「週刊文春」(平成28年1月21日号)の記事について(2)

平成28年1月15日

1月14日の朝刊で,「12月23日天皇誕生日の夜に「お呼び出し」 美智子さまが雅子さまを叱った! 宮中重大スクープ「東宮と共に人々の前に姿を見せるのが最善の道です。小和田家とは文化が違うのですから」(美智子さま)「心に刻みつけるようにいたします」(雅子さま)」という週刊文春の大きな広告をご覧になった天皇陛下は,侍従長に対し,このような広告は一つ一つ気に留めることはないが,自分の誕生日のこととされ,自分にはあり得ないこととしか思えないが,何があったのかとご下問になりました。とりまとめご説明したところ,非常に驚かれ,皇太子同妃両殿下,秋篠宮同妃両殿下,黒田様ご夫妻を招かれた当夜,お祝御膳に引き続くお居間でのご団らんの間,皇后陛下は終始ご自身と一緒におられたので,皇后陛下と皇太子妃殿下がお食事が終わった後に別室に移られて話をされたというような状況は全く起こり得ないことであり,そのことは当夜同席した全員が承知のはずだと仰せになりました。同じ14日の午前中には,心配して東宮職に問い合わせた宮内庁長官に対し,皇太子殿下からも同様の主旨のお話がありました。翌15日には,長官とお会いになる機会のあった秋篠宮殿下からも,皇后陛下はこの夜終始一同の団らんの中にいらしたとのお話があり,更に,お帰りの時にも両陛下して皆様をお送りに立たれ,当然のこととして皇太子同妃両殿下が最初にお発ちになるのを他の皆様がご一緒にお見送りになったというお話しがありました。

記事によれば,お夕食後,皇后陛下は皇太子妃殿下とお二人で別室に移られてお話をされたとありますが,実際には,お夕食後からずっとお居間にて席を立たれずに皆様とお過ごしであり,陛下のお誕生日というおめでたい日の夜に,陛下や当日のお客様をお置きしてまで,皇太子妃殿下お一人を別室に呼ばれ,叱責云々という状況が成り立つ余地は全くありませんでした。

皇后陛下は,これまでも皇太子妃殿下を気づかわれ,自らには誤解を招きかねない多くの記事に対しても沈黙を保ってこられましたが,宮内庁として,今回の記事は皇后陛下のお言葉という形で表した具体的内容を伴ったものであり,非常に誤解を招く恐れが多いと考えられたことから,ここに当夜の事実をお伝えすることにしました。