令和5年12月5日
宮内庁総務課広報室
令和5年10月12日(木)、13日(金)の両日、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止等の観点から実施を見合わせておりました御料牧場見学会を4年ぶりに実施しました。
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当日は、青空がいっぱいに広がって、正に見学会日和でした。 |
見学会の様子
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見学会開始前
集会所に集まった見学者は、配付資料を読んだり、部屋の奥に飾られている下総御料牧場時代の生産馬(サラブレット)の賞状などを見ながら開始を待ちました。皆さんの期待がだんだんと高まっていることが伝わってきました。
見学会開始
牧場長からの概要説明と挨拶の後、御料牧場の紹介動画が上映されました。
見学者の皆さんは、牧場長の補足説明にうなずきながら、熱心に動画に見入っていました。
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厩舎までの道行
集会所から徒歩で厩舎まで移動しました。厩舎までの道の左右の囲いに馬が2頭放されており、人懐っこく近寄ってくると、見学者から歓声が上がりました。
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厩舎見学
靴をカバーで覆い、消毒液散布の防疫対策を受けたら、馬の厩舎見学です。
厩舎担当者から、御料牧場で飼育されている馬についての説明があり、その後、見学者は馬に近づいてなでたり、記念に写真を撮ったりして馬とのふれ合いを楽しみました。
担当者から見学者の皆さんへ「馬に触るときは、手は下の方から伸ばして、そっと頬や鼻づらに触っていくとよいですよ」とのアドバイスがあり、そのとおり接していただくことで、馬も喜んでいるようでした。
見学者の皆さんからは、
「かわいいね。おとなしいね。」
「目がきれいだね。」
「若い馬の顔をみると、さっきの馬はお年寄りだったとわかるね。」
などの声が上がっていました。
御料牧場で飼育されている馬は、繁殖馬のほかに牧場で生まれた生後2~3年の若い馬と、長年皇居で働き「引退」して牧場に戻ってきた馬がいます。若い馬は、初期調教を受けた後、皇居に移送され、本格的な調教を受けていきます。そして、信任状捧呈式など様々な行事で働いていくことになるのです。
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馬車見学
パネルで現在の信任状捧呈式で使用されている馬車や馬について説明を受けた後、御料牧場での在日外交団の接遇に使用している、大正から昭和にかけて製作された馬車3両を見学しました。職員からの「馬車に触ることはできます。乗るのはご遠慮くださいね。」との呼びかけには笑い声が上がりました。多くの見学者の方が職員にいろいろ質問したり、馬車をバックに写真を撮ったりしていました。
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場内一周
この後は、バスに乗って牧場内を一周。放牧地、牧草地、野菜畑、農産地区、鶏舎、羊舎、豚舎、牛舎などを車中から見学しました。途中、羊放牧地の脇で下車し、放牧中の羊の様子を見学しました。30分ほどの車中見学中、牧場長が、牧場内の施設や風景について説明案内を行い、見学者からも活発に質問が出ていました。
集会所前に戻って、アンケートにご協力いただき、見学会は無事に終了しました。
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御料牧場見学会を終えての感想
見学者の皆さんからは、
「想像した以上の面積の広さに驚いた。」
「天気も良く、写真もたくさん撮れたので、本当に来てよかった。」
「若い人たちが一生懸命で、好きで働いている感じが出ていた。」
「(御料牧場の職員が)動物や農作物に、真摯な態度で世話をしているのが分かった。」
「可能なら、乳製品の食品加工工程を見てみたい。」
など、様々な感想をいただきました。
御料牧場では、今後も皆様に御料牧場をご案内する機会を設ける予定です。
【御料牧場について】
御料牧場は、栃木県塩谷郡高根沢町・芳賀郡芳賀町にまたがる地(宇都宮市中心街から北東約13キロメートル)にあります。農・畜産事業の総合的経営を行う牧場で、皇室用の乗用馬・輓ばん用馬の生産をはじめ、各種家畜・家禽の飼養管理や皇室・内外賓客接伴用の牛乳・肉・卵などの生産を行い、在日外交団の接遇の場としても使用されています。
【御料牧場見学会】
御料牧場では、平成28年に政府においてとりまとめられた「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28年3月30日 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議決定)を受け、牧場の所在する高根沢町の町民を対象とした見学会及び栃木県内の小学生を対象とした見学会に加え、新たに地域住民以外の方が参加できる見学会を平成28年度から実施しています。
令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の観点から実施を見合わせてきましたが、今年再開し、10月12日(木)、13日(金)に計4回実施しました。
【天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下 御料牧場でのご滞在】
御料牧場は、従前から、皇室の方々のご静養にも利用されています。
令和5年4月にも、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下が御料牧場にご滞在になり、ご滞在中は牧場内の各施設をお訪ねになって、動物との触れ合いや野菜の収穫などを楽しまれました。
また、牧場では家畜の防疫体制を強化しており、牛や羊と触れ合われる際には防護服を、また、鶏舎に入られる際には、二重の防護服や手袋をご着用になった上で消毒をされるなど、病原菌、ウイルスや寄生虫を持ち込まない、持ち出さない処置を徹底されていました。
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