主な式典におけるおことば(平成31年)
天皇陛下のおことば
新年一般参賀
平成31年1月2日(水)(宮殿)
新年おめでとう。
晴れ渡った空の下,皆さんと共に新年を祝うことを誠にうれしく思います。
本年が少しでも多くの人にとり,良い年となるよう願っています。
年頭に当たり我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。
第198回国会開会式
平成31年1月28日(月)(国会議事堂)
本日,第198回国会の開会式に臨み,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の深く喜びとするところであります。
国会が,国民生活の安定と向上,世界の平和と繁栄のため,永年にわたり,たゆみない努力を続けていることを,うれしく思います。
ここに,国会が,当面する内外の諸問題に対処するに当たり,国権の最高機関として,その使命を十分に果たし,国民の信託に応えることを切に希望します。
天皇陛下御在位三十年記念式典
平成31年2月24日(日)(国立劇場)
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在位三十年に当たり,政府並びに国の内外から寄せられた祝意に対し,深く感謝いたします。
即位から30年,こと多く過ぎた日々を振り返り,
平成の30年間,日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ,近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちましたが,それはまた,決して平坦な時代ではなく,多くの予想せぬ困難に直面した時代でもありました。世界は気候変動の周期に入り,我が国も多くの自然災害に襲われ,また高齢化,少子化による人口構造の変化から,過去に経験のない多くの社会現象にも直面しました。島国として比較的恵まれた形で独自の文化を育ててきた我が国も,今,グローバル化する世界の中で,更に外に向かって開かれ,その中で
天皇として即位して以来
天皇としてのこれまでの務めを,人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。これまでの私の全ての仕事は,国の組織の同意と支持のもと,初めて行い得たものであり,私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは,その統合の象徴であることに,誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と,過去から今に至る長い年月に,日本人がつくり上げてきた,この国の持つ民度のお陰でした。災害の相次いだこの30年を通し,不幸にも被災の地で多くの悲しみに遭遇しながらも,
今日この機会に,日本が苦しみと悲しみのさ中にあった時,少なからぬ関心を寄せられた諸外国の方々にも,お礼の気持ちを述べたく思います。数知れぬ多くの国や国際機関,また地域が,心のこもった援助を与えてくださいました。心より深く感謝いたします。
平成が始まって間もなく,皇后は感慨のこもった一首の歌を記しています。
ともどもに
平成は昭和天皇の崩御と共に,深い悲しみに沈む
しかしこの頃,全国各地より寄せられた「私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく」という静かな中にも決意に満ちた言葉を,私どもは今も大切に心にとどめています。
在位三十年に当たり,