毎日放送の放送法に基づく訂正放送への対応について

平成30年1月31日
宮内庁

毎日放送は,平成30年1月9日,TBS系列全国ネットで放映された「教えてもらう前と後」と題する番組において,天皇陛下が既にご成婚後の昭和38年10月に栃木県奥日光で撮影された皇后陛下のお写真を取り上げ,「()()()()()陛下が撮影された美智子さまのお写真」と紹介し,その取り違いに重ね,撮影に至る経過として,「軽井沢での出会いからおよそ2か月。美智子さまは陛下から東京で開かれるテニス大会に招待され,・・・そこで,陛下から『美術展に出品する写真を撮らせてほしい』とお願いされた」とした上で,更に「陛下はこのお写真に意味深な『女ともだち』とのタイトルを付けて宮内庁文化祭美術展に出展された」とのあり得ない解説を加えています。

まず何よりも,番組で取り上げたお写真が,ご成婚後4年を経た昭和38年10月に陛下が当時第二子ご流産後の皇后陛下のご健康をご心配になり,奥日光の学習院光徳小屋にお連れになった時にご自分でご撮影になったお写真であることは,既に様々な雑誌でも取り上げられている公知の事実であり,番組における事実確認が極めて不十分であったことは遺憾であり,更にはこうした憶測や思い込みが先行して「美術展出展」,「意味深な『女ともだち』とのタイトル」等あり得ない解説が付され,その上に立って当日のゲストたちからの発言が行われました。

以上の点については,視聴者からの指摘に基づき,会社として,放送法に定める訂正放送を行うとして宮内庁に謝罪の申し入れがあり,その後の番組終了後に,前回の放送で写真説明に間違いがあったとして訂正のテロップが流されました。しかし,テレビで一度放映されたものに訂正を加えることは,その時々の視聴者も変わることでもあり,したがって宮内庁としては,改めて以後このような間違いを繰り返さぬよう番組制作者に求めると共に,せめて制作責任者より当日の司会者,番組解説者である皇室コメンテータの高清水氏及び当日のゲストコメンテータの諸氏に,このことにつき責任ある説明を行うよう要望しました。

なお,ご成婚前の宮内庁文化祭に,陛下が何であれ「女ともだち」などと題したお写真を出展なさった記録は勿論ありません。宮内庁文化祭は,宮内記者も自由に観賞できる行事であり,仮に,当時お若かったご成婚前の陛下が「女ともだち」と題する写真を出展されていたとすれば,お后問題への関心が最も高かったその頃,既にその時点で大きな社会的話題となったはずでありますが,そのような記録は見当たりません。

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