文仁親王殿下お誕生日に際し(平成25年)

文仁親王同妃両殿下の記者会見

会見年月日:平成25年11月22日

会見場所:秋篠宮邸

文仁親王同妃両殿下のお写真
記者会見をなさる文仁親王同妃両殿下
問1 殿下にお伺いします。今年は2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まるという大きなニュースがありました。一方,東日本大震災からの復興は依然道半ばです。殿下は妃殿下とともに,昨年末に岩手県を,今年5月には福島県を訪問されたほか,伊勢神宮の式年遷宮へのご参列など,今年もご公務やご研究などで忙しい日々を過ごされました。両陛下や皇太子ご一家とのご交流も含め,この1年を振り返ってのご感想と今後の抱負をお聞かせください。
殿下

この1年というわけではありませんが,だんだんと1年が経過するのが早く感じられるようになってきました。これからも加速していくのかなというふうに思うわけですけれども。

昨年から今日までの間,いろいろな行事等に出席いたしました。例えば,東日本大震災の後,東北地方を訪れる機会が今までもありましたが,昨年末に岩手県,そして本年5月に福島県を訪れました。

岩手県についてはその目的は,被災した文化財のレスキューですね,たくさんの貴重な資料が被災したわけですが,そのレスキューの状況を実際に私も見ておきたいと思いました。その現場を訪れたわけですけれども,例えば,資料であれば,文書もんじよの一枚一枚を丁寧に剥がしながら除塩をしたり,それからクリーニングをしたりという非常に根気のいる作業を,担当している人たちがおこなっていましたし,自然史の資料ですね,自然史標本,昆虫であったり貝であったりとか,そういうものの修復作業も実際に見ることができました。恐らく自然史に関連する標本はいろいろなところで話題にもなっていますけれども,今までにそういう経験が,ほとんどなかったのではないかと思います。そういうことからも手探りで一番良い方法を見つけながら作業を進めているものだと思いました。

また,福島県の方は,放射性物質の検査状況を視察することを目的にしてまいりました。どのようにして前処理をするのかとか,どういう機械を使って測定するのかなど様々な説明を受ける機会を得ました。福島を訪問した折に,今,福島市の仮設の校舎に入っている飯舘中学校を訪れましたが,そこで話をした中学生は,「飯舘村の飯舘中学校のすばらしい環境の下で学校生活を送ることをとても楽しみにしていた。だけれども3月に震災があって,その後,学校自体も移動しており,いまだそこの中学校に通えていないという状況だ」という話をしてくれました。今,一つの例だけを挙げましたけども,私たちにとって非常に重い言葉だなと感じました。

それから,6月に,クロアチア,スロバキア,スロベニア3か国を訪問いたしました。これらの三つの国は,私にとりましてはどれも初めての国になります。それぞれ外交関係樹立の20周年,スロベニアについては昨年が20周年ですので21年目になりますが,20年の機会にということで訪問しました。どこの国でも,それぞれの国の大統領始め多くの方々から温かく迎えていただき,大変良い訪問をすることができました。どれも印象に残っていますが,何人かの日本語もしくは日本について学習している大学生の人と話をする機会がありました。いろいろ話をしてどのようなことについて関心を抱いているのかを聞きましたところ,かなり幅広く関心を持っていました。例えば,日本の歴史であるとか,書道であるとか,また言語としての手話に関心を持っているという人もいましたし,妖怪であるとかそれから漫画,ポップカルチャーなど非常に関心が多岐にわたっていて,この若い世代の人たちがこれからそれぞれの国と日本とをつなぐ人たちになってくれるのだなと思い,大変うれしく思いました。

また,秋ですね,10月の初めには神宮の式年遷宮がおこなわれ,私も内宮と外宮の両方の遷御の儀に参列してまいりました。前回,20年前も私は参列しているわけですけれども,今回も厳かな雰囲気の中で遷御の儀が滞りなくおこなわれたことを大変喜ばしく思いました。そしてまた,恐らくですが,人々の関心が20年前よりも随分高かったのではないかなという印象を持ちました。

