皇居東御苑花だより

令和6年4月26日
写真 説明
キンラン
○キンラン(ラン科)Cephalanthera falcata
山地や丘陵の木陰に生える高さ30~50cmの多年草です。4~5月頃、茎先に直径約1㎝、黄色い花を10輪ほど咲かせます。花の色から金蘭(きんらん)と名付けられました。
ギンラン
○ギンラン(ラン科)Cephalanthera erecta
山地や丘陵の木陰に生える高さ10~30cmの多年草です。5月頃、茎先に咲く3~5輪の白い花は長さ1cmほどで平開しません。花の色から銀蘭(ぎんらん)と名付けられました。
チゴユリ
○チゴユリ(イヌサフラン科)Disporum smilacinum
山地のやや明るい林下に生える多年草で、4~6月、茎先に長さ1~1.5㎝の白花を1~2輪咲かせます。その小さくかわいらしい姿から稚児百合と名付けられました。
チョウジソウ
○チョウジソウ(キョウチクトウ科)Amsonia elliptica
湿った草地に生える高さ60㎝程の多年草です。葉は互生し、細長く、先が尖ります。5月~6月、茎の先端に、直径約1.5㎝の星形、青紫色の花を多数咲かせます。
コウホネ
○コウホネ(スイレン科)Nuphar japonicum
日本の池や沼に古くから自生するコウホネ(河骨)は、スイレン科の浮葉植物です。水面にハート形の葉を浮かべ、初夏から秋にかけて、鮮やかな黄色い花を咲かせます。名は白い地下茎が骨のように見えるためとも言われています。
カラタネオガタマ
○カラタネオガタマ(モクレン科)Michelia figo
江戸中期に中国から渡来し、暖地の神社や庭に植えられています。高さ3~5mになります。5~6月、直径約3㎝、縁は淡紫色を帯びた黄白色の花を咲かせ、バナナのような香りを放ちます。
タニウツギ
○タニウツギ(スイカズラ科)Weigela hortensis
日本海側の日当たりの良い山野に自生します。よく分枝して、高さ2~5mになります。5~7月、長さ約3㎝の漏斗状、淡紅色又は紅色の花を咲かせます。別名ベニウツギとしても親しまれ、100を超える地方名があります。
キエビネ
○キエビネ(ラン科)Calanthe striata
暖地の林下に生える多年草です。4~5月、エビネの中では大型で、名前のとおり黄色い花を咲かせます。
ツリバナ
○ツリバナ(ニシキギ科)Euonymus oxyphyllus
山地に生え、高さ4m程になります。5~6月、6~15cmの花柄に、直径6~7㎜、淡緑色又はやや淡紫色を帯びた小花を咲かせます。朱色、球形の果実は、熟して5裂すると、種子が5粒現れます。
シラン
○シラン(ラン科)Bletilla striata
やや湿った岩上や林内に生え、高さ30~70cmになる多年草です。4~5月、花茎の先に薄紫色の花を数輪咲かせます。花の色から紫蘭(しらん)と名付けられました。
カマツカ
○カマツカ(バラ科)Pourthiaea villosa var. villosa
各地の山野に普通に生え、高さ5~7mになります。4~5月、短い枝先の散房花序に、小さい白い花が咲きます。果実は長さ7~9mmの楕円形で、秋に赤く熟すと、甘酸っぱくて食べられます。
○ヒメウツギ
○ヒメウツギ(アジサイ科)Deutzia gracilis
山地の岩の上などに生え、高さ1~1.5mになります。5~6月、狭い円錐花序に、直径1~1.5cmの白い花を多数咲かせます。花弁は5個、雄しべは10個あります。
コデマリ
○コデマリ(バラ科)Spiraea cantoniensis
中国原産で、庭や公園によく植えられています。4月~5月、本年枝の先に直径7~10㎜の白い花を多数集めて咲かせます。直径2.5~3㎝の手まりのような花序が名前の由来です。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