から7月にかけて、国交樹立100周年の機会にポーランドを、外交関係樹立100周年の機会にフィンランドを、それぞれご訪問になりました。また、平成29(2017)年10月にタイ前国王プーミポンアドゥンラヤデート陛下のご火葬式における献花行事に参列されました。
公的なご活動をされる傍ら、殿下は生き物への関心を持ち続けておられます。「生き物文化誌学会」の立ち上げに参加されるなど、人とそれ以外の生き物との関係についての研究をしてこられました。その関連で、今までに『欧州家禽図鑑』、『鶏と人―民族生物学の視点から』、”Chickens and Humans in Thailand: Their Multiple Relationships and Domestication”、『ナマズの博覧誌』などを纏められました。
現在の主たるテーマはドメスティケーションで、なかでも野鶏の家畜化過程とその後におこった品種化の要因の意味を、各地域における生活習慣や信仰、人々の嗜好、そして生物学的特徴などの視点から考察することです。このことに関連して、殿下はこれまで、国内における調査のほか、平成5(1993)年及び6(1994)年にインドネシアを、平成10(1998)年に妃殿下とともに中国の雲南省を、平成13(2001)年にタイ、ラオスを、平成17(2005)年にタイを、平成19(2007)年には眞子内親王殿下とともにマダガスカルを、平成22(2010)年に眞子内親王殿下とともにラオスを、平成24(2012)年にベトナムを、そして、平成29(2017)年に眞子内親王殿下とともにハンガリーを訪問されました。なお、殿下は平成8(1996)年9月には、鶏の起源と家禽化についての論文 "Molecular Phylogeny of Junglefowls, genus Gallus and Monophyletic Origin of Domestic Fowls(野鶏ガルス属の分子系統および家鶏の単系起源)"で国立総合研究大学院大学から、理学博士の学位を取得されています。
殿下は今までに幾度となくタイへ魚類や家禽類の調査で訪問され、その成果をいくつかの学術論文として発表されました。それらのことから、タイにおける水産振興や家禽学への貢献に対し、平成7(1995)年9月に同国カセートサート大学から理学(水産生物学)、ブーラパー大学から理学、平成11(1999)年7月にコーンケーン大学から理学(水産学)、平成13(2001)年8月にシーナカリンウィロート大学とチュラーロンコーン大学から理学、平成15(2003)年8月にウボンラーチャタニー大学から理学(農学)、平成19(2007)年3月にキングモンクット工科大学から理学(水産学)、平成23(2011)年3月にカセートサート大学から理学(畜産学)、チエンマイ大学から人文学(人間・環境管理学)、平成24(2012)年11月にタマサート大学から理学(農業技術)、平成30年(2018)年12月にマハーサーラカーム大学から生物学の名誉博士号の贈呈をお受けになりました。
妃殿下は、殿下とともに公的なご活動に携わられるほか、日本赤十字社名誉副総裁として、全国献血運動推進全国大会などの行事にご出席になっています。また、「日本賞」教育コンテンツ国際コンクールや、出産・育児の後に研究活動を再開する研究者を支援する「日本学術振興会特別研究員 - RPD(Restarted Post Doctoral fellowship)研究交流会」などの行事にお出ましになり、多くの人々とお会いになっておられます。
妃殿下は、平成6(1994)年4月には財団法人結核予防会(現在は公益財団法人結核予防会)の総裁に就任され、結核予防全国大会、結核予防関係婦人団体中央講習会、結核国際研修の研修生との懇談会などにお出ましになっています。平成30(2018)年10月には、オランダで開催された「第49回肺の健康世界会議」に出席され、国際結核肺疾患予防連合(UNION)から、名誉会員称号をお受けになりました。令和2(2020)年以降、「国際結核肺疾患予防連合(The Union)肺の健康世界会議」の開会式や秩父宮妃記念結核予防功労賞世界賞授与式にビデオメッセージを寄せられ、同会議の講演や分科会などもオンラインでご視聴になっておられます。
