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佳子内親王殿下の主な式典におけるおことば

令和7年

「第34回森と花の祭典-「みどりの感謝祭」式典」
令和7年5月10日(土)(イイノホール)

 本日、第34回森と花の祭典-「みどりの感謝祭」が、「感じよう みどりの恵みと 木のぬくもり」のテーマのもと開催され、皆様にお会いできましたことを、たいへん嬉しく思います。

 はじめに、これから表彰を受けられる方々と、苗木と花の特別贈呈を受けられる方々に、お祝いを申し上げます。本式典に先立って、皆様のご活動について伺い、皆様が「みどり」を、そして「地域」を、大切に思っていらっしゃる心を感じました。皆様のご努力によって、「みどり」が守られ、育てられ、活かされていることを、たいへん心強く思います。

 本日は、山火事予防ポスター用原画の入賞者の方々への表彰も行われます。今年は、岩手県大船渡市、岡山県岡山市、愛媛県今治市など、各地で大規模な山火事による被害がありました。被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、生活の再建と森林の再生が進むことを願っております。

 森林や樹木、花などの「みどり」は、私たちに潤いや、安らぎ、豊かさをもたらしてくれるとともに、多くの役割を果たしています。とりわけ、日本の国土の約7割を覆う森林では、木々が大地に根を張り巡らして雨水を蓄え、また、土が流れ出すことを防いでいます。さらに、二酸化炭素を吸収して地球温暖化の防止に貢献するとともに、多様な生き物を育む場となっています。

 このように重要な役割を担うかけがえのない「みどり」が、将来へ着実に引き継がれ、これからもその役割を果たし続けられるよう、皆様が様々な立場から努力してこられたことは、とても意義深いことと思います。皆様の活動によって「みどり」への理解が深まった人も多くいらっしゃることでしょう。

 おわりに、全国各地で「みどり」に関わる活動に力を尽くしてこられた方々に心から敬意を表しますとともに、「みどり」を大切にする取組が、さらに広がっていくことを願い、「みどりの感謝祭」に寄せる言葉といたします。

「令和7年度全国都市緑化祭」記念式典
令和7年5月21日(水)(ぎふワールド・ローズガーデン)

 本日、「令和7年度全国都市緑化祭」が、「第42回全国都市緑化ぎふフェア」の中心的行事として開催され、皆様にお会いできましたことをたいへん嬉しく思います。

 花や緑は、私たちに、うるおいや安らぎをもたらしてくれます。また、地球温暖化の緩和、防災に大切な役割をはたすとともに、多様な生き物をはぐくむ場となっています。このかけがえのない花や緑を、皆様がいつくしみ、守り育てていることは、誠に意義深いことと思います。

 ここ岐阜県では、飛騨の山々を含むみどり豊かな森林が県の面積の8割を占め、森林を源とする清流が、里や街を潤し、伝統や文化、匠の技、そして生き物たちを育んできました。昨日は、「世界淡水魚園水族館『アクア・トト ぎふ』」で、魚や水辺の生き物を間近で見て、また、地元の高校で取り組まれているオオサンショウウオの保全活動についてのお話をお聞きしました。その後、「ぎふ木遊館」では、岐阜県産の木で作られたおもちゃを使った遊びを子ども達と一緒に楽しみました。そして、この2日間、新緑に彩られた山を背景として、流れる川と、そのほとりに根をはる草木の若葉がみずみずしく広がる情景に目を奪われました。「清流の国ぎふ」の一端に触れることができ嬉しく思います。

 今回のフェアは、「『清流の国ぎふ』から広げる自然と共生した暮らし」をテーマに、「ぎふワールド・ローズガーデン」など6つの都市公園と飛騨地域の大自然を会場として開催されています。自然とともにある生活の魅力を体感・体験できる催しが開かれ、また、子どもからお年寄りまで幅広い年代の方々が参加して花壇がつくられるなど、「誰もが楽しく参加できる会場づくり」をめざして準備が進められたと伺っています。このフェアをきっかけに、この地の恵まれた自然の中で、共に花や緑を守り育てるあたたかな交流が続いていく姿を思い描いております。

