愛子内親王殿下の主な式典におけるおことば
令和7年
第23回世界災害救急医学会開会式
令和7年5月3日(土)(京王プラザホテル)
本日、第23回世界災害救急医学会の開催に当たり、多くの国と地域の災害救急医療の専門家や研究者の皆様と、この開会式に出席できますことをうれしく思います。
世界災害救急医学会は1976年の創設以来、災害対応や緊急人道支援を始め、救急医療、公衆衛生施策、健康危機管理などの分野において、学術面では研究を通じた知見の蓄積や共有、実践面では災害時における医療体制の強化など、両者の質の向上に大きな役割を果たされてきました。災害医療と救急医学の発展に尽力されてきた関係者の皆様に、心から敬意を表します。
災害医療の現場では、限られた資源と厳しい時間の制約の中で、一人でも多くの命を救うための難しい判断が求められます。そして、急性期医療の提供にとどまらず、高齢者や障害者、外国人、妊産婦や乳幼児など、特にサポートを必要とする方々への支援体制の確立や、被災者の心のケアを含む健康維持のための中長期的な支援も不可欠です。全ての人の尊厳が守られ、適切な医療や保健サービスを受けられる体制の構築は、非常に重要であると考えます。
この第23回世界災害救急医学会は、世界中の災害医学や救急医学、保健学、危機管理学等の学術関係者と医療従事者の知見を結集し、災害時の保健医療体制の強化を目的として開催されると伺っています。
近年、世界における災害が激甚化・頻発化する中で、災害医療や救急医学の重要性はこれまでにも増して高まってきていると思われます。阪神・淡路大震災、東日本大震災を始め、数々の大きな災害を経験してきた日本では、災害医療体制に様々な側面から変革を加え、進化させてきました。この会議は、それらの経験とこれまでに得られた知見や技術を共有する貴重な場であり、更なる国際協力を促進する機会として、また、これからの時代を担う若い世代に、皆様の豊かな経験や知識を継承する機会として意義深いものとなることと思います。
この会議が災害医療及び救急医学の進展、並びに国際協力の深化に寄与する実り多きものとなることをお祈りし、開会式に寄せる言葉といたします。
世界災害救急医学会は1976年の創設以来、災害対応や緊急人道支援を始め、救急医療、公衆衛生施策、健康危機管理などの分野において、学術面では研究を通じた知見の蓄積や共有、実践面では災害時における医療体制の強化など、両者の質の向上に大きな役割を果たされてきました。災害医療と救急医学の発展に尽力されてきた関係者の皆様に、心から敬意を表します。
災害医療の現場では、限られた資源と厳しい時間の制約の中で、一人でも多くの命を救うための難しい判断が求められます。そして、急性期医療の提供にとどまらず、高齢者や障害者、外国人、妊産婦や乳幼児など、特にサポートを必要とする方々への支援体制の確立や、被災者の心のケアを含む健康維持のための中長期的な支援も不可欠です。全ての人の尊厳が守られ、適切な医療や保健サービスを受けられる体制の構築は、非常に重要であると考えます。
この第23回世界災害救急医学会は、世界中の災害医学や救急医学、保健学、危機管理学等の学術関係者と医療従事者の知見を結集し、災害時の保健医療体制の強化を目的として開催されると伺っています。
近年、世界における災害が激甚化・頻発化する中で、災害医療や救急医学の重要性はこれまでにも増して高まってきていると思われます。阪神・淡路大震災、東日本大震災を始め、数々の大きな災害を経験してきた日本では、災害医療体制に様々な側面から変革を加え、進化させてきました。この会議は、それらの経験とこれまでに得られた知見や技術を共有する貴重な場であり、更なる国際協力を促進する機会として、また、これからの時代を担う若い世代に、皆様の豊かな経験や知識を継承する機会として意義深いものとなることと思います。
この会議が災害医療及び救急医学の進展、並びに国際協力の深化に寄与する実り多きものとなることをお祈りし、開会式に寄せる言葉といたします。
千葉大学看護学部創立50周年記念式典
令和7年12月14日(日)(千葉大学亥鼻キャンパスゐのはな記念講堂)
千葉大学看護学部創立50周年という節目の年に当たり、看護学を学ぶ皆様、そして多くの関係者の皆様と御一緒にこの記念式典に出席し、お祝いできますことをうれしく思います。
