宮内庁宮内公文書館,馬の博物館共催 特別展「鞍上にて駆ける近代 御料馬・主馬寮(しゅめりょう)・天覧競馬」の開催について(終了しました。)

1. 展示会名

鞍上にて駆ける近代 御料馬・主馬寮 (しゅめりょう)・天覧競馬

2. 主催

宮内庁宮内公文書館 公益財団法人 馬事文化財団

3. 会期

令和3年9月11日(土)~11月21日(日)
(休館日:月・火曜日(祝日開館),9月22 日(水))
※新型コロナウイルス感染症対策のため,予告なく開催期間等を変更することがあります。

4. 開館時間

午前11時~午後4時
※入館受付は閉館の30分前まで

5. 入館料

大人200円,小・中・高校生30円
※毎週土曜日は小・中・高校生無料
※障がい者手帳をお持ちの方は無料

6. 会場
馬の博物館 第2・3展示室
住所:〒231-0853 神奈川県横浜市中区根岸台1‐3 根岸競馬記念公苑
電話:045-662-7581
アクセス:
 ・横浜市営バス「滝の上」下車
 ・JR根岸駅から21系統・桜木町駅前行
 ・JR桜木町駅から21系統・市電保存館前行
 ・横浜駅東口から103系統・本牧方面行

※駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。

7. 概要

明治天皇は,御料馬に数多く騎乗され,乗馬を楽しまれました。競馬場へもたびたび足を運ばれ,天覧競馬が催されました。明治38年(1905)には,現在の天皇賞へとつながる帝室御賞典が,横浜・根岸競馬場からはじまっています。馬との深いつながりは,大正天皇,昭和天皇にもひきつがれ,幼少の頃から乗馬にいそしみました。

皇室をささえる宮内省内には,馬を取り扱う部署である主馬寮(しゅめりょう)と御料牧場が設置されます。主馬寮(しゅめりょう)の職員は,天皇・皇族がお召しになる馬車をひき,御料牧場では良質な馬づくりにはげみました。また,日本競馬黎明期には先達となる騎手を輩出する一方,江戸時代からつづく古式馬術の使い手としても活躍しました。

本展では,馬とともに駆け抜けた明治・大正・昭和の歴史にスポットをあて,馬の博物館と宮内公文書館が所蔵する資料を中心に,近代の皇室と宮内省に伝わる馬文化を紹介します。

8. 関連行事

共催展示の関連行事として下記の要領で講演会を行います。
◎講演会
・10月23日(土) 午後1時~午後3時
 辻岡健志(宮内庁書陵部図書課宮内公文書館)「天覧競馬こと始め」
 篠﨑佑太(宮内庁書陵部図書課宮内公文書館)「宮内省御厩課の時代」

・11月3日(水・祝) 午後1時~午後3時
 二ノ宮幹太(宮内庁書陵部図書課宮内公文書館)「関東大震災後の御料馬車」
 金澤真嗣(馬の博物館)「乗馬倶楽部の「勃興」と皇室」

【会場】馬の博物館
【定員】各回30名

【申込方法】
 葉書または馬の博物館ホームページより,8月20日(金)~10月3日(日)まで申込受付(葉書は必着。申込人数が定員を超えた場合は抽選)
 葉書には,住所・氏名(複数名の場合は全員の氏名)・電話番号・参加希望日(両日申込可)をご記入の上,馬の博物館学芸部まで。
 受付終了後,10月10日(日)までにメール・郵送等で結果をお知らせします。

※根岸競馬記念公苑(馬の博物館・ポニーセンター)は,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,8月31日(火)まで臨時休苑しております。

 なお,馬の博物館職員の勤務体制変更により,休苑中は電話による対応を中止しています。

 今後の状況については,馬の博物館ホームページをご確認ください。

9. 主な展示資料
(1)明治天皇御料馬写真
明治天皇御料馬写真
明治天皇の御料馬として知られる金華山号の油絵を撮影した写真。大正元年(1912)8月に撮影された。金華山号は,明治9年(1876)の東北・北海道巡幸の際に買い上げられた。初めは臣下乗馬であったが,宮内省御厩課の馭者(ぎょしゃ)であった目賀田雅周によって御料馬として調教された。明治13年(1880)の甲州・東山道巡幸の際に乗馬されたことを皮切りに,明治26年(1893)に引退するまで多くの行幸に従った。(宮内公文書館蔵)

