春の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」を開催(京都御所(京都市上京区))

令和6年4月5日
宮内庁総務課広報室


3月20日(水・祝)から24日(日)までの日程で、令和6年春の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」を開催しました。この特別公開は、平安時代以来の宮廷の文化を国内外の方々へ広く紹介する取組として、春と秋の年2回行っています。今季は雨天が続く公開となりましたが、5日間で26,240人の来訪がありました。

襖絵ふすまえや生け花の展示、紫宸殿ししんでん御三間おみまの室内の公開、雅楽・蹴鞠けまりの実演が披露されました。

本報告では、特別公開の様子と主な内容について紹介します。


順路の様子

会場案内図
(写真をクリックすると別ページで拡大写真を見ることができます。)

【屏風の展示】

宜秋門番所ぎしゅうもんばんしょの展示スペースでは、屏風「源氏の」を展示しました。

本作は、『源氏物語』から11の場面を鮮やかにえがいた屏風で、旧桂宮家が所蔵したと伝わります。金をふんだんに使った雲の表現や、優雅な彩色からは、王朝世界を彷彿とさせる華やかさが感じられます。 



源氏の画

御三間おみま室内の公開】

通常は非公開である御三間の上段の間・中段の間・下段の間の室内を公開し、建築の特徴・障壁画しょうへきが・使われ方などをパネルで紹介しました。

御三間は、その名のとおり3つの部屋を持つ御殿であり、茅輪ちのわくぐりや七夕などの内向きの年中行事が行われ、明治天皇の成長を祝う深曽木ふかそぎの儀式なども行われました。

室内公開の様子

 また、御常御殿おつねごてんの副次的な御殿としての機能を担い、例えば、天皇の崩御があると、しばらくの間、新しい天皇の仮の御在所となり、それまで御常御殿の剣璽の間に安置されていた三種の神器の剣と璽も御三間の上段の間にうつされました。

中段の間の様子 上段の間の様子

室内の障壁画には、宮中と関わりの深い儀式が画かれています。

上段の間 朝賀ちょうが 住吉弘貫すみよしひろつら  筆 安政2年(1855)
中段の間 賀茂祭群参かもさいぐんさん図 駒井こまい孝禮こうれい 筆 安政2年(1855)
下段の間 駒引こまひき図 岸誠がんせい 筆 安政2年(1855)

【装束の展示】

令和元年の即位礼正殿の儀で侍従と女官が実際に着用した装束、束帯そくたい十二単じゅうにひとえを展示しました。このような日本的な装束姿は平安時代中期、十世紀後半には成立したと考えられています。

装束の展示の様子

【雅楽・蹴鞠の催し】

 期間中は、展示のほかに雅楽・蹴鞠の実演も行いました。実演前には、開演を待つ多くの人々の姿が見られ、終演時には大きな拍手が沸き起こりました。

春興殿しゅんこうでん前での雅楽の様子(平安雅楽会)
新御車寄での蹴鞠の様子(蹴鞠しゅうきく保存会)

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