悠仁親王殿下18歳(ご成年)のお誕生日に当たり

令和6年9月6日
宮内庁皇嗣職

悠仁親王殿下は、18歳のお誕生日を迎えられました。この1年をお健やかに過ごされました。

4月から筑波大学附属高等学校の3年生になられました。同校にご入学以来、新しい環境のもとで新たなご友人たちとの出会いがあり、そのご友人たちとともに学びを深められながら、文化祭などの学校行事を作り上げたり、部活動で汗を流したりと、様々な経験をされ、充実した高校生活を送られています。

2年生でいらした昨年11月の修学旅行では、学校で事前学習をなさった上で、沖縄県を訪問されました。本島では沖縄県平和祈念資料館、糸数アブチラガマなどを訪ねて平和について学ばれたほか、世界遺産の今帰仁城跡、名勝地の万座毛などを見学されました。離島では民泊を体験され、ボートダイブによるスノーケリングでは、彩り豊かなサンゴや多くの魚の姿を目の当たりにされて、自然の豊かさを実感なさったようです。

学習面では、各教科で積極的に学ぶ姿勢が見られるとお聞きしております。グループワークで積極的に意見を交わして考えを深められているとのことです。総合的な探究の時間「筑波スタディ」では、「トンボの産卵に適した植物」というテーマで課題研究を進められ、今年2月にはポスター発表をされたそうです。

学校以外のご生活においても、様々な経験をなさっています。

2月には、秋篠宮皇嗣殿下とご一緒に、「全国学校・園庭ビオトープコンクール2023」発表大会にご臨席になりました。昆虫や鳥、魚などが生息するビオトープという場で自然との共存について考える取り組みを進める学校や幼稚園などの発表を、殿下とご一緒にお聞きになりました。また、発表大会に先立ち、優秀賞を受賞した高校や小学校、幼稚園の取り組みについて説明を受けられ、ビオトープに生息する生き物やビオトープの活用の仕方などについて質問されました。

6月には、ルクセンブルク皇太子ギヨーム殿下のご訪日の際に、ご一家で宮邸にてご夕餐をともにされ、和やかに懇談されたと伺っております。

7月から8月にかけて、ご両親殿下とご一緒に「第48回全国高等学校総合文化祭」が開催された岐阜県をお訪ねになりました。総合開会式に出席され、パレードや美術・工芸部門、花いけバトル部門、郷土研究部門をご覧になり、同年代の高校生たちとの交流をお楽しみになったほか、岐阜関ケ原古戦場記念館などをお訪ねになりました。このように同年代の人たちが中心となって企画運営する行事へのご臨席を大切にされていることは、お姉様の内親王殿下方と同様であり、高等学校ご在学中の3年間、毎年全国高等学校総合文化祭にお出ましになりました。

悠仁親王殿下は、「令和6年能登半島地震」で被災された方々の暮らしをご案じになっています。4月の春休み期間中、ご家族とともに、ボーイスカウト日本連盟に加盟するローバースカウト(18歳以上25歳以下の青年を対象)から、被災地で行った支援活動の状況についての説明をお聞きになりました。ローバースカウトたちが、被災者に寄り添いながら様々な活動に携わったことや、どのような思いで被災地の支援に取り組んでいるのかなどについてお聞きになりました。

悠仁親王殿下がご幼少の頃からご関心をお持ちで研究を続けてこられた自然誌の分野については、4月に秋篠宮皇嗣殿下とご一緒に玉川大学で、同大学が進めている閉鎖環境におけるアワビの養殖や、ミツバチに関する研究施設などをご視察になるとともに、学園敷地内におけるビオトープの取り組みをご覧になりました。

また、8月には、京都市で開催された「第27回国際昆虫学会議(ICE)」にご出席になりました。同会議の事務局を担うICE2024組織委員会から、昆虫類に深い関心を寄せられている悠仁親王殿下にご招待があり、出席されたものです。悠仁親王殿下は、開会式に客席側でご出席になった後、両殿下とともに組織委員他とご懇談になり、その後にポスター発表をご覧になりました。