あと,この1年で言いますと,私は日本動物園水族館協会というところに関わっており,今年で関わり始めてから25年になるんですね。動物園,水族館というと,比較的,レジャー施設的な捉えられ方をすることもあるわけですけれども,それぞれの動物園であったり水族館であったりが,非常に高い志の下に日々,仕事をおこなっております。その中の大切な役割の一つに,種の保全という仕事があります。もちろん「種とは何か」という定義の問題にはいろいろ議論があるわけですけれども,大きく見て生物種の保全活動,これをどこも非常に一所懸命取り組んでおり,それについて以前に比べて今年はかなり光が当たったなという印象を持っております。これは動物園,水族館に携わっている者としては非常にうれしいことでしたし,更に多くの人たちに知ってもらいたいことだなと感じました。

質問にありました天皇皇后両陛下とは今年もだいぶ,もちろん私たちだけで行くこともあるわけですけれども,長男が御所に行くことを楽しみにしておりますので,頻繁に訪れてお話をする機会がありました。また,皇太子御一家とは頻繁に行き来をするということではありませんけれども,折に触れて交流というか,(妃殿下を振り向かれて)何と言うのでしょうね。

妃殿下

(お考えになりながら)子どもたちと一緒に学校のお話をしましたり・・・。

殿下

そうですね。学校のお話をしたりとか,それから,比較的頻繁にこの赤坂(御用地)の中で会うことがあるものですから,そういう時にちょくちょく話をしたりしております。

大体,この1年の印象は以上です。

問2 殿下にお伺いします。両陛下は公務などでお忙しい日々を送られています。天皇陛下は昨年の会見で,公務について「今しばらくはこのままでいきたい」と述べられる一方で,こどもの日と敬老の日にちなんだ施設の訪問は,来年を最後に若い世代に譲られることになりました。殿下は過去の会見の中で,天皇陛下の公務負担軽減に触れ,「定年制」にも言及されています。両陛下の最近のご健康状態も踏まえ,殿下のお気持ちをお聞かせください。
殿下

まず,今ありました「定年制」については,私からそれについて言及したことはありません。これは,問われたことについて私の見解を述べたことなので,念のために申し上げたく思います。

現在,両陛下はお元気ですけれども,陛下の例えば御公務であったり,両陛下の公的活動などなど,非常に数が多いと私は思っております。陛下が,今しばらくは現状のままということを会見でも話されていますので,私はそのとおりで良いと思いますけれども,実際に非常に多くのお仕事のことを考えますと,周りの者,もちろん私も含めて,常にそのことを意識していく必要がありますし,例えば,行事について何か工夫するべきことがあるかどうかということは考えていく必要があると考えております。ちなみに,敬老の日とこどもの日のことですが,敬老の日は,もう既に両陛下が敬老の対象になっているわけですし,子どもについては,もう孫の世代になっているわけですので,一つ下の,若い,次の世代に移行するというのが,ごくごく自然なことだと思っております。

問3 両殿下にお伺いします。悠仁さまは,4月に皇族として戦後初めて,学習院初等科ではなくお茶の水女子大学附属小学校に入学され,昨年から今年にかけては神武天皇陵や伊勢神宮も参拝されました。悠仁さまの小学校でのご様子とともに,皇位継承順位第3位の皇族としてどのように成長していってほしいか,お考えをお聞かせください。また,悠仁さまの教育費に私費である皇族費を充当されていることへのお気持ちも併せてお聞かせください。
殿下

私も長男の小学校の行事にいくつか,入学式を含めて出席いたしました。運動会であったり,それから長男の学年の行事,(妃殿下を振り向かれて)あれは何と言いましたか。

妃殿下

(お考えになりながら)この前いらした,秋祭りでしょうか。

殿下

秋祭りですね。本当に短時間でしたけれども学校での様子を見てまいりましたし,今日も,学校全体の行事で,音楽会がありまして,1年生から6年生までが歌とか,(妃殿下を振り向かれて)何と言うんですか。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)楽器の演奏や・・・。

殿下

楽器の演奏,劇のようなものをしたりする,それの一部を見学してまいりました。運動会の時にはかなり遠くから見ていましたので,実際のところ息子がどこにいるのかは良く見えなかった。ただ,今日は場所も固定されていますし,子どもたちが出演する場所もそうあちこちに動くわけではありませんので,はっきりと見えまして,元気よく歌を歌っていました。

また,先ほどの学年だけの行事(秋祭り)の時に,お友達とともに,(妃殿下を振り向かれて)これは,子どもたちが何か・・・。

妃殿下

(行事を思い起こされながら)お店を出す・・・。

殿下

お店を出すんですね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)いろいろなグループに分かれて,準備をして・・・。

