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科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(「STSフォーラム」)第22回年次総会開会式及びオープニングセッションにご臨席並びに地方事情をご視察、併せて2025年日本国際博覧会会場をご視察(京都府・大阪府)

【令和7年10月4日(土)行幸啓1日目】

京都府立植物園ご視察(京都市)

天皇皇后両陛下は、昨年開園100周年を迎えた京都府立植物園をご視察になりました。両陛下での京都府立植物園へのご訪問は、平成15年3月以来2回目です。

両陛下は、副園長から、植物園の施設及び開園100周年を記念した事業について、説明をお受けになった後で、記念事業の一つとして開設された「どんぐりの森」をご覧になりました。

どんぐりの森では、国内外のどんぐりを実らせるブナ科植物15種類以上が栽培展示されており、景観に溶け込んだあたたかみのある遊具などが配置されています。子どもたちが自然と触れ合い、学びの第一歩となる空間です。

どんぐりの森には、クマをかたどった「どんぐりポスト」が設置されており、両陛下は、園長から、子どもたちが拾ったどんぐりをこのポストに入れて集め、京都市動物園のクマの餌として提供されることをお聞きになりました。楽しくどんぐりに触れながら、生態系を学ぶことができる仕組みにご感心になりました。

園長から、どんぐりポストやどんぐりについての説明をお聞きになる天皇皇后両陛下

続いて、両陛下は、観覧温室をご視察になりました。100周年を記念してリニューアルされた「ラン・アナナス室」は、グリーンインテリアとしても注目されているアナナス類を、岩山、擬木等を活用して立体的に展示しているのが特徴です。両陛下は、自然に近い状態での展示がお心に残られました。また、「高山植物室(夏は冷房により22℃前後の室温を保持)」、「昼夜逆転室(電照によって昼と夜の時間を逆転させ、本来夜に咲く花を昼間に咲かせて展示)」では、多くの興味深い植物をお楽しみになりながらご観賞になりました。

展示された植物について、園長とお会話になる天皇皇后両陛下

次に両陛下は、きのこ文庫を訪れられました。きのこ文庫は、ベニテングダケをモチーフにしたきのこ型の野外文庫で、収蔵庫4棟に2,400冊が収蔵されています。両陛下は、園長から、自由に閲覧できる絵本や子ども向け図書などが多数収納されており、 子どもたちに長年に渡って親しまれていることをお聞きになりました。

その後、正門入口付近にある植物園開園時に植栽されたヒマラヤスギをご覧になり、植物園の100年の歴史を実感され、このご視察を通して、植物の多様性や面白さを肌でお感じになりました。

府勢概要ご聴取(京都大宮御所(京都市))

両陛下は、京都府知事から府勢の概要と、京都府が取り組んでいる諸施策について説明をお聞きになり、誰もが未来に夢や希望を持てるあたたかい京都づくりの実現に向け、歴史の中で培われてきた伝統の上に、革新を重ねる取り組みを推進されていることなどについて、理解を深められました。

両陛下は、時折雨の降る中、多くの府民の皆さんに温かく迎えていただいたことに、心から感謝されました。