皇后陛下お誕生日に際し(令和5年)
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皇后陛下お誕生日に際してのご近影
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皇后陛下のお誕生日に際してのご近影
皇后陛下お誕生日に際してのご感想
令和5年12月9日(土)
ちょうど10年前の今日、50歳の誕生日を迎えるに当たり、それまで半世紀を生きてきたことを思い、「不思議な感慨に包まれます」と感想を
光陰矢の
その10年前の少し前には、未曽有の被害をもたらした東日本大震災により、大変に多くの方々が犠牲になられ、また、被災されました。30年前に私が皇室に入りましてから時をあまり経ずして起きた阪神淡路大震災とともに、このことは大きな衝撃と深い悲しみを持って受け止めなくてはならない現実でした。その後も、7年前の熊本地震のほか、台風や豪雨などの自然災害により、我が国は度々大きな災いに見舞われてきましたが、その度に、その時々の厳しい状況の中で人々が力を合わせ、手を取り合って、助け合いながら、悲しみを乗り越え、苦難に立ち向かおうとする姿にどれほどの感銘を受けたことでしょう。そのようなときに、国内各地、そして海外のたくさんの方から届いた温かい支援や善意も心から有り難く感じるものでした。
4年近く前には、
世界に目を向けますと、戦争や紛争により、各地で子どもを含む多くの人の命が失われていることに大変心が痛みます。そして、現在、国際社会の中で、分断と対立が深まってきているのではないかということが気に掛かります。平和な世界を築いていくために、人々が対話を通して相手の置かれている状況を理解しようと努め、互いを尊重し合いながら協力していくことがいかに大切かを改めて感じます。
世界ではまた、今年も地震や水害などの大規模な災害が起きました。トルコ、シリア、モロッコ、アフガニスタンでは、大きな地震が発生し、多くの人が亡くなったり、負傷したり、家を失い避難生活を余儀なくされたりしています。大雨による被害や山火事、深刻な干ばつなど、地球温暖化に伴うと思われる自然災害も世界各地で多発しています。気候変動など地球規模の環境問題は、私たちが協力し合いながら真剣に取り組まなければならない喫緊の課題の一つであると考えます。
日本国内にあっては、南海トラフ地震や首都直下地震などの発生が今後心配される中、関東大震災からちょうど100年に当たった今年、防災や減災についての様々な啓発活動が行われていたことを心強く感じました。他方で、今年も国内の様々な所で地震や大雨、台風などによる自然災害が起こり、残念なことでした。亡くなられた方々とその御遺族に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いをお伝えいたします。
このように、心の痛むことも多い昨今ですが、同時に、若い人々を含め、社会のいろいろなところで、助けを必要としている人々やより良い世の中のために様々な活動を地道に続けている方もたくさんおられ、頼もしく思うとともに、そのような方々の善意や創意工夫に感心し、励まされることが度々あります。
昨年から私たちの地方への訪問が再開されましたが、6月に全国植樹祭に出席するために訪れた岩手県の陸前高田市や大船渡市、釜石市では、被災地の皆さんが、幾多の困難を抱えながらも
9月には、全国豊かな海づくり大会のために北海道を、そして10月には、特別国民体育大会のために鹿児島県、国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭のために石川県を訪れ、それぞれの地域の特色に触れ、この国の自然・風土や歴史・文化の豊かさを改めて感じることができました。また、行く先々で、多くの方に温かく迎えていただいたことも
6月には、天皇陛下と御一緒に、令和になって初めて国賓としてインドネシアを訪問いたしました。久々の海外への親善訪問で、滞在期間も国内で地方を訪問する時よりも長かったこともあり、当初は不安もありましたが、多くの方に温かく迎えていただき、お陰様で、貴重な経験に満ちた思い出に残る初めてのインドネシア滞在となりました。大統領御夫妻には、ボゴール宮殿において歓迎行事や午
幸いにして、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の落ち着きを受けて、4年ぶりに栃木県の御料牧場や那須御用邸で静養する機会にも恵まれました。豊かな自然の中で、ゆっくりと心安らぐ日々を過ごすことができたことは
今年は、私たちにとりまして、結婚30年の節目の年でもありました。この30年の間のことを思い起こしますと、上皇上皇后両陛下の温かいお導きの下で、天皇陛下に常に優しくお支えいただき、また、ほかにも多くの方々に助けられ、見守っていただきながら、今日の日を迎えることができましたことに心から感謝しております。今年は、記念の展覧会なども思いがけず開催していただき、多くの方にお祝いいただいたことは
この30年の月日の中で、2年前に愛子が無事に成年を迎えることができました時には安
今回、還暦という節目の誕生日を迎えることに信じられないような気持ちがいたしますが、この機会に、これまでの60年の人生を改めて振り返り、この世に生を受けてから私を慈しみ育ててくれた両親を始め、家族や友人、先生方、そして今までお世話になった全ての方に深く感謝いたします。また、日頃より国民の皆様から寄せていただいている温かいお気持ちに対し、改めまして心からの御礼をお伝えしたいと思います。これからまた新たな気持ちで一歩を踏み出し、努力を重ねながら、この先の人生を歩んでいくことができればと思っております。
来る年が、我が国、そして世界の人々にとって、明るい希望を持って進んでいくことのできるより良い年となることを願いつつ、国民の皆様の幸せを祈りながら、できる限りの務めを果たすことができますよう努力してまいりたいと思います。
皇后陛下のお誕生日に際しての医師団見解
皇后陛下お誕生日行事
行事時刻 | 出御 | 行事 | 事項 | 場所 |
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午前11:10 | 両陛下 | 祝賀 | 宮内庁長官、宮内庁次長(総代)及び皇宮警察本部長(総代) | 鳳凰の間 |
同11:20 | 両陛下 | 祝賀 | 参与等 | 鳳凰の間 |
同11:40 | 両陛下 | 祝賀 |
内閣総理大臣及び内閣法第9条1順位指定大臣並びに以上の者の配偶者並びに国務大臣、内閣官房副長官及び内閣法制局長官 衆議院及び参議院の議長及び副議長並びに以上の者の配偶者 最高裁判所長官及び最高裁判所判事(長官代行)並びに以上の者の配偶者 会計検査院長、人事院総裁、検事総長、公正取引委員会委員長及び原子力規制委員会委員長 |
梅の間 |
同11:50 | 両陛下 | 祝賀 | 皇嗣同妃両殿下お始め皇族各殿下 | 梅の間 |
正午 | 両陛下 | 祝賀 | 元皇族(代表)及び御親族(代表) | 竹の間 |
午後3:30 | 両陛下 | 御挨拶 | 上皇上皇后両陛下 | 仙洞御所 |
同5:00 |
両陛下 愛子内親王殿下 |
祝賀 | 侍従長始め侍従職職員 | 御 所 |
同5:15 | 両陛下 | 祝賀 | 元側近奉仕者(代表) | 御 所 |