所蔵資料詳細

帯金具(おびかなぐ)

帯金具
帯金具とは,帯(革製か)に取り付けられた金具であり,奈良県大塚陵墓参考地から明治18年に出土した。本参考地出土品は,鉸具(かこ)・帯先金具(おびさきかなぐ)・円形把手付き座金具(えんけいとってつきざかなぐ)各1点と銙板(かばん)金具11点(うち1点は垂飾部分と銙板金具の一部のみ残存)が出土しており,その全容がわかる貴重な例となっている。この帯金具は中国晋代における出土品との間に共通点が認められることから,中国大陸から直接もたらされた可能性も考えられる。わが国において金製,若しくは金銅装の装身具が流行する時期は5世紀の後半代になってからであり,本例のように4世紀代と考えられる金銅製装身具の出土例としては極めて珍しい事例である。