主な式典におけるおことば(平成30年)

天皇陛下のおことば

新年一般参賀
平成30年1月2日(火)(宮殿)

新年おめでとう。

皆さんと共に新年を祝うことを誠に喜ばしく思います。

本年が少しでも多くの人にとり,穏やかで心豊かな年となるよう願っています。

年の始めに当たり,我が国と世界の人々の幸せを祈ります。

第196回国会開会式
平成30年1月22日(月)(国会議事堂)

本日,第196回国会の開会式に臨み,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の深く喜びとするところであります。

国会が,国民生活の安定と向上,世界の平和と繁栄のため,永年にわたり,たゆみない努力を続けていることを,うれしく思います。

ここに,国会が,当面する内外の諸問題に対処するに当たり,国権の最高機関として,その使命を十分に果たし,国民の信託に応えることを切に希望します。

国賓 ベトナム主席閣下及び同令夫人のための宮中晩餐
平成30年5月30日(水)(宮殿)

この度,ベトナム社会主義共和国主席チャン・ダイ・クアン閣下が,令夫人と共に,国賓として我が国を御訪問になりましたことに対し,心から歓迎の意を表します。ここに,今夕を共に過ごしますことを,誠に喜ばしく思います。

昨年春,皇后と共に,国賓として初めて貴国を訪問いたしました。国家主席閣下及び令夫人から大変心のこもったおもてなしを頂き,また,広く貴国民から温かい歓迎を受けたことが,今も思い起こされます。ここに改めて感謝の意を表します。

貴国では首都ハノイと古都フエを訪れ,日越両国の古くからの交流の歩みに触れることができました。8世紀に貴国から我が国に伝えられた楽舞は,今も我が国の雅楽の中で林邑(りんゆう)楽として残されていますが,フエにおいて,その楽舞を源流とするニャーニャックを(グエン)朝時代の王宮で鑑賞しました。また,20世紀初頭に「東遊(ドンズー)運動」を興し,多くの貴国青年を日本留学に導いたファン・ボイ・チャウ氏の記念館を訪問し,その足跡をたどることができました。それに先立ちハノイにおいては,残留日本兵の人たちが戦後何年かにわたり,生活を共にしたベトナム人家族の人々に会い,現在に至るまで続いている日本との交流について聞く機会もありました。この残留日本兵の人たちは,第二次世界大戦後もベトナムに残って,貴国のフランスからの独立戦争を共に戦い,その後もベトナム人家族との生活を続けましたが,ある時期に当時の事情からその家族を残して日本へ帰国せざるを得なくなった人たちでした。

貴国を訪問した際,日本での留学の経験を経て貴国で活躍するベトナムの人々,我が国から派遣され貴国で活動する青年海外協力隊員や貴国での経済活動に携わる日本企業などの関係者とも会いました。それぞれの立場で取り組んでいる日々の活動を聞いて,このような人々がこれから長きにわたり日越両国の架け橋となっていくのであろうと,うれしく思いました。

貴国は,過去の幾多の苦難を乗り越え,国づくりに取り組み,目覚ましい発展を遂げてきています。本年は,1973年に貴国と我が国との外交関係が樹立されてから45年の節目の年を迎え,両国では多くの記念の行事が実施されると聞いております。この45年間,日越両国は年を追って関係を深めてきましたが,特に近年,関係はますます緊密となっています。我が国には現在約26万人のベトナムの人々が留学生,技能実習生などとして滞在しています。その中には看護師,介護福祉士として活躍し,我が国の高齢社会を支えている人々もいます。同時に貴国で活動する日本人や日本企業の数も年々増えています。そして,両国民の関心の高まりから,お互いの国を往来する訪問者の数は,昨年,双方合わせて100万人を超え,その中には我が国から修学旅行として貴国を訪問する高校生もいます。このように様々な交流が深まっていることを心から喜ばしく思います。

我が国は今,緑が鮮やかな季節を迎えております。この良き時の閣下及び令夫人の我が国御訪問が実り多いものとなり,両国間の相互理解と友好協力関係が今後更に増進しますことを心から願っております。

ここに杯を挙げて,国家主席閣下及び令夫人の御健勝とベトナム国民の幸せを祈ります。

ベトナム主席閣下のご答辞

全国戦没者追悼式
平成30年8月15日(水)(日本武道館)

本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来既に73年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。

戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,ここに過去を顧み,深い反省とともに,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。