平成22(2010)年10月には、社会福祉法人「恩賜財団母子愛育会」の総裁に就任され、愛育班員全国大会などにご出席になるとともに、各地域をお訪ねになり愛育班の活動を励ましておられます。母子健康手帳の分野では、平成30(2018)年12月にはタイで開催された「第11回母子手帳国際会議」に出席されました。COVID-19の流行により、令和3(2021)年はオンラインで開催された「母子健康手帳ウェビナー」(全4回)をご視聴になりました。5月に行われた第2回目のウェビナーではオンラインでご臨席になり、開会の挨拶をされました。令和4(2022)年はオンラインで開催された「第13回母子手帳国際会議」にご臨席になり、ビデオメッセージを寄せられました。また、宮邸において母子保健奨励賞受賞者とお会いになるなど、母子保健分野で活躍する関係者と交流しておられます。平成27(2015)年4月には、皇室とゆかりが深い尼門跡寺院である大聖寺の文化を護り、支えている大聖寺文化・護友会の名誉総裁に就任され、総会にご出席になっています。
妃殿下は、学生時代から手話を学ばれ、手話やきこえない方、きこえにくい方に関係する催しや教育施設をお訪ねになってこられました。平成21(2009)年2月には、日本学術振興会名誉特別研究員に就任され、お茶の水女子大学に論文「結核予防の意識と行動について―結核予防婦人会講習会参加者・女子大学生の調査より―」を提出され、平成25(2013)年3月に博士(人文科学)の学位を取得されました。平成29(2017)年6月から、お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所の特別招聘研究員として、健康心理学分野のご研究を続けておられます。
子
平成27(2015)年10月に公益財団法人日本テニス協会の名誉総裁にご就任になり、全日本テニス選手権やジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップスなどにお出ましになったほか、平成28(2016)年6月には、公益社団法人日本工芸会の総裁にご就任になり、日本伝統工芸展において総裁賞並びに高松宮記念賞を選定されるとともに授賞式などにお出ましになりました。また、森と花の祭典―「みどりの感謝祭」式典や「みどりの『わ』交流のつどい」―都市の緑三賞表彰式―、全国都市緑化祭、国民体育大会閉会式などにお出ましになりました。
平成27(2015)年12月には、外交関係樹立80周年の機会にエルサルバドル及びホンジュラスを、平成28(2016)年9月には日本人移住80周年の機会にパラグアイを、平成29(2017)年5月から6月にはブータン花の博覧会の開催にあたりブータンを、平成30(2018)年7月には日本人移住110周年の機会にブラジルを、令和元(2019)年7月には日本人移住120周年の機会にペルー及びボリビアを、それぞれご訪問になりました。
令和3(2021)年10月、小室圭氏とご結婚になりました。また、公益財団法人日本テニス協会の名誉総裁並びに公益社団法人日本工芸会の総裁をご退任になりました。
佳子内親王殿下は、平成26(2014)年12月にご成年をお迎えになりました。平成31(2019)年3月に国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科を卒業されました。また、令和3(2021)年5月に一般財団法人全日本ろうあ連盟の非常勤嘱託職員に就かれました。
宮中行事に参列されるほか、公的なご活動に携わっておられます。少年の主張全国大会、公益社団法人ガールスカウト日本連盟の催し、全国高校生手話パフォーマンス甲子園、聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会、全日本高等学校馬術競技大会、全国高校生の手話によるスピーチコンテスト、東京都障害者ダンス大会ドレミファダンスコンサート、産経児童出版文化賞贈賞式、みどりの『わ』交流のつどい、全国都市緑化祭、みどりの感謝祭、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会などにお出ましになっています。また、令和4(2022)年には、「日本乳癌学会 創立30周年記念式典」にご臨席になりました。
令和3(2021)年10月に公益財団法人日本テニス協会の名誉総裁にご就任になり、試合や抽選会、創立100周年記念式典などにお出ましになっています。また、令和4(2022)年6月には公益社団法人日本工芸会の総裁にご就任になり、日本伝統工芸展において総裁賞並びに高松宮記念賞を選定されるとともに授賞式などにお出ましになっています。
令和元(2019)年9月には、友好150周年の機会にオーストリアを、外交関係開設150周年の機会にハンガリーを、それぞれご訪問になりました。
悠仁親王殿下は、令和4(2022)年3月にお茶の水女子大学附属中学校を卒業され、4月から筑波大学附属高等学校に進学されました。
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