令和6年歌会始の儀(宮殿 松の間)

令和6年2月6日
宮内庁総務課広報室


1月19日(金)、皇居の宮殿松の間において、歌会始の儀が行われました(歌会始の儀についてはこちら)。

天皇皇后両陛下は、今年も多くの良い歌が寄せられたことをお喜びになるとともに、歌会始の儀が無事に執り行われたことをうれしくお思いになりました。そして、お題の「和」から、和という字の持つ言葉の深みをお感じになりました。

歌会始の儀終了後、両陛下は、召人を始めとした歌会始の儀関係者や、詠んだ歌が選ばれた一般の方(預選者)とお会いになりました。

両陛下は、預選者が詠まれた歌について、それぞれの歌に込められた思いをお尋ねになるなど、和やかにご歓談になりました。石川県や新潟県から参加した預選者の方には、令和6年能登半島地震のことについてお尋ねになり、お見舞いのお気持ちをお示しになっておられました。



歌会始の儀
歌会始の儀
令和6年歌会始の儀の様子


天皇皇后両陛下は、次のようなお歌をお詠みになりました。


御製ぎょせい(天皇陛下のお歌)


をちこちの旅路に会へる人びとの笑顔を見れば心和みぬ


天皇皇后両陛下には、皇太子同妃両殿下時代を含め、日本のほぼ全ての都道府県に行幸啓で訪れられています。(天皇陛下は47都道府県全て。皇后陛下にはオンライン2県を含め45都道府県。)令和になってからは、両陛下おそろいで、オンラインも含め28の都道府県に行幸啓になられています。

行幸啓で訪れられた際、両陛下には、その地の皆様に温かく迎えていただかれたことを嬉しくお思いになり、この御製では、天皇陛下が、各地でお会いになった方々の笑顔をご覧になってご自身のお心も和んでいらっしゃるお気持ちをお詠みになりました。


御製ぎょせい披講ひこうの様子


皇后陛下御歌みうた


広島をはじめてひて平和への深きおもひを吾子あこは綴れり


愛子内親王殿下には、中学3年生5月の修学旅行の折に初めて広島を訪れられました。広島では、原爆ドームや広島平和記念資料館の展示などをご覧になって平和の大切さを肌で感じられ、その時のご経験と深められた平和への願いを中学校(学習院女子中等科)の卒業文集の作文にお書きになりました。

日頃から平和を願われ、平和を尊ぶ気持ちが次の世代に、そして将来にわたって受け継がれていくことを願っていらっしゃる天皇皇后両陛下には、このことを感慨深くお思いになりました。この御歌は、皇后陛下がそのお気持ちを込めてお詠みになったものです。


皇后陛下御歌みうた披講ひこうの様子


令和6年の御製・御歌・詠進歌はこちら(PDF形式:290KB)12ページ(英文はこちら)


歌会始の儀は、「読師どくじ」「講師こうじ」「発声はっせい」「講頌こうしょう」の諸役によって進行されます。

読師どくじ」は、披講ひこうを進行させる役です。声は発しません。「講師こうじ」は、お題、預選者の氏名、出身地等を述べ、歌を各句に区切って節を付けずに読み上げます。「発声はっせい」は、「講師こうじ」が歌を読み上げた後、第一句から節を付けて歌い、「講頌こうしょう」は、第二句以下を「発声はっせい」に合わせて歌います。


歌会始の儀
令和6年歌会始の儀の諸役
(令和6年は、新型コロナウイルス感染症対策のため、諸役の間隔を空けて実施しています。)


令和7年歌会始のお題は「夢」と定められました。

詠進歌の詠進要領はこちら