主な式典におけるおことば(令和3年)

秋篠宮皇嗣妃殿下のおことば

第66回青少年読書感想文全国コンクール
令和3年2月5日(金)

 【表彰式典は中止となりましたが,主催者からの依頼によりお言葉をお寄せになりました。】


 第66回青少年読書感想文全国コンクールの募集がおこなわれた昨年は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって,春には多くの学校が休校になり,夏休みも短くなりました。また,図書館も利用できない時期がありました。このように生活が大きく変わりながらも,200万編を超える感想文が寄せられましたことを,大変うれしく思います。本を読み,その感想を書くことは,文章をまとめ自分の視野を広げていく,とても大切な機会になったことでしょう。

 このたび,多数の応募作品の中から選ばれた受賞者の皆さまに,お祝いを申し上げます。本を読み返しながら,自らの考えや経験などをわかりやすく伝えることは,たやすいことではなかったと思います。それぞれの感想文には,心に響く思いや興味深い気づきが丁寧に書かれており,努力を重ねたことが感じられました。そして私も,共感したり,独自の発想にふれて一緒に考えを巡らしたり,対象になった本を読んでみたりして,充実した時間を過ごすことができました。

 感想文を読みながら,本が人と人とをつなぐ役目を担っていることにも思いを馳せました。例えば,読む人が本との対話を通じて作者や登場人物とつながることができます。また,気に入った本を紹介したり,同じ本を読み合ったり,別々の本を読んで印象に残ったことを伝え合ったりして,そばにいる人とも遠く離れた人とも,本を通じた様々なつながりがあることでしょう。そうした中で,これまであまり本になじみのなかった人が,読みたい本を見つけて手に取るようになるかもしれません。

 学校や図書館などで,本に関わるいろいろな取り組みがあることは,大変よろこばしいことです。児童・生徒が各自の関心や成長に応じ,心を動かされたり,不思議に思ったことを考えたりするような本が一人ひとりに届くように工夫がなされ,読書活動が各地で進められていることを心強く思っております。

 長年にわたり本コンクールの開催に力を尽くしてこられた多くの関係者に深く敬意を表します。これからも,児童・生徒たちが本を読み解き,深い学びを通して多様な見方や考え方が育まれていきますよう心から願っております。

第72回結核予防全国大会
令和3年3月2日(火)

【オンラインでの大会開催にあたり,ビデオメッセージ形式でのお言葉をお寄せになりました。】

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全国公立小・中学校女性校長会結成70周年記念式典
令和3年3月15日(月)

 【記念式典は中止となりましたが,主催者からの依頼によりお言葉をお寄せになりました。】


 このたび,全国公立小・中学校女性校長会が結成70周年を迎えられましたことを心からお慶び申し上げます。

 全国公立小・中学校女性校長会は,昭和26年,いまだ戦後復興の途上にある困難な時期に会員80名で結成されました。当時,全国各地で女性の校長が登用され始めていたとはいえ,数少ない女性校長にとって,その道は平坦ではなく様々なご苦労があったことと思います。そうした中で,全国の女性校長が支え合い,研鑽し合う必要性からこの会が結成されたと伺っております。その後,女性をめぐる状況は大きく変化し,現在では会員は4,300名を超えています。この間,女性校長会が,どれほど多くの女性の校長・教員を励まし,大きな支えとなってきたことでしょう。校長としての重責を担いながら,教育の目標を高く掲げ,豊かな識見のもとに会の活動を熱意をもって受け継いでこられた皆さまのご尽力に深く敬意を表します。

 結成以来70年の長きにわたり,皆さまは,たゆみなく義務教育の充実・発展に努められ,女性管理職の育成並びに女性教員の資質向上や活躍の場の拡大を目指し,研究と実践を重ねてこられました。

 毎年開催されてきた全国研究協議大会は,全国各地から多くの会員が集い,学び合う貴重な場となっていると伺っております。

 10年前に開催された60周年記念式典に出席しましたが,その後におこなわれた「教育を語る会」において,各地区の会員の熱心な実践報告をお聞きし,感銘を受けたことを懐かしく思い出しました。それぞれの学校における女性校長のご活躍と着実な実践の積み重ねは,女性管理職の先がけとして,男女共同参画社会の形成にも貢献してきたといえるでしょう。

 来年度からは,研究主題を「自ら未来を切り拓き 共によりよい社会を創る日本人を育成する学校教育の推進」と設定し,新しい一歩を踏み出されると伺っております。児童・生徒が,自ら考え,社会の多様な人々と力を合わせ,未来を切り拓いていく基礎となる学びができますよう,それぞれの地区の課題に応じて研究を推進されますことを期待しております。

 これまで皆さまがそれぞれの学校において,強い使命感をもってリーダーシップを発揮され,子どもたちが安心して心豊かに育つことができる学び舎を守り,一人ひとりの可能性を伸ばすことを大切にされつつ,学校経営に努めてこられましたことに深く感謝申し上げます。

 特に,昨年からの新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の感染拡大により,全国の学校が臨時休業となるなど,これまでにない難しい対応が求められました。その後も,感染の予防に努めながら,学校の学習や行事をどのように進めるかなど,はかりしれないご苦労がおありではないでしょうか。そのような中にあっても,全国の小・中学校や特別支援学校では,学校と家庭,地域が力を合わせてこの困難に立ち向かい,子どもたちの健康と生活を守り,学びが続くように努力をされていることを大変心強く思います。

 この節目の年にあたり,全国の女性校長の皆さまが健康に留意され,これまで培ってこられた会員相互の絆を大切に,一層研究・研鑽に努められるとともに,未来を担う子どもたちの成長に向けて力を尽くされますよう願い,お祝いのことばといたします。

第2回母子健康手帳ウェビナー
令和3年5月27日(木)

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第22回世界妊娠高血圧学会(ISSHP2021)開会式
令和3年9月15日(水)

【オンラインでの大会開催にあたり,ビデオメッセージ形式でのお言葉をお寄せになりました。】

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第53回愛育班員全国大会
令和3年10月5日(火)

【WEB配信での大会開催にあたり,お言葉をお寄せになりました。】

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「第48回 日本賞 教育コンテンツ国際コンクール」授賞式
令和3年11月9日(火)

 【本年11月9日に開催された授賞式は,COVID-19の感染拡大防止のため,無観客で開催されました。このようなことから,主催者からビデオメッセージによるお言葉の提供依頼があり,メッセージをお寄せになりました。】


 本日,「第48回日本賞教育コンテンツ国際コンクール」の授賞式が開催され,世界各地からオンラインで参加されている皆さまにご挨拶できますことを,大変うれしく思います。そして,この度本審査に進んだ作品や企画の制作者の皆さまに,心からお慶びを申し上げます。

 本コンクールに応募された制作者には,対面での共同作業が制約されるなど,ご苦労もおありだったと思います。また,各地におられる審査委員方は,時差のある中,オンライン会議で選考をされたと伺っております。皆さまの熱意とご努力に,深く敬意を表します。

 感染症の流行により,外出を控えて家で過ごした時,映像や音を通して視野を広げ,世界の異なる文化や様々な考え方にふれることが,一層大切に感じられました。テレビ番組や,映画,デジタルメディアなどが教育に果たす役割は,ますます重要になっているのではないでしょうか。今年は,国連の持続可能な開発目標,SDGsの達成に寄与する優れた作品にも,賞が授与されることをお聞きし,意義深いことと思います。

 今後も,皆さまのご活躍によって多様な作品が創り出されますよう,そして,それらの作品が幅広く視聴され,世界の人々がよりよい未来を築いていくことができますよう願い,授賞式に寄せる言葉といたします。