公表事項

皇太子妃殿下のお誕生日に際しての東宮職医師団見解

平成26年12月9日

皇太子妃殿下におかれましては,これまで東宮職医師団として説明して参りました基本的な考え方を踏まえながら,本年も引き続きご病気ご治療を継続していただいております。

皇太子妃殿下には,昨年4月のオランダご訪問,昨年後半の東日本大震災の被災3県ご訪問に続き,本年も東宮職医師団とご相談されながら,妃殿下ご自身のご努力により体調を調えられ,7月の神宮御参拝,11月の愛知県行啓などをお務めになられました。また,昨年お出ましになられた公的な行事は本年も引き続きお出ましになられるよう努力しておられ,更に本年は,オランダ国王王妃両陛下の国賓行事にご出席になるなど,工夫を重ねられ,公的なご活動を重ねてこられています。妃殿下には,また,東宮御所内でのお仕事を日々こなされている他,母親として愛子内親王殿下の御成長を見守り支えていらっしゃいます。愛子内親王殿下には,本年4月より新しい環境の中で中等科生活を始められたことから,妃殿下には,お気を配られることも多いのではないかと考え,東宮職医師団としましても,特に本年前半はご無理をなさらないでいただきたい旨ご助言を致しておりました。

妃殿下には,このように懸命に努力を重ねられ,ゆっくりとではありますが,着実に快復してこられています。同時に,妃殿下には,まだご療養中であり,行事が続いた場合にはお疲れもおありになりますが,その中で,ご体調を調えられながら公的なご活動に当たっておられます。東宮職医師団と致しましては,妃殿下がお出ましを積み重ねられていることは,望ましいことであると考えています。他方で,これまでも説明して参りました通り,妃殿下のご快復は着実に進んでいるものの,ご体調にはなお波がおありであり,まだ快復の途上にいらっしゃいます。こうした中で,過剰な期待を持たれることは,かえって逆効果となり得ることを引き続きご理解頂ければと思います。今後とも,周囲の方々の理解と支えを受けながら,ご治療を続けられることが大切です。

これまで皇太子妃殿下のご治療に関しまして,東宮職医師団としましては,公私を問わずご活動そのものを時間をかけて少しずつ広げていただきたいとのご治療方針をとってまいりました。そうした観点から,公的なご活動につきましては,今後もこれまで同様,妃殿下のお気持ちやお考えも伺いつつ,ご活動の内容,ご負担,ご体調などを専門的に勘案しながら,対応をその都度考えていきたいと考えている点について変わりはありません。また同時に,今後とも私的なご活動の幅も広げていっていただくことが大切だと考えておりますので,皆さまにも引き続き温かい目で見守っていただきたくお願い申し上げます。