 終わりに、この催しに関係していらっしゃる方々や、このあと表彰を受けられる皆様をはじめ、全国各地で都市の緑化に力を尽くしてこられた方々に深く敬意を表しますとともに、このたびの全国都市緑化祭をひとつの契機として、ここ岐阜県から、花や緑とともにある暮らしがさらに広がっていきますことを願い、式典に寄せる言葉といたします。

「第59回全日本高等学校馬術競技大会」開会式
令和7年7月25日(金)(御殿場市馬術・スポーツセンター)

 本日、「第59回全日本高等学校馬術競技大会」が、ここ静岡県の「御殿場市馬術・スポーツセンター」において開催され、皆様にお会いできましたことを、大変うれしく思います。

 全国の地区大会を勝ち抜かれた皆様、おめでとうございます。皆様は、日々、馬との信頼関係を育みながら、目標に向かって様々な課題を乗り越え、努力してこられたことと思います。これまでの経験は、この大会で初めて出会った馬とともに競技に臨む際にも活かされると思います。皆様が馬と心を通い合わせ、一体となって、積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています。

 本日は、参加選手、馬術部員、ボランティア、応援の方々など、全国から多くの皆様が集まっていらっしゃいます。豊かな自然の中で、全力で競技したり、大会や選手を支えたり、応援したりすること、そして、同じ競技に取り組む他校の高校生と交流することは、きっと貴重な時間になると思います。

 終わりに、本大会の開催に向けて力を尽くしてこられた方々に深く敬意を表しますとともに、この大会で皆様が素敵な時間を過ごされることを願い、私の挨拶といたします。

「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」
令和7年8月31日(日)(有楽町朝日ホール)
【おことばは、手話で述べられました。】

 本日、「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」が開催され、皆様とお会いできましたことを、たいへん嬉しく思います。この後は、手話通訳の方に、読み取り通訳をお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。(※)
※「どうぞよろしくお願いいたします。」は、読み取り通訳を担当する手話通訳者に向けて述べられました。

 「手話スピーチコンテスト」は、長年にわたり、手話を勉強する若い人達の励みになるとともに、社会における手話への関心を高める上で、大きな役割を果たしてきました。これまでに出場した方々が、その後、ろう者との交流を広げたことや、手話を磨き続け、様々な分野で活躍していらっしゃることを伺い、コンテストの意義を改めて感じています。

 予選には、全国各地から62人の高校生が参加しました。すべての参加者の勇気ある素晴らしいチャレンジに拍手を送りたいと思います。そして、多くの参加者の中から選ばれ、今日、手話スピーチをする10人の皆様に、お祝いを申し上げます。皆様は、自分の経験や思い、考えを多くの人に届けられるよう、様々な工夫をしながら準備をしてこられたのではないでしょうか。この後の発表で、皆様一人一人が、これまで積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮できるよう、応援しています。

 さて、「東京2025デフリンピック」の開幕まで、あと76日となりました。「デフリンピック」は、きこえない選手、きこえにくい選手が出場する、4年に一度のスポーツの世界大会です。今年の11月、東京都、福島県、静岡県の各会場で開催されます。会場で見るだけではなく、ユーチューブ等で見ることもできます。世界から集まった選手の力強い活躍を見るとともに、世界で使われている様々な手話や国際手話、多様なコミュニケーション、さらに、多様な文化に触れることは、きっと素敵な機会になることでしょう。

 本コンテストや、様々な取組をきっかけに、手話や、きこえないこと、きこえにくいこと、自分とは異なる様々な背景や状況に対する理解が深まり、そして、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そして、これらがあたりまえの社会になることを強く願っています。

