令和5年5月30日
宮内庁総務課広報室
この度ご視察になった
今回のご視察を通じて、天皇陛下には、東京と関東一円、さらには信越・東北地方との間で物資を流通させてきた水運の歴史や大地震が発生した際の水運の役割などについて担当者から説明をお受けになりました。
天皇陛下は、学習院大学で中世の瀬戸内海の海上交通についてご研究になり、英国オックスフォード大学ご留学時は、英国テムズ川の水運史をご研究になりました。英国ご留学中、ご訪問になったテムズ川流域の閘門(ロック)を思い出されながら、今回、近現代の閘門に取り入れられた数々の技術にも関心を持たれて説明をお聞きになっているご様子でした。
陛下はご研究を続けられる中で、水問題が世界の紛争、貧困、環境、事業、エネルギー、教育、ジェンダーなど様々な面で人間の社会や生活と密接につながっているのだという認識をお持ちになり、国内外でご講演をされるなど、継続的に水問題へのお取組を続けられています。
(※1) この働きをする水門のことを閘門といいます。(国土交通省ウェブサイトより)
(※2)荒川放水路:明治43年の大洪水を契機に、町を水害から守る抜本的な治水対策として建設された人工の河川です。
旧小松川閘門前で国土交通省の職員から説明をお受けになる天皇陛下。
熱心にご覧になり、技術がどこから導入されたかなどについてご質問になりました。荒川ロックゲート通船をご体験になる様子
災害対策支援船「あらかわ号」にご乗船になって、荒川ロックゲートの通船を
ご体験になり、水位が変化する様子や発災時の運用などについてご確認になりました。天皇陛下ご自身のカメラでゲート開閉の様子をご撮影になることもありました。身振り手振りを交えながら説明する国土交通省職員の話をお聞きになる天皇陛下。
水位調整の仕組みの説明、バイパス管を通じ船の揺れを調節しているなどの話を
お聞きになりました。
江東区中川船番所資料館に常設展示されている「中川番所(番所:川の関所)再現ジオラマ」やパネル展示(江戸をめぐる水運など)を、
天皇陛下は、時には腰をお屈めになり、どのような物資が輸送されていたかなどについて熱心にご質問なさりながらご覧になりました。