宮内庁宮内公文書館・明治神宮共催展示「宮中の和歌-明治天皇の時代-」の開催について(終了しました。)

宮内公文書館は,明治神宮との共催展示を開催しました。本展は,平成26年11月30日(日)をもって終了いたしました。会期中には多くの方々にご観覧をいただきました。ここに,厚く御礼を申し上げます。

1. 展示会名

宮中の和歌-明治天皇の時代-

2.主催

宮内庁宮内公文書館
明治神宮

3. 会期

平成26年10月4日(土)~11月30日(日)

4. 会場

明治神宮文化館内 宝物展示室
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町1-1 明治神宮内
電話:03-3379-5875

5. 概要

本展示では,ご生涯で約9万3千首余りの御製をお詠みになり和歌を大切にされた明治天皇が,伝統を踏まえ,また時代の変化に対応しどのように和歌を受け継がれたかを,明治神宮宝物殿と宮内庁宮内公文書館に所蔵されている資料でたどりました。

まず,明治に至るまでの歴代の天皇の御製を展示し,皇室の歴史の中で天皇が和歌を詠まれることが伝統的な営みであったことを紹介しました。

次いで,新年の歌会始について資料を展示し,明治天皇が皇族や公家などが天皇に和歌を奉るという伝統的な形式を受け継ぎつつも,広く国民から詠進を募るという新たな制度を確立され,現在の歌会始の基礎を築かれたことを示しました。

また,新年だけでなく毎月決まった日に明治天皇が催された月次歌会に関する資料や,さらに明治天皇の御製,昭憲皇太后の御歌の紹介などを通して,明治天皇の和歌に対するお志や宮中において和歌がご生活の一部となっていたご様子がしのばれるような展示会としました。

6. 主な展示資料
歌会始の図
(1)歌会始の図(宮内公文書館所蔵)
 明治23年(1890)に行われた歌会始を元に描かれた図。二世五姓田(ごせだ)芳柳(ほうりゆう)作。臨時帝室編修局が作成した「明治天皇紀附図稿本」のうちの1点。

鳳凰の間装飾下絵
(2)鳳凰(ほうおう)の間装飾下絵(宮内公文書館所蔵)
 歌会始が行われた明治宮殿「鳳凰の間」の壁面装飾下絵。明治25年(1892)の作。上が瑞鳳模様,下が千鳥模様。
「皇居御造営内部諸装飾明細図・奥表宮殿硝子蒔之部」のうちの1点。

御歌所日記
(3)御歌所日記(宮内公文書館所蔵)
 天皇の御製・皇后の御歌や歌会始に関する事務などを掌った御歌所で作成された事務日誌。
明治8年(1875)~昭和23年(1948)までを所蔵する御歌所の日々の業務が詳細に記されている。

千葉胤明・阪正臣談話速記千葉胤明・阪正臣談話速記
(4)千葉(ちば)胤明(たねあき)(ばん)正臣(まさおみ)談話速記(宮内公文書館所蔵)
 御歌所寄人であった千葉胤明・阪正臣の口述筆記。大正期作成。明治天皇の御歌道や御製「拝見」(添削)などについて語られている。

歌会始詠進懐紙
(5)歌会始詠進懐紙(宮内公文書館所蔵)
 明治14年(1881)に詠進された,有栖川宮(ありすがわのみや)幟仁(たかひと)親王の御懐紙(かいし)。この時の題は「竹有佳色」。

天長節御題短籍帖
(6)天長節御題短籍帖(宮内公文書館所蔵)
 明治16年(1883)の天長節(天皇の御誕生日)に皇族・華族等から詠進された短冊をアルバム帖に仕立てたもの。
正月に行われる歌会始以外にも定期的に歌会が催された。「宮中月次京都華族等詠進」のうちの1冊。

明治天皇御製
(7)明治天皇御製(宮内公文書館所蔵)
 明治天皇の御製を御歌所寄人などが色紙に書き付けたものを,手鑑(てかがみ)帖に仕立てた資料。大正~昭和初期頃に作成された。全12枚の色紙が収められている。

昭憲皇太后御集
(8)昭憲皇太后御集(宮内公文書館所蔵)
 宮内省臨時編纂部によって編纂された昭憲皇太后の御歌集。大正10年(1921)に完成。生涯に3万首を超える御歌を詠み,1097首が収載されている。

明治天皇宸筆御製 孔明
(9)明治天皇宸筆(しんぴつ)御製 孔明(明治神宮所蔵)
 明治天皇宸筆の御製御色紙。「孔明 たつのふす岡のしらゆきふみわけて草のいほりをとふ人やたれ」。

竹製御硯箱
(10)竹製御硯箱(明治神宮所蔵)
 明治19年(1886)に調製された硯箱。表御座所において明治天皇が御使用になったもの。

7. 関連行事

共催展示の関連行事として特別講演会を行いました。

[特別講演会]

①テーマ   宮中の和歌 -明治天皇御製と敷島の道-
②主催 明治神宮
③日時 平成26年10月11日(土)午後1時30分~3時40分
④場所 明治神宮社務所 講堂
⑤講演者 豊田恵子(宮内庁書陵部図書寮文庫図書調査室)
打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所)
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