 終わりに、長年にわたり「手話スピーチコンテスト」のために力を尽くしてこられた方々に敬意を表しますとともに、本日のコンテストで、皆様が素敵な時間を過ごされることを願い、私の挨拶といたします。ありがとうございました。

「第12回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」開会式
令和7年9月14日(日)(エースパック未来中心)
【おことばは、手話で述べられました。】

 本日、「第12回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」が開催され、皆様にお会いできましたことを、たいへん嬉しく思います。この大会の準備や運営を支えてこられた皆様に、深く敬意を表します。この後は、手話通訳の方に、読み取り通訳をお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。(※)
※「どうぞよろしくお願いいたします。」は、読み取り通訳を担当する手話通訳者に向けて述べられました。

 本年の予選には、58チームが参加しました。多くのチームの中から選ばれ、本日、手話パフォーマンスをする16チームの皆様、おめでとうございます。皆様は、今日のために、様々な工夫をしながら練習を積み重ねてこられたことと思います。本番の時には、共に出場するチームの仲間と心を通い合わせ、一丸となってパフォーマンスをすることで、各チームの思いがしっかりと伝わるよう応援しています。

 ここ鳥取県は、これまで様々な分野で手話の普及に積極的に取り組んでこられました。例えば、「鳥取県立美術館」では、主な展示室の入り口にQRコードがあり、それをスマートフォンで読み取ると、手話による解説動画を見ることができます。また、「手話通訳付き対話鑑賞」という企画も行われており、昨日、私も見学することができました。きこえない人、きこえにくい人、きこえる人が、美術作品を一緒に鑑賞しながら感想を語り合う様子を見て、素敵なプログラムだと思いました。

 さて、「東京2025デフリンピック」の開幕まで、あと62日となりました。世界から集まったスポーツ選手の力強い活躍を見るとともに、世界で使われている様々な手話や国際手話、多様なコミュニケーション、さらに、多様な文化に触れることは、きっと素敵な機会になることでしょう。

 このような取組や、この大会をきっかけに、手話や、きこえないこと、きこえにくいこと、自分とは異なる様々な背景や状況に対する理解が深まり、そして、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そして、これらがあたりまえの社会になることを強く願っています。

 終わりに、皆様が、本日、素敵な時間を過ごされることを願い、私の挨拶といたします。ありがとうございました。

「ガールズメッセ2025」
令和7年10月19日(日)(ガールスカウト会館)

 本日、「ガールズメッセ2025」が開催され、東京の会場の皆様と、オンラインで繋がっている全国の10か所の会場の皆様とともに、第2部の「表彰式および活動報告会」に出席できることを、たいへん嬉しく思います。

 本日は「わたしの声から広がる世界」をテーマに、各年代を対象としたプログラムが行われています。第1部では、複数のお菓子の中からどれを選ぶかを話し合って決める「おやつ選挙」が行われました。自分達の意見をしっかりと説明し、異なる意見があることを受け止めた上で物事を決める経験を重ねることは、とても大切だと感じます。このような経験は、将来、よりよい社会を築いていくためにも、きっと役にたつことと思います。

 そして、これから表彰を受けられる皆様に、心からお祝いを申し上げます。社会の様々な課題を自分が取り組むべきこととして真剣に考えて行動したことに、大きな拍手を送りたいと思います。活動する中では、思いもよらない壁に直面したり、努力をしても理解が得られなかったりした経験もあったことでしょう。そのような中でも、何ができるかを考え、取り組みを続けてきたことは、とても素晴らしいと感じました。

 受賞された皆様のように、より良い社会を目指して真摯に考え、声をあげ、行動を続けることは、エネルギーを要し、勇気がいることだと思います。皆様が強い思いをもって頑張る姿に、励まされる人が大勢いるはずです。皆様の活動を知ることで、「自分もできるのではないか、自分もやってみよう」という気持ちになり、一歩を踏み出す人もいるかもしれません。この後に行われる第3部の「政治や社会に対する『自分の声』の届け方」も、意義深い時間になることでしょう。

