所蔵資料詳細

直弧文鏡(ちょつこもんきょう)

直弧文鏡
この鏡は,明治18年に奈良県大塚陵墓参考地から出土したものである。鏡背には,直線と弧線を組み合わせた,日本の古墳時代特有の文様である直弧文で飾られている。この文様は内行花文鏡(ないこうかもんきょう)の影響を受けているが,単純な弧線を描くわけではなく独自のアレンジが加えられている。このような直弧文を鏡背文様(きょうはいもんよう)に使用している鏡は,現存する青銅鏡の中で本参考地から出土した3面に限られている。この時期のわが国における鏡生産体制を考えていく上でも重要な鏡である。