千葉大学看護学部は、医学や医療の高度化などに伴い、質の高い看護が求められるようになる中、昭和50年に設立されました。それ以来、我が国の国立大学で唯一の看護学部として、教育面では多くの看護師、保健師、助産師を世の中に送り出し、研究面では、日本の看護学を学問として確立することに寄与するとともに、看護学の教育研究者を養成してこられたと伺っております。また、災害が多発している我が国における災害時保健活動マニュアルや、35歳以上で初めて出産する人々のための子育て支援ガイドラインの作成など、多岐にわたる先駆的な取組を続けてこられたことを意義深く思います。
これまでの我が国における看護や看護学の発展への貢献と、関係された皆様の御努力に深く敬意を表します。
私は、幼少の頃より折に触れて、看護師の的確な判断や対象者の意をくんだ臨機応変な対応に接し、相手の心身に寄り添う誠実な姿勢に、看護師のすばらしさを感じてまいりました。
近年、看護の現場では、医学や医療が更に高度化するとともに、社会の高齢化が進み、在宅ケアを希望される方が増加するなど、医療への需要が多様化してきている現状に応えることが求められています。そのような中で、人工知能やロボット技術、遠隔看護などといった新しい技術を活用し、看護の質の向上や看護に従事される方々の負担の軽減を図っていくことも、取り組むべき重要な課題になっていると伺います。
また、地震や豪雨などの様々な自然災害が発生する中で、災害時の看護や被災者への支援に力を注ぐこともますます大切になってきているものと思います。私は、本年5月に能登半島の被災地を訪問いたしましたが、その際、被災された方々の御苦労を目の当たりにするとともに、医療、看護、福祉などに携わる方々が、協力しながら被災者の支援に取り組まれていることが強く印象に残りました。
今日 、看護をめぐる環境が大きく変化する中、新しい時代のニーズに応える看護を担う人材の育成に向けて、看護教育の内容をより充実させていくことも重要になっていると伺っております。
本日お集まりの皆様が、今後とも、患者さんや御家族の思いを受け止め、人々に寄り添いながら活躍されるとともに、看護や看護学の一層の発展に力を尽くされることを願い、50周年の記念式典に寄せる言葉といたします。
千葉大学看護学部は、医学や医療の高度化などに伴い、質の高い看護が求められるようになる中、昭和50年に設立されました。それ以来、我が国の国立大学で唯一の看護学部として、教育面では多くの看護師、保健師、助産師を世の中に送り出し、研究面では、日本の看護学を学問として確立することに寄与するとともに、看護学の教育研究者を養成してこられたと伺っております。また、災害が多発している我が国における災害時保健活動マニュアルや、35歳以上で初めて出産する人々のための子育て支援ガイドラインの作成など、多岐にわたる先駆的な取組を続けてこられたことを意義深く思います。
これまでの我が国における看護や看護学の発展への貢献と、関係された皆様の御努力に深く敬意を表します。
私は、幼少の頃より折に触れて、看護師の的確な判断や対象者の意をくんだ臨機応変な対応に接し、相手の心身に寄り添う誠実な姿勢に、看護師のすばらしさを感じてまいりました。
近年、看護の現場では、医学や医療が更に高度化するとともに、社会の高齢化が進み、在宅ケアを希望される方が増加するなど、医療への需要が多様化してきている現状に応えることが求められています。そのような中で、人工知能やロボット技術、遠隔看護などといった新しい技術を活用し、看護の質の向上や看護に従事される方々の負担の軽減を図っていくことも、取り組むべき重要な課題になっていると伺います。
また、地震や豪雨などの様々な自然災害が発生する中で、災害時の看護や被災者への支援に力を注ぐこともますます大切になってきているものと思います。私は、本年5月に能登半島の被災地を訪問いたしましたが、その際、被災された方々の御苦労を目の当たりにするとともに、医療、看護、福祉などに携わる方々が、協力しながら被災者の支援に取り組まれていることが強く印象に残りました。
本日お集まりの皆様が、今後とも、患者さんや御家族の思いを受け止め、人々に寄り添いながら活躍されるとともに、看護や看護学の一層の発展に力を尽くされることを願い、50周年の記念式典に寄せる言葉といたします。