 ガールスカウトは長年にわたり、少女たちが自分らしく輝きよりよい社会を創ることを目指して、活動してこられました。そのような努力が実を結び、ジェンダー平等を含むより良い社会が実現することを願っています。そして、本催しや様々な活動により、自分とは異なる背景や状況への理解が深まり、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを心から願っています。

 終わりに、本日皆様が素敵な時間を過ごされることを願うとともに、皆様のご活動が素晴らしい未来へとつながることを願い、「ガールズメッセ2025」に寄せる言葉といたします。

「創立70周年記念 第10回全国手をつなぐ育成会連合会 全国大会 東京大会/本人大会」
令和7年11月9日(日)(日本工学院アリーナ)

 皆様、おはようございます。本日、「全国手をつなぐ育成会連合会」の70周年を記念する「第10回全国大会/本人大会」が開催され、皆様にお会いできたことを、とてもうれしく思います。また、先ほど表彰を受けられた皆様、おめでとうございます。

 私は先日、育成会の方々からお話を聞き、育成会の本などを読みました。知的障害のある方、ご家族、支援をしている方が、力をあわせ、多くの努力を続けてこられたことが、よくわかりました。

 今から約70年前に、知的障害のある子どもを持つ3人のお母様が、子ども達の幸せを願って、育成会の活動を始めました。その後、活動に参加する保護者や協力する人々が増えていきました。そして、子どもが周りの人から冷たくされたり、学校での教育を受けられなかったりするなど、辛く悲しいことを相談しあい、知的障害のある人も暮らしやすい社会をつくることを目指して、活動を広げていきました。「本人会」もできました。現在では、会員の数は10万人になりました。

 育成会では、会員の皆様が、お互いに悩みを話したり、一緒に楽しい時間を過ごしたりできると聞きました。育成会の活動により、知的障害に対する理解が広がり、制度も前より良くなってきました。ご本人やご家族の視点から暮らしやすい社会を作ろうとする育成会の活動は、社会全体を良くすることにも繋がっていると感じます。例えば、ご本人と支援者により作られた本「みんなで知る見るプログラム」には、否定的な言葉を使わずに前向きな言葉を使う方法が紹介されています。私もこれを読み、前向きな言葉を使おうという気持ちになりました。また、育成会が出版している「手をつなぐ」には、最近のニュースをわかりやすい言葉で紹介しているページがあります。このようなニュースは、多くの人にとって理解しやすく、とても良いと思います。育成会を始め、知的障害の分野で努力をしてこられた皆様に、心から、尊敬の気持ちをお伝えします。

 社会全体で、みんながともに生きる社会を目指すことが、大切だと思います。知的障害に対する理解がさらに広がり、一人ひとりが大切にされ、すべての人が安心して暮らすことができる社会になることを願っています。そして、すべての人が、もっと、いろいろなことを自分で選ぶことができる社会になることを願っています。

 終わりに、本日、皆様が素敵な時間を過ごすことを願い、式典に寄せる言葉といたします。

「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」日本選手団結団式
令和7年11月14日(金)(国立オリンピック記念青少年総合センター)
【おことばは、手話で述べられました。】

 皆様、こんばんは。「東京2025デフリンピック」の日本選手団の皆様とお会いできましたことを大変うれしく思います。

 日本代表に選ばれた選手の皆様、選手を支えてこられた関係者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。

 皆様がこれまでの努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています。また、世界各地から集まった方々と交流が広がる機会になると素敵だと思います。

 おわりに、改めて皆様のご活躍を願い、私の挨拶といたします。ありがとうございました。

第42回伝統的工芸品月間国民会議全国大会記念式典・一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会設立50周年記念式典
令和7年11月18日(火)(有楽町よみうりホール)

【内親王殿下にはCOVID-19に罹患されたことから、お成りになることがかないませんでしたが、式典において内親王殿下がお述べになるご予定であったおことばについては司会者が代読しました。】

