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天皇皇后両陛下 モンゴルご訪問時のおことば(一覧)

モンゴル

  • フレルスフ(KHURELSUKH)大統領閣下、ボロルツェツェグ(BOLORTSETSEG)夫人

    御列席の皆様、

    ター・ブフンテェ・ダヒン・オールズスンダー・タータェ・バェン(Та бүхэнтэй дахин уулзсандаа таатай байна.)(皆様との再会を(うれ)しく思います。)。

    この度は、私と皇后を国賓としてお招きくださり、大統領御夫妻を始めモンゴルの皆様から多大なる御配慮とお心遣いを頂きましたことに、心より御礼申し上げます。3年前、東京で大統領御夫妻を皇居にお迎えし、その後、モンゴル国立馬頭琴交響楽団の演奏会を御一緒に鑑賞したことは、大変良い思い出となっています。

    私は2007年にモンゴルを初めて訪問しましたが、その時の経験は大変印象深く、宝物となっています。また、今回は日本の天皇として初のモンゴル訪問であり、両国の一層の友好関係の増進につながることを願うとともに、国民的祭典であるナーダムの開会式に出席する機会を頂いたことを、大変有り難く思います。また、この度、フレルスフ大統領の御発意により、ナーダムの開会式が行われる7月11日が、国連の場において「世界馬の日」となったことは意義深いことと思います。

    一昨日に当地に到着しましたが、経済発展等に伴い、前回訪問時よりも更にモンゴル社会全体に力強さを感じるとともに、深い(そう)天の下、競うように草木が芽吹き、美しい花を咲かせると表現される、最も麗しい季節に皇后と共に貴国を訪問できたことを(うれ)しく思っております。

    我が国とモンゴルの深い友好・協力関係の基盤となっているのは、人と人とのつながりです。前回訪問の際、私は当時の両国関係が頂点ではないとお話ししました。実際に、例えば2007年のモンゴルから日本への留学生は1,100人ほどでしたが、20年弱の間に、4倍以上に増えています。今回の訪問では、日本で学んだ方々が活躍されている教育・医療施設を訪れる予定であり、次世代を担う若者たちや日本で学び、後進を指導されている方々とも交流できることを、心から(うれ)しく思います。

    また、前回訪問時に雨が降った際、モンゴルでは雨が降るのは非常に縁起が良いとの言い習わしがあると聞き、乾燥地帯で暮らす人々にとっての水の大切さを実感しました。昨日、私は、ウランバートル上下水道公社とガチョールト水源を視察しましたが、両国の人々が協力し、大切な水資源の安定的確保という課題に取り組んでいる姿に、感慨を覚えました。そして、ガチョールト水源は幸い雨の中でした。

    人と人とのつながりや思いやりの有り難さを実感するのは、苦しいときであると思います。日本が1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして2024年の能登半島地震などの大きな災害に見舞われたとき、モンゴルの人々はすぐさま支援の手を差し伸べてくれました。私たち日本人を勇気付けていただいたモンゴルの方々の温かい気持ちを、私たちは決して忘れません。

    今日(こんにち)の両国の深い友好関係と、それに支えられた人材育成、ものづくり、医療、スポーツ、そして環境保護など、多岐にわたる協力関係の発展の基礎には、外交関係樹立以前からの長年にわたる両国の先人たちの交流があるということを忘れてはならないと思います。両国関係の発展に情熱を注ぎ、様々な困難を乗り越え、力を尽くしてこられた全ての方々に深く敬意を表します。

    両国間の交流や協力の可能性は、モンゴルの大草原のように、果てしなく広がっています。今後、両国の架け橋となる若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、広大な土地にまかれた協力の種が多くの花を咲かせてほしいと思います。そして、若い人たちが、その新たな活力を存分に発揮することで、両国関係が、モンゴルの青き大空・テンゲルに向けて更なる高みへとどこまでも発展していくことを願います。

    本日のすばらしい宴を催していただいたフレルスフ大統領及びボロルツェツェグ夫人に感謝申し上げるとともに、ここに杯を挙げ、大統領御夫妻、両国国民の御健勝と御多幸、そして、日・モンゴル関係の一層の発展を心から祈ります。

    ザー・ホンダガ・ウルグイー(За, хундага өргөе!)(では、乾杯しましょう、)
     ター・ブフン・サェハン・ナーダーラェー(Та бүхэн сайхан наадаарай.)(ナーダムを楽しみましょう。)。

天皇皇后両陛下のご感想

  • この度、モンゴル国から国賓として御招待を頂き、二人で同国を訪問できたことをうれしく思います。フレルスフ大統領御夫妻には、歓迎式典や晩餐会など、心をこめて御準備くださり、また、ナーダムの開会式をはじめ弓射やシャガイ、競馬など様々な競技を御一緒頂き、素晴らしいおもてなしを頂いたことに深く御礼を申し上げます。また、行く先々でモンゴルの方々に温かく迎えて頂いたことは、うれしく、有り難いことでした。モンゴル国政府・国民の皆さんの御厚意に対し、心から感謝いたします。

    今回、歓迎式典や晩餐会、ナーダムの開会式や競技を通じ、また、ガンダン寺やホスタイ国立公園などを訪れ、モンゴルの豊かな歴史・文化や素晴らしい大自然を肌で感じることができました。また、平成19年に訪問した時から、経済発展などに伴いモンゴル社会全体が更に力強さを増したように感じました。日本の様々な支援・協力が発展の一助となっていることを、モンゴル日本病院やガチョールト水源などを訪れて実感することができたこともうれしく思います。
     また、今回の訪問を通じ、我が国とモンゴルの人々の間で長年にわたって培われてきた友好親善の歩みについて理解を深めることができました。日本とモンゴルの交流に様々な形で携ってきた幅広い年代の方々に直接お会いしてお話しする中で、両国の友好親善関係が人々の交流を通じて深まってきたことや、モンゴルの人々が日本に対して温かい気持ちを寄せて頂いていることを実感し、うれしく思いました。ウランバートル市第149番学校、モンゴルコーセン技術カレッジなどにおいて、モンゴルの若い人々や子どもたちと交流することもできました。若い世代の人々が、今後もお互いの国に対する関心を深め、両国の相互理解と友好親善に大きな役割を果たしていくことを期待しています。

    日本人死亡者慰霊碑に供花し、心ならずも故郷を離れた地で亡くなった方々を慰霊し、その御苦労に思いを致しました。また、モンゴル赤十字社の方々などが慰霊碑を大切に維持管理して頂いていることを有り難く思いました。先の大戦で亡くなられた方々のことを忘れず、過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと改めて思います。

    今回、初めて二人でモンゴルを訪れ、とても思い出深い訪問となりました。この訪問を準備して頂いた日本とモンゴル双方の多くの関係者の皆さんの尽力に深く感謝いたします。この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本とモンゴルの友好親善と協力関係がより一層進展することを心から願っています。