(写真:宮内庁)
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- 中門(なかもん)~東庭(とうてい)
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毎年1月2日の新年一般参賀と2月23日の天皇誕生日の一般参賀でおなじみの中門から望む長和殿です。長和殿は、手前(南)から南車寄、南溜、波の間、松風の間、春秋の間、石橋の間、北の間、北溜、北車寄といったように南北に連なる約163メートルにおよぶ建物です。
天皇陛下は、毎年、新年と天皇誕生日に際し長和殿中央部ベランダにおいて、皇后陛下・皇族方とご一緒に、一般国民からの祝意をお受けになり、お言葉をお述べになっています。
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- 南溜(みなみだまり)
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南溜は、広さ528平方メートル(約160坪)で、山口県産松葉石(黒御影石)・宮崎県産日向松・沖縄県産勝連(大理石)などが使用されています。
天井には、1基に3,485個のクリスタルガラスが使用された、重さ2.3トン、直径3メートル、高さ2.14メートルのシャンデリアが2基下がり、薄紫の明かりを放っています。
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- 波の間(なみのま)
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波の間は、広さ248平方メートル(約75坪)で、熊本県産市房杉や静岡県産松などが使われています。
この壁画は、山口県の青海島の岩をモデルにしたといわれる東山魁夷作の「朝明けの潮」で、縦約3.8メートル、横約14.3メートルの大壁画です。
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- 回廊(かいろう)
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回廊は、幅6.6メートル、長さ74メートルの通路で、宮殿の玄関口を持つ長和殿から正殿南渡へおもむく際に使われています。
国賓等の来日に際しては、正殿竹の間におけるご会見に向けて天皇皇后両陛下と賓客がご一緒にこの回廊を進まれます。
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- 回廊の壁
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この回廊の壁には、四季に応じた絵画が掛けられています。新年・天皇誕生日と国賓来日時には、奥村土牛作「富士」が掛けられ、内藤四郎作の「流水文銀壺」か帖佐美行作の「和讃想」が飾られます。
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- 千草・千鳥の間(ちぐさ・ちどりのま)
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千草・千鳥の間は、66平方メートル(約20坪)の千草の間と、85平方メートル(約26坪)の千鳥の間の2部屋からなる部屋ですが、通常は1部屋として利用されています。この部屋には、神奈川県産松や奈良県産春日杉が使われています。また天井は、曲面天井で春日杉の板張りとなっています。
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- 北車寄(きたくるまよせ)と松の塔(まつのとう)
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北車寄は、国内の賓客が宮殿に参入される際の玄関です。
松の塔は、宮殿造営に際して国民からの寄付金で造られた照明灯です。若松の葉をかたどり、吉祥としての松の強い生命力が表現されています。上端の輪は、古代女性の装身具釧(くしろ)をかたどったものです。この釧の先端までの高さは約16メートルです。なお、国民の寄付により造られたものは、このほかに、中門と長和殿軒下の灯籠11基があります。
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- 北溜(きただまり)
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北溜は、広さ375平方メートル(約113坪)で、山口県産松葉石(黒御影石)・熊本県産市房杉・宮崎県産日向松・沖縄県産勝連(大理石)などが使用されています。
ここには、天皇皇后両陛下に対して、内外の要人がご挨拶等をされるための記帳所が設けられています。
記帳卓の正面の壁には、正倉院宝物「七宝十二稜鏡」(直径約18センチメートル)を模した直径60センチメートルの七宝焼きの壁飾が掲げられています。
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- 石橋の間(しゃっきょうのま)
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石橋の間は、広さ245平方メートル(約74坪)で、熊本県産市房杉や宮崎県産日向松などが使われています。部屋の中央壁面には、前田青邨作の「石橋」・「白牡丹」・「紅牡丹」が掛けられています。
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- 春秋の間(しゅんじゅうのま)
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春秋の間は、広さ608平方メートル(約184坪)の宮殿内では2番目に広い大広間で、奈良県産吉野杉や宮崎県産日向松が使われています。広間の両壁面には、琵琶湖畔の春霞の中に立つ松(画題は「清光」)と秋の霧の中の北山杉(画題は「寂光」)が綴れ織り張りで描かれ、これにちなんで部屋の名称が付けられています。
床のカーペットは、杉山寧作の「雲」を図案化したものです。
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- 豊明殿(ほうめいでん)
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豊明殿は、広さ915平方メートル(約280坪)で、宮殿内では最も広い部屋です。名称は昔の宮中における饗宴の一つであった「豊明節会(とよのあかりのせちえ)」にちなんだものとされています。
部屋の壁画には、中村岳陵作の原画による綴れ織りの「豊幡雲」が用いられ、また、床には、杉山寧作の「草」を図案化したカーペットが敷かれています。
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- 連翠(れんすい)
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連翠は、広さ371平方メートル(約112坪)で、中央には上下する可動式の間仕切り壁があり、用途によって二部屋にできるようになっています。室内には、宮崎県産や神奈川県産の松材が使用されています。また、桂離宮の松琴亭一の間の白と濃い青の市松模様の襖がモデルとなった四段からなる無双窓があります。
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- 正殿東廊下の杉戸絵
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山口蓬春作の「楓」で、縦約2.74メートル、横約2.5メートルです。
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- 正殿東廊下の杉戸絵
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橋本明治作の「桜」で、縦約2.74メートル、横約2.5メートルです
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- 竹の間(たけのま)
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竹の間は、広さ182平方メートル(約55坪)の部屋で、すべて木曽檜が使われています。壁面は竹模様散らしの裂地張りです。扉の把手飾台座は、黒田辰秋作の螺鈿で、室内側には日本産蝶貝が、外側にはメキシコ貝(それぞれ直経52センチメートル)が使用されています。
室内には、福田平八郎作の「竹」が掛けられ、加藤土師萌作の「緑地金襴手飾壺」(高さ1.53メートル)が飾られています。
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- 松の間(まつのま)
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松の間は、広さ370平方メートル(約112坪)で、床は宮殿内では唯一の板張りとなっており、幅約80センチメートル、厚さ4.5センチメートル、長さ約5.4メートルの欅材が87枚並べられています。壁面には、若松文様浮織の裂地張りが施してあります。
松の間は、宮殿内で最も格調高い部屋とされており、内閣総理大臣と最高裁判所長官の親任式、新任の外国の特命全権大使の信任状捧呈式、勲章・文化勲章の親授式などはこの部屋で行われています。これらの儀式の様子は、両側壁面に設けられた報道室から国民に伝えられています。
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- 梅の間(うめのま)
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梅の間は、広さ152平方メートル(約46坪)で、竹の間より多少小さめな部屋となっていますが、木曽檜や扉の把手飾台座に螺鈿が使用されているのは、竹の間と同じです。
正面の壁面には、中村岳陵作の「紅白梅」が掛けられ、黒田辰秋作の欅製漆塗りの大飾り棚には、富本憲吉作の「金銀彩飾壺」が飾られています。
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