皇居東御苑花だより

令和6年3月15日
写真 説明
キブシ(キブシ科)
○キブシ(キブシ科)Stachyurus praecox
日本各地、明るい場所に普通に生え、高さ3~5mになります。3~4月、葉が広がる前、長さ4~10cmの花序を垂らし、長さ7mm程、鐘形、淡黄色の花を連ねて咲かせます。
クマノザクラ(バラ科)
○クマノザクラ(バラ科) Cerasus Kumanoensis
紀伊半島南部に自生しています。咲く時期はヤマザクラやソメイヨシノより早い、3月中旬で、花色は白~淡紅色です。2018年に国内の野生の桜としておよそ100年ぶりに新種として発表されました。
シナミザクラ(バラ科)
○シナミザクラ(バラ科)Cerasus pseudocerasus
中国に分布する種で、果実は食用にされ、古くから栽培されています。ソメイヨシノよりも早く咲くので観賞用としても栽培されており、「桃桜」と呼ばれることもあります。
カンヒザクラ(バラ科)
○カンヒザクラ(バラ科)Cerasus campanulata
高さ5~7m、別名ヒカンザクラともいいます。葉より早く、1~3月、直径2cmの緋紅色又は桃紅色で直径2cmの花が下向きに咲きます。花は半開状で蜜が多いです。
ヤマシキミ(ミカン科)
○ミヤマシキミ(ミカン科)Skimmia japonica
林下に生え、高さ0.6~1.2mになり、雌雄異株です。葉は枝先に集まって互生し、表面は革質で光沢があります。3~5月、枝先に直径5~6mmの白い花を密に咲かせます。果実は直径8~10mm、球形で、冬に紅く熟し、有毒です。
ハクモクレン(モクレン科)
○ハクモクレン(モクレン科)Magnolia denudata
3~4月に開花し、葉が出る前に多きな卵形の純白の花を樹冠いっぱいに咲かせます。花芽は銀色の毛に覆われています。
ダンコウバイ(クスノキ科)
○ダンコウバイ(クスノキ科)Lindera obtusiloba
暖地の山地に生え、まばらに枝分かれして高さ3~7mになります。3~4月、葉に先立って芳香のある黄色い花を咲かせます。材にも芳香があり、楊枝の材料に用いられます。
シュンラン(ラン科)
○シュンラン(ラン科)Cymbidium goeringii
日本を代表する野生のランで、落葉樹林などに生える多年草です。3~4月、高さ10~25cmの花茎の先に淡黄緑色の花が1輪開きます。根元から立ち上がる線形の葉は、縁に鋸歯があります。
サンシュユ(ミズキ科)
○サンシュユ(ミズキ科)Cornus officinalis
中国原産で、江戸時代、薬用として渡来しました。高さ5~10mになり、樹皮は薄く剝がれます。3月~4月上旬、黄色い小花を多数咲かせ、秋には長さ1.5cm、楕円形の果実が赤く熟します。
ニワウメ(バラ科)
○ニワウメ(バラ科)Prunus japonica
中国から古い時代に渡来しました。高さは1~2m、葉は互生し卵形または卵状披針形で先は鋭くとがります。4月頃葉より早く、または同時に直径約1.3cmで淡紅色または白色の花が枝に多数咲きます。果実は紫赤色に熟し、食べられます。
アセビ(ツツジ科)
○アセビ(ツツジ科)Pieris japonica Pieris japonica
やや乾燥した山地に生え、高さは2~9mになります。葉は互生し、長さ3~8cmの倒披針形で厚い革質です。縁には鈍い鋸歯があり、両面とも無毛です。3~5月、枝先に円錐花序をだし、白い花が多数垂れ下がって咲きます。花冠は長さ6~8mmの壺形で先は浅く5裂します。
オガタマノキ(モクレン科)
○オガタマノキ(モクレン科)Magnolia compressa
暖地の山地に自生します。よく神社に植えられ、神前に供えられます。2~4月、葉の脇に咲く、芳香のある直径3~4cmの花は白色で、基部は紅色を帯びます。長さ8~14cm、長楕円形の葉は、表面は光沢があり、裏面は有毛です。
トサミズキ(マンサク科)
○トサミズキ(マンサク科)Corylopsis spicata
高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などに自生し、高さ2~4mになります。3~4月、葉が広がる前、淡黄色の小花を7~8輪下向きに集めて咲かせます。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