主な式典におけるおことば(平成30年)

皇太子殿下のおことば

第29回全国「みどりの愛護」のつどい
平成30年5月26日(土)(滋賀県立長浜ドーム)

 第29回全国「みどりの愛護」のつどいが,ここ滋賀県立長浜ドームにおいて開催されるに当たり,日頃から緑の愛護活動に携わっておられる皆さんと共に出席できることをうれしく思います。
 我が国は,緑豊かな環境の中で,四季折々に姿を変える美しい自然の恵みを受け,多様な文化を生み,育んできました。滋賀県も,日本最大の湖である琵琶湖を有し,その周囲に広がる近江盆地,さらには伊吹山地,鈴鹿山脈,比良(ひら)山地などの山々がそれを取り囲んでおり,近江八景に代表されるような変化に富んだ美しい景観や,多種多様な動植物が生育する豊かな自然に恵まれています。そして,こうした美しい水と緑の豊かな自然環境の中で,古くから東西の交通の要衝として人と物が行き交う中で,「長浜縮緬(ちりめん)」などの地場産業や独自の文化が発展し,継承されてきました。
 豊かな緑は,地球温暖化の防止や生物多様性の保全などの様々な環境問題を改善するとともに,災害の防止にも大きな役割を果たしています。また,私たちの暮らしにゆとりと潤いをもたらしてくれます。
 貴重な緑と,その緑を源とする清らかな水を守り,更に新たな緑を創り出し,育てていくためには,多くの人々がその大切さを理解し,幅広く運動に参加していくことが重要です。ただ今表彰を受けられた方々の緑の愛護活動への取組は,大変意義深いものであり,皆さんの努力に対し深く敬意を表します。
 終わりに,今回のつどいにおいて,全国から参加された皆さんが相互に交流を深め,緑を守り育てる心を新たにされるとともに,緑豊かな環境づくりが一層発展することを願い,私の挨拶といたします。

平成30年度全国高等学校総合体育大会総合開会式
平成30年8月1日(水)(三重県営サンアリーナ)

 挨拶に先立ち,この度の平成30年7月豪雨により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに,御遺族と被災された方々にお見舞いを申し上げます。救援と復旧の作業が一日も早く進み,被災された方々が安心して暮らすことができるようになることを心から願っております。
 平成30年度全国高等学校総合体育大会「2018 彩る感動 東海総体」が,全国各地から多数の参加者を迎えて,鈴鹿山脈や大杉谷,清流「宮川」など,美しい自然に恵まれ,豊かな歴史や伝統・文化を育んできたここ三重県を始め,岐阜県,静岡県,愛知県の東海4県と和歌山県で開催されることを喜ばしく思います。
 選手の皆さんには,厳しい暑さの中,体調管理に十分気を付けられ,日頃鍛えた力と技を発揮し,お互いに友情を育むとともに,地域の方々とも交流を深め,高校生活の良い思い出をつくられるよう願っております。
 そして,選手の皆さんの活躍と地元高校生の協力により,この大会が実り多いものとなることを期待します。
 皆さんの御健闘を心からお祈りします。

第100回全国高等学校野球選手権記念大会開会式
平成30年8月5日(日)(阪神甲子園球場)

 挨拶に先立ち,この度の平成30年7月豪雨により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに,御遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の復旧が一日も早く進むことを願っております。
 第100回という記念すべき節目を迎えた,全国高等学校野球選手権記念大会の開会式に出席できることを,うれしく思います。
 次代を担う若者が,スポーツを通じて自らを鍛え,スポーツマンシップを養うことは,とても大切なことであり,これまで1世紀にわたり,青少年の夢を育み,国民の大きな関心を集めてきた高校野球が果たしてきた役割には,大きなものがあります。
 私の高校野球の最初の記憶は,第50回記念大会の決勝戦,大阪の興國(こうこく)高校と静岡商業高校の試合でした。1対0という白熱した投手戦をよく覚えています。それ以来,50年にわたり,高校野球を身近なものと感じて応援してきましたし,第70回大会と第91回大会では開会式に出席し,試合を観戦して,長きにわたる高校野球の歴史の一部をこの目で垣間(かいま)見る機会を得られたことは,とてもうれしいことでした。
 その度に,選手や応援団,観客や運営に関わる方々,さらには選手たちを受け入れる地元の方々のひたむきな取組によって,高校野球が育てられていることを,強く感じることができました。1世紀の長きにわたる皆さんの努力に対し敬意を表します。あわせて,選手の皆さんが,試合を通して大きく成長されている様子もうれしく思っています。
 選手の皆さんは,日々鍛錬を積み重ね,母校の,そしてふるさとの期待を担って,ここ甲子園に集いました。今日までの練習の成果を十分に発揮し,力の限りプレーすることを期待しています。同時に,暑いさなかの試合となりますので,プレーする選手の皆さんも,応援する方々も,くれぐれも体調の管理には気を付けてください。
 この大会が,多くの球児の活躍の場となり,国民に親しまれながら,更に大きく発展することを願うとともに,選手の皆さんの御健闘を心からお祈りし,挨拶といたします。

第17回日本スカウトジャンボリー大集会
平成30年8月7日(火)(第17回日本スカウトジャンボリー会場アリーナ)

 挨拶に先立ち,この度の平成30年7月豪雨により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに,御遺族と被災された方々にお見舞いを申し上げます。被災地の復旧が一日も早く進むことを願っております。
 また,今回の災害に当たり,被災地のスカウトの皆さんを始め全国のスカウトの皆さんが,様々な支援活動に尽力されていると伺いました。皆さんの活動に深い敬意を表します。
 第17回日本スカウトジャンボリーの大集会に,国内外から参加されたスカウトの皆さんと共に出席できることをうれしく思います。
 私は,第7回大会以来,ジャンボリー会場を訪れていますが,毎回,皆さんが,日頃から,スカウト活動への参加を通じて自らの成長を促し,将来良き社会人となるために研(さん)され,大会の様々な活動に積極的に,また真剣に取り組んでいる姿を,頼もしく感じます。
 私自身,皆さんと同じ年頃にジャンボリーに参加し,野営体験などのスカウト活動の貴重な体験をしたことを懐かしく思い出します。
 皆さんが,様々な活動に協力して取り組むことで,スカウト同士の友情を深められることはもちろん,海外からのスカウトと交流し,国際的な視野を広げることは,いろいろな形で必ず皆さんの将来に大きく役立つものとなるでしょう。
 ここ能登の地は,長い時間を掛けて自然と調和した人の営みが造り上げた里山里海を有しています。能登の豊かな自然と文化に触れながら,多くの活動に参加し,貴重な思い出を作ってください。
 スカウト運動の一層の発展と,我が国,そして世界の青少年の健全な育成が図られることを願い,大集会に寄せる言葉といたします。