(2)吹上御苑之図
吹上御苑之図
皇城・吹上御苑の図面。図面中央下のだ円形の箇所が,406間(約738メートル)の馬場である。明治6年(1873)の皇城炎上により,明治天皇が赤坂仮皇居にお住まいを移されてからも,吹上御苑にはしばしば行幸になった。吹上御苑で催された天覧競馬は,初回の明治8年以降,明治宮殿が竣工する直前の明治17年まで続いた。(宮内公文書館蔵)

(3)主馬寮庁舎写真
主馬寮庁舎写真
主馬寮庁舎の正面を写した写真。内匠寮(たくみりょう)において撮影した1枚である。明治6年(1873)の皇城炎上ののち,明治15年に皇居造営事務局が置かれ,明治宮殿(宮城)の建設が行われた。造営事業の一環として,主馬寮庁舎は,明治20年12月に現在の二の丸庭園のあたりに建設された。(宮内公文書館蔵)

(4)明治天皇油絵御肖像
明治天皇油絵御肖像
大正9年(1920)5月28日,中村源兵衛が宮内省臨時帝室編修局へ寄贈した明治天皇の油絵である。原図は,明治初年に撮影された明治天皇の写真であり,画家の八木熊次郎(彩霞)によって描かれた。臨時帝室編修局のほか,明治神宮と神奈川県庁(関東大震災で焼失)にも大きさは異なるが同様の絵が寄贈されている。(宮内公文書館)

(5)昭和大礼記録写真帖
昭和大礼記録写真帖
昭和大礼時,東京駅前の儀装馬車を撮影した写真。大礼に向けて,京都へ行幸になる際の様子を写したものである。昭和3年(1928)11月6日撮影。大正15年(1926)12月25日,皇太子裕仁親王が践祚した。京都で即位の礼および大嘗祭が行われたのは,践祚から2年後の昭和3年11月のことである。同年11月6日,宮城を出た鹵簿(ろぼ)は594メートルに及び,沿道の奉拝者は約6万人に達したと言われている。(宮内公文書館蔵)

(6)上野不忍競馬之図
上野不忍競馬之図
美人画・歴史画で大衆の人気絵師・楊州周延の作。上野不忍池競馬は,鹿鳴館・根岸競馬と並び,生活・習慣の西洋化をはかる欧化政策を象徴する大祭典であった。この錦絵は,洋装の明治天皇と皇后が観戦されている様子をクローズアップした絵柄だが,想像図で開催前に刷られ宣伝的役割を果たした。(馬の博物館蔵)

(7)明治38年根岸春季競馬「エンペラーズカップ」優勝馬主賞品(第2日4レース)
明治38年根岸春季競馬「エンペラーズカップ」優勝馬主賞品(第2日4レース)
この優勝賞品は,皇室からの御下賜品競走と競走名(英語のみ,日本語は明治39年池上秋季競馬から帝室御賞典競走に統一)が同一に固定,定期開催されることとなった最初の授与品。デザインは円周中央の3か所に菊の御紋章を均等に配し,それぞれの間には大きな桐の葉が,上部には桐唐草文様,下部には菊の葉が鍛金で意匠されている。(馬の博物館蔵)

(8)皇太子嘉仁親王御着座 御紋付椅子
皇太子嘉仁親王御着座 紋付椅子
嘉仁親王(大正天皇)は,明治44年(1911)8月27日に札幌競馬場を行啓になり,秋競馬第1日目の第3レースから最終レースまでを観覧された。本品は,貴賓館の観覧席でご使用になったと伝わる椅子。椅子の笠木には菊の御紋をあしらっている。(JRA競馬博物館蔵)

(9)吹雪号
吹雪号
吹雪号は大正13年(1924)に輸入したハンガリー産のアラブ種で,昭和天皇が皇太子時代から御騎乗になった御料馬。本品は,馬の彫刻で名高い三井高義(1903‐87)が昭和2年(1927)に制作したもの。(馬の博物館蔵)

(10)打毬(だきゅう)道具
打毬(だきゅう)道具
打毬は,紅白・4~5人のチームに分かれて争う馬上のスポーツ。日本式のポロと呼ばれ,主馬寮(しゅめりょう)では外賓接待や宮中のイベントなどでしばしば披露した。毬杖(きゅうじょう)の先にある網の部分に毬(たま)をのせ,ゴールの毬門をめがけて投げ入れる。(馬の博物館蔵)

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