 皆様、こんにちは。本日、「第42回伝統的工芸品月間国民会議全国大会記念式典」および「伝統的工芸品産業振興協会設立50周年記念式典」が開催されましたことを、たいへん嬉しく思います。また、これから表彰を受けられる皆様に、心からお祝いを申し上げます。

 伝統的工芸品の産地では、多くの作り手が、長年にわたり、使う人のことを思い、工夫を凝らしながら、人々の暮らしを彩るものを作り続けるとともに、その中で磨いてきた技や美意識を、次の世代に伝えてきました。日本の自然や四季の移ろいとの深い結びつき、使い続ける中で増していくおもむき、地域の人々との間で築かれてきた強い絆など、伝統的工芸品の魅力は多岐にわたると感じています。

 私はこれまで、様々な地域で、伝統工芸の高い技術を持ち、その技術を周囲にも伝えるなど、色々な形で産地に貢献してこられた伝統工芸士をはじめ、製作に関わる方々にお会いする機会がありました。「大阪・関西万博」の会場においても、高度な技を間近で見せていただき、工芸品の製作を体験しました。難しい技をこなす美しい動き、自然から恵まれた素材への深い理解、新たな製品を生み出す斬新な発想などに触れ、また、製造、販売、後継者育成、製品開発、原材料の確保、道具の製造など、多くの方々が関わってひとつの製品が作られていることを知る度に、日本の工芸の奥深さを感じています。このような方々の思いや努力は、使う人の心にも届き、製品を一層魅力的なものにしていると感じます。

 一方で、近年は、後継者の不足、原材料の枯渇や価格の高騰など、伝統的工芸品産業を取り巻く状況は厳しさを増しています。さらに、様々な自然災害も、産地に深刻な影響を及ぼしています。このような困難の中においても、関係者の方々は、伝統的工芸品の技と心を守り継いでいらっしゃいます。そして、伝統的工芸品は輝きを放ち、世界中の人々を魅了し続けています。本日ご出席の皆様をはじめ、伝統的工芸品の分野で努力を重ねてこられた方々に、深く敬意を表します。

 終わりに、伝統的工芸品の未来が一層豊かなものとなりますことを願い、式典に寄せる言葉といたします。

「第8回 みどりの『わ』交流のつどい-都市の緑三賞表彰式-」
令和7年12月15日(月)(明治記念館)

 皆様、こんにちは。本日、第8回「みどりの『わ』交流のつどい」が開催され、皆様にお会いできましたことを、大変うれしく思います。はじめに、これから表彰を受けられる皆様に、心からお祝いを申し上げます。

 みどりは、私たちにうるおいや安らぎ、季節の移ろいを感じさせてくれます。また、地球温暖化やヒートアイランド現象を緩和し、様々な生き物を育み、防災にも大切な役割を果たしています。

 本日は、このように大切なみどりを育て、守り、活かす取組が表彰されます。例えば、水路のほとりを民間の投資と住民の参加により緑化し、心地よい空間を創った取組、公園にどんぐりの実がなるクヌギなど、楽しく遊べる木を植えて、子どもたちがのびのび過ごせるようにするプラン、短い期間で設置や撤去ができる屋上緑化の技術などについて知り、それぞれのご活動に込められた思いやこれまでのご努力を感じております。各地の受賞団体で活動してこられたすべての方々に、改めてお祝いを申し上げます。

 本日の「交流のつどい」は、全国各地で多様な立場からみどりのまちづくりに関わる皆様が、みどりを大切に思う心を共通の軸として交流できる貴重な機会です。きっと、新しい発想が生まれたり、今後の活動に向けたつながりができたり、これまで積み重ねてこられた経験や知識を分かち合ったりする、素敵な時間になることでしょう。

 終わりに、本行事の関係者の皆さま、そしてみどり豊かなまちづくりのために努力してこられた方々に、深く敬意を表しますとともに、「みどりの『わ』」が今後ますます広がっていくことを願い、式典に寄せることばといたします。