所蔵資料詳細

家屋文鏡(かおくもんきょう)

家屋文鏡
この鏡は,奈良県佐味田(さみた)宝塚古墳から明治14年に出土したものである。鏡背には,それぞれ異なる四棟の建物を描いており,日本製の鏡(倭鏡)であると考えられている。このような文様を鋳出した鏡は他にはなく,唯一本鏡のみである。また,本鏡は考古学だけでなく,建築史や美術史などの分野においても極めて有名な鏡である。この四棟の建物を何と見なすかについては諸説あるが,古墳時代の首長居宅における建物群との関連も指摘されている。また,建物以外にも蓋(きぬがさ)・鶏・雷・樹木などが表現されており,当時の倭人の世界観を考える上でも重要な鏡といえる。