夏季休業が終わり、9月2日(月)から授業が再開し、お元気に高等学校に通われています。

悠仁親王殿下は、高校生活を締めくくる年を有意義にお過ごしになっています。

悠仁親王殿下は、本日のお誕生日をもって民法上の成年を迎えられました。成年式の時期については、本年3月29日の皇嗣職大夫会見で説明(別紙)した内容から変更はありません。

なお、宮中行事については、皇室の重要な儀式であり、また大きな節目の儀式となる成年式を終えられた後、参列されるのが適当ではないかとの宮内庁の見解があります。当面はご学業優先の生活になることと思われます。

悠仁親王殿下は、ご成年を迎えられるお誕生日2日前の9月4日、次のようにご感想を述べられました。


2024年9月4日

今年の9月6日に18歳の誕生日を迎え、成年になります。幼稚園や小学校、中学校に通っていた日々がついこの間のことのように感じていますが、もう成年なのかと思うと、時が経つのは早いと実感しています。

この18年の間、多くの方々が、その時々にさまざまな形で心を寄せてくださいました。深く感謝申し上げます。そして、今まで育ててくれた両親と姉たちにも感謝しています。

2022年4月から、民法の定める成年年齢が20歳から18歳になったことにより、私も成年になるのは高校在学中になります。今は最終の学年として、進路実現に向けて努めつつ、学校行事を含め、残り少ない高校生活を大切にしたいと思います。

今後も一つひとつ経験することを通して学びを深め、さまざまなことを吸収して、成長していきたいと思います。



(別 紙)

悠仁親王殿下の成年式の時期について


令和6年3月29日
宮内庁皇嗣職


悠仁親王殿下は、本年9月6日(金)に18歳になり、ご成年を迎えられます。それにあたり、悠仁親王殿下の成年式のことについてお伝えしたいと思います。

親王殿下は、お小さい頃からご両親殿下とともにお出かけになり、それぞれの土地の自然や文化、歴史を学ぶ機会をもってこられました。その中でも、ご自身が非常に関心をおもちのものの一つが自然誌で、昆虫などやそれらの生息環境の観察や調査をされたり、書物を調べられたり、専門家の話をきかれたりしながら、フィールドワークを行ってこられました。このような過程において、ご自身が探求されたいことを更に学び、幅広い視野を身に付けることを目指し、ご関心のある分野を学ぶことができる大学への入学を目標に、熱心に勉学に励まれているようにお見受けいたします。

親王殿下は本年9月6日がご誕辰であり、民法上の成年を迎えられます。

親王殿下は、令和4(2022)年に民法で成年年齢が20歳から18歳とされてから成年を迎えられる初めての皇族となります。

男性皇族がご成年を迎えられると、成年式を執り行うのが皇室の慣例になっています。いままで成年式は、多くの場合、成年を迎えられた日に行われてきました。

例えば、礼宮(現秋篠宮皇嗣)殿下が20歳になられたときは、成年式の前には、宮中での重要な儀式に向けた習礼(しゅらい)や記者会見、当日は賢所(かしこどころ)皇霊殿神殿に謁するの儀や朝見の儀などが行われ、その後には祝賀行事があり、また、神宮や陵(みささぎ)を参拝されました。

これら全てを行うには多くの時間を要することになります。今まで成年式を行われた皇族は大学ご在学中でいらっしゃいましたが、親王殿下には、高校3年生として学校生活を送りつつ、進学に向けての勉学に励まれる大切な時期になります。

こうしたことから、親王殿下には、高校生活を締めくくる年を有意義に過ごしていただき、その上で、高校ご卒業(令和7(2025)年3月)以降の適切な時期に成年式を執り行っていただきたいと考えております。

一口に「高校ご卒業後の適切な時期」と申しましても、親王殿下の進路がどのように決まるかによって成年式の時期は変わってくるものであります。高校ご卒業後、大学入学がお決まりになることも、なっていないこともあり得ますし、大学での行事もご入学になるまでわからないと思います。

そのような種々の事情を加味しながら、皇嗣職を始め、宮内庁の関係部局において、ご成年の行事の時期を検討していくことを考えております。

成年式は、昭和60(1985)年の秋篠宮皇嗣殿下以来となります。過去の例を参考にしつつ、成年年齢が変更になった現状を踏まえながら、準備してまいります。そして、その時期につきましても、親王殿下の進路の状況、その後のご生活やご予定などを考慮した上で、お知らせできればと考えております。