殿下

そういう行事だったわけですが,お友達とともにいそいそと働いている様子を垣間かいま見ることができました。(妃殿下を振り向かれて)少し学校の行事について,様子について。(と,妃殿下のお答えを促される。)

妃殿下

そうですね,秋祭りについて私たち二人とも学校に行って,子どもたちが出しているお店に行きましたところ,それぞれの店で笑顔で迎えてくれまして,例えば,お店というのは遊ぶものがあったり,作るものがあったりしましたけれども,子どもたちがとても丁寧に優しく,「こうやって作ります」,「こうやって遊びます」と教えてくれまして,私たちもとても楽しく過ごすことができました。

学校の様子について少しお話をさせていただきます。長男は,今年の春に小学校に入学しまして,新しいお友達や先生と出会い,新しい学びの日々が始まりました。また,今,宮様がお話しされました運動会,ほかには遠足でジャガイモ掘りなどに行きましたけれども,6年生を始め,上の学年と一緒に行くこともあり,お世話をしていただくこともあり,いろいろな経験をしてきました。そのようなことを通して小学校の生活にもだんだん慣れてきまして,今,お友達と一緒に様々な活動に取り組み,元気に過ごしております。学校の授業についてですが,いろいろな授業があります中で,例えば,子どもたちがいくつかの課題の中から一つを考えて選んで取り組むものがあります。小学校では「えらぶ」の授業,「えらぶ」の時間と呼んでいまして,ことばや「あきみつけ」などのプリントが用意されまして,そのプリントに取り組みながら学習していきます。よくその「えらぶ」の時間について家に戻りましてからも話すことがあり,「今日はあきみつけでひめリンゴをみつけたよ」と言って姫リンゴをうれしそうに見せてくれたり,また,「明日はどれにしようかな」と考えながら話すこともあります。そのほかには,先ほどの秋祭りのように子どもたちがお互いに意見を出し合って作り上げていく活動もありますし,6年生と一緒に給食をとる縦わり給食の時間も一週間ほどありました。給食はとても楽しみにしているようで,毎日残さずおいしくいただいているようです。ほかにも好きなことは,休み時間と放課後遊びで,今は鬼ごっこや縄跳びをして元気に遊んでいるようです。(殿下を振り向かれて)このような感じでしょうか。

殿下

どのように成長していってほしいかということですけれども,それぞれの家で何がしか各論的に,考えはあると思いますけれども,かなり多くのことについては,共通しているのではないかと私は思います。そういうことからしますと,今の段階で私は,これは以前にも話したことがありますけれども,きちんとした社会生活を送れるようになってほしいと思います。また,できるだけ人と協調して過ごしていけるようになってほしいと思います。これは大変,社会生活を送る上では大事なことではないかと考えます。

また教育費についてですけれども,これは今までも内廷外の皇族は皇族費を充当していたわけです。したがって,それを踏襲したということです。それでは,成長について。(と,妃殿下のお答えを促される。)

妃殿下

(殿下に確認されて)よろしいでしょうか。成長については,これからも両陛下にお伺い申し上げつつ,しかるべき人々の意見を伺い,宮様とともに考えてまいりたいと思っております。年齢に応じて基本的に身につけるべきことや学ぶべきことなど多々ありますけれども,与えられた立場にふさわしく努力していけるように,宮様と成長を見守っていくことができましたらと考えております。

殿下

あと,もちろん大きくなっていく段階で日本以外の国,海外のことを知る機会も大事だと思いますけれども,日本の国内にも地域ごとに様々な興味深い文化がありますので,そういうのもできるだけ知る機会を作っていけたらいいなと私は思います。

問4 両殿下にお伺いします。眞子さまは,今夏,英国留学を終えて帰国され,7月には福岡県を訪問して初めてとなる地方での単独公務に臨まれました。佳子さまは,4月に学習院大学に入学され,夏休みには米国で初めてのホームステイを経験されるなど,お二人とも新たな一歩を踏み出されています。お二人のご様子や成長ぶり,期待されていることについて,お二人との普段のお話を含めてお聞かせください。また,お二人のご結婚についてのお考えもお聞かせください。
殿下

(妃殿下を振り向かれて)長女は昨年の8月でしたね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)8月でございます。

