「圓照寺門跡 山村御流いけばな展」ご覧(日本橋髙島屋S.C.本館/東京都中央区)
令和7年4月9日(水)

珠洲焼の花器に生け込まれた「迎え花」をご覧になる様子

迎え花作品

御家元 萩原道秀御門跡の作品をご覧になる様子

御家元の作品
4月9日(水)、秋篠宮皇嗣妃殿下は、「圓照寺門跡 山村御流いけばな展」をご覧になりました。
いけばな展の会場入口には、令和6年能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市の伝統的工芸品である珠洲焼の花器にテッポウユリとキリが生け込まれた「迎え花」が展示され、昨年9月にご訪問になった珠洲市に思いを馳せられながらご覧になりました。また、会場中央付近では、山村御流の御家元である圓照寺第十三世 萩原道秀(はぎわら どうしゅう)御門跡の作品をご覧になりました。この作品は、お床に第十世 山本静山(やまもと じょうざん)御門跡筆の山村御流が大切に継承する御心「花は野にあるように」が描かれた御軸が掛けられており、南鐐布目象嵌(なんりょうぬのめぞうがん)の花器にニリンソウとヒトリシズカが生けられています。
妃殿下は、御門跡様から作品ひとつひとつの花材や花器について説明を受けられました。御門跡様の作品を始め出展された作品に時には腰をかがめてお顔を寄せられ、ご質問を交えながら熱心にご覧になりました。
会場を後にされる際、御門跡様やお見送りに見えた皆様に、感謝のおことばをお伝えになりました。
山村御流は、圓照寺の御門跡が御家元を務める華道の流派です。圓照寺は、後水尾天皇の第一皇女である大通文智女王による開山以降、歴代、皇室や公家の女性が住職を務めておられる皇室とゆかりの深い門跡寺院で、奈良の大和三門跡尼院の一つです。その山内に咲くさまざまな草花を自然のままに仏前に御供えし、御供養されていた文智女王の草花を愛する心は、代々の御門跡に受け継がれました。明治に入り、第六世 伏見宮文秀女王が今日の山村御流の基礎をお築きになった後、第十世 山本静山御門跡が華道山村御流初代御家元になられました。自然のままの草花の美しさを大切にする御心は現在、第十三世 萩原道秀御門跡に受け継がれています。