公表事項

天皇陛下のご検査の結果と今後の治療方針について

天皇陛下には,東京大学医学部附属病院において,本日11時40分からおよそ30分間にわたって,左手首から挿入した動脈カテーテルによる冠動脈造影検査をお受けになりました。検査は無事終了し,十分な情報が得られました。

結果ですが,まず心臓に血液を運ぶ冠動脈の全体にある程度の動脈硬化像を認めました。また,先般の検査に際して,ある程度以上の運動負荷によって心虚血状態を生じたことに対応していると判断される狭窄も認められました。しかしながら,専門医との協議の結果,(1)現在のところ,激しい運動をなさらない限り御症状がおありにならないこと,(2)狭窄している血管が血液を供給している範囲は比較的狭いこと,などの理由により,現時点では,カテーテル治療やバイパス手術は行わず,当面,薬物の御内服により経過を拝見させて頂くことが適切であろうとの判断に至りました。

そして,上記の判断に沿い,薬物の御内服を続けて頂きつつ,無理のない範囲で運動をお続け頂きながら,これまで通りの日常生活をお過ごし頂きたいこと,また,普段と異なる何かのご症状にお気づきの場合には直ちに侍医にお知らせ頂くこと,などをお願いしたところです。

平成23年2月11日:皇室医務主管