公表事項

皇太子妃殿下のお誕生日に際しての東宮職医師団見解

平成25年12月9日

東宮職医師団としましては,平成22年の「皇太子妃殿下のご病状に関する東宮職医師団の見解」などで,ご治療に向けての医師団としての考え方をこれまで説明して参りましたが,皇太子妃殿下におかれましては,そうした考え方を踏まえながら,本年も引き続きご病気ご治療を継続していただいております。本年の大きい出来事としては,4月のオランダご訪問がありました。オランダご訪問は,妃殿下のご体調に波がおありであることもあり,東宮職医師団としても慎重に検討致しましたが,妃殿下ご自身のご努力と皇太子殿下のお支えがあって実現しました。このご訪問は,妃殿下にとって自信につながる大きな機会になったと東宮職医師団としましても考えております。その後も妃殿下は努力や工夫を重ねられ,かねてよりお心をお寄せになってこられた東日本大震災の被災3県をご訪問になるなど,東宮御所外の公的なご活動も着実に重ねてこられました。妃殿下が常々心を寄せられている震災からの復興や社会活動に関わる公的なご活動が徐々におできになっていらっしゃることは,妃殿下のご治療にとっても良い効果をもたらしているものと考えております。妃殿下には,また,東宮御所内でのお仕事を日々こなされている他,母親として愛子内親王殿下のご成長を見守り支えていらっしゃいます。

これまでも説明して参りました通り,妃殿下には,懸命に努力を重ねられ,ゆっくりとではありますが,着実に快復してこられました。妃殿下には,まだご療養中であり,行事が続いた場合にはお疲れもおありになりますが,その中で,ご体調を調えられながら公的なご活動に当たっておられます。東宮職医師団と致しましては,このように妃殿下の公私にわたるお出ましの機会が増えていることは,望ましいことであると考えています。他方で,妃殿下のご快復は着実に進んでいるものの,ご体調にはなお波がおありであり,まだ快復の途上にいらっしゃいます。こうした中で,過剰な期待を持たれることは,かえって逆効果となり得ることをご理解頂ければと思います。今後とも,周囲の方々の理解と支援を受けながら,ご治療を続けられることが引き続き大切です。

これまで皇太子妃殿下のご治療に関しまして,東宮職医師団としましては,公私を問わずご活動そのものを時間をかけて少しずつ広げていただきたいとのご治療方針をとってまいりました。そうした観点から,公的なご活動につきましては,今後もこれまで同様,妃殿下のお気持ちやお考えも伺いつつ,ご活動の内容,ご負担,ご体調などを専門的に勘案しながら,対応をその都度考えていきたいと考えております。また同時に,今後とも私的なご活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えておりますので,皆さまにも引き続き温かい目で見守っていただきたくお願い申し上げます。