国立公文書館・宮内公文書館・外交史料館連携展示「近代国家日本の登場-公文書にみる明治-」について(終了しました。)

宮内公文書館は,国立公文書館平成25年春の特別展にて,同館,外交史料館と連携展を開催しました。本展覧会は、平成25年4月18日(木)をもって終了いたしました。会期中には多くの方々にご観覧をいただきました。ここに,厚く御礼を申し上げます。

1. 展示会名

近代国家日本の登場-公文書にみる明治-

2. 主催
3. 会期

平成25年3月30日(土)~4月18日(木)

4. 会場

国立公文書館1階展示室
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2

5. 概要

国立公文書館・宮内公文書館・外交史料館が所蔵する,国の政治,皇室,外交の記録が一堂に集まったのは本展示会が初めてです。本展示会では,3館が所蔵する明治時代の公文書や絵巻物などにより,明治維新を経て近代国家への道を歩んだ明治日本の軌跡を描き出しました。

宮内公文書館から出品した主なものには,明治天皇のご生涯について,即位の礼の模様等を描いた「明治天皇御紀附図稿本」や六大巡幸に関する写真・公文書,大喪儀を再現した絵巻物「明治天皇大喪儀絵巻物」などがあります。ほかにも,現在まで続いている歌会始や講書始,園遊会の前身である観桜会・観菊会といった宮中の儀式・行事の関係資料,華族制度が確立する中で作成された各華族家の家範など宮内省の業務に特徴的な資料も出品しました。さらに,明治10年(1877)に勃発した西南戦争時に集積した文書を綴った「西南征討録」や明治24年(1891)に発生したロシア皇太子負傷事件である大津事件に関連する資料などの政治的に重要な事件に関わる文書も出品しました。

国立公文書館からは,大日本帝国憲法や「錦の御旗の図」(重要文化財『公文附属の図』)など,外交史料館からは,日清・日露両戦争の講和条約や鹿鳴館の晩餐会メニューなどの日本近代史上の貴重な資料が出品されました。

【主な展示資料】
明治天皇御紀附図稿本
1.明治天皇御紀附図稿本
宮内公文書館所蔵。「明治天皇紀」附図の稿本。五姓田芳柳作成。
明治天皇の御降誕から桃山御陵までを題材とする。
上の写真は,慶応4年(1868)8月に行われた即位の礼の場面。

九州御巡幸写真
2.九州御巡幸写真
明治5年(1872)の九州・西国御巡幸の際に作成された写真帳の複製。
撮影者は,明治天皇の御写真を撮影したことでも著名な内田九一。

西南征討録
3.西南征討録
明治10年(1877)に勃発した西南戦争に関する記録。
征討総督に任命された有栖川宮熾仁親王の出陣・凱旋,功労者への恩賜・金穀など関係資料が含まれている。

歌会始詠進懐紙
4.歌会始詠進懐紙
宮内公文書館所蔵。歌会始に出詠された和歌を収めた資料。
上の写真は,久邇宮朝彦親王が明治17年(1884)にお詠みになられたもの。

観菊会録
5.観菊会録
明治20年(1887)に作成された観菊会の招待者への会場の案内図。
観菊会・観桜会は,園遊会の前身に当たる宮中行事。案内図に見える「宮殿」とは,赤坂離宮を指す。

公爵徳川家々範他
6.公爵徳川家々範他
華族の家の家政内規を定めた家範。全52点が確認できる。
有爵者は,宮内大臣の認許をもって家範を定めることができた。

ロシア皇太子ニコライほか集合写真
7.ロシア皇太子ニコライほか集合写真
明治24年(1891)に訪日したロシア皇太子ニコライ,ギリシャ王子ゲオルギオスが鹿児島を訪れた際,
応接した有栖川宮威仁親王をはじめ鹿児島県知事らとともに撮影された集合写真。

明治天皇大喪儀絵巻物
8.明治天皇大喪儀絵巻物
明治天皇の大喪儀を描いた絵巻物。原在泉画。
「明治天皇大喪儀桃山鹵簿」,「桃山御壙穴」,「衣冠其他」,「御調度品一式」の4巻からなる。