殿下

8月から今年の7月の初めに帰ってきたわけですけれども,10か月ほど,英国での生活を経験しました。また,次女もこの夏に1か月強,米国でホームステイをする機会を得まして,二人とも大変良い経験ができたと言っておりました。親としては,長女次女ともに有意義な時間を過ごしたということを聞いて大変うれしく思っております。

長女については,昨年の8月から今年の7月までは日本におりませんでしたけれども,二十歳を過ぎて少しずつ公的な場所,行事に出席する機会が出てきました。今後もそういう機会を頂いたら,それを一つ一つ丁寧に務めていってほしいと思っております。恐らく,今は卒業論文を書いている頃だと思いますけれど,もう早いもので大学生活も残り僅かになってきました。

また,次女につきましては,先ほども言いましたように,この夏のホームステイを非常に楽しく,また意義深く過ごしたわけですけれども,現在はティーンエイジャーの最後を楽しんでいるのだろうと思います。来年の年末には二十歳になり,また,二十歳を過ぎてからの仕事も出てくると思いますけれども,長女と同様に,依頼された仕事などを大切に務めていってほしいと思っております。(妃殿下を振り向かれて)どうでしょうか。

妃殿下

娘たちのことについて,この1年をふり返りますと,昨年の8月下旬に長女が短期留学しまして,また,次女が夏に米国に行きまして,このように日本を離れる,二人がそれぞれに日本を離れて過ごす機会があったという1年は,今年初めてだったと思います。宮様がお話しされましたことと少し重なりますけれども,長女はエディンバラで留学生活を送りましたが,その折には大学の講義や実習,それからいろいろな国の学生と交流をして,また,大学の休みを利用していくつかの場所を訪れました。私も,留学の経験は大変充実したものであったと聞いております。

また,次女は今年の夏,米国で約1か月にわたりホームステイをいたしました。ホストファミリーからも温かく迎えていただきまして,ホストファミリーのお子様方がちょうど次女と近い年齢だったこともございまして,とても楽しく過ごしたようでございます。芸術鑑賞や大学を訪問したり,また,コロラドの方にも出かけまして,そちらでしばらく過ごしたようですけれども,山の中をハイキングしたり,また,サイクリングをするなど思い出深い夏休みを過ごしたと思います。

今,娘たちは二人とも大学生でありますが,長女は大学の最終学年になり,先ほどもお話がございましたけれども,卒業論文をまとめるのに忙しくしているように思います。また,次女は今年の春,大学の1年生になりまして,いろいろな大学の講義を受けましたり,また自然体験の実習に参加しましたり,高校生とはまた異なる学校生活を送っています。そのような中で私たちが仕事で留守をしているときなど,それぞれ都合の良いときに弟のことを世話してくれまして,一緒に遊んだり,ピアノを弾いたり,いろいろ楽しく過ごしているようで,大変うれしく思っております。

娘たちに期待していること,また,願っていることにもなりますでしょうか。娘たちには,今,大学生として学べるこの時間を大切にして,自分らしい確かな道を歩んでいけるようにと思っております。時代が移り変わりゆく中で,自分の置かれた立場をしっかりと認識して,これから関わる務めをしっかりと果たせるように,役割を果たせるようにしていくことができればと願っております。

(殿下を振り向かれて)あとは,ふだんの・・・。

殿下

(妃殿下を振り向かれて)ふだんの会話はどうでしょう。あまり意識して話していることがないので。何と言われてもなかなか思い出せないことが多いですね,私は。

(妃殿下を振り向かれて)あなたはどうですか。

妃殿下

ふだんの会話ですので,一つずつ記憶しているわけではございませんが,学校のことや出かけた時のことなど,身近なことから社会の出来事など。

(殿下を振り向かれて)いろいろあるでしょうか。

殿下

(妃殿下を振り向かれて)でしょうね。(と,うなずかれる。)

妃殿下

自由にお互いに感じていることとか,考えていることを話したり伝え合ったりしていますけれども,私の場合は,時々,娘たちが率直な意見とか,何気なにげない言葉というのを私に話します時に,私が,何か大切なことを思い出したり気づいたりする,きっかけになることもあります。そういう時は何となく心に残っていて,その時の娘たちの言葉を大切にしています。

殿下

結婚についてですけれども,今長女が22歳ですね。私が結婚したのが24歳で,(妃殿下を振り向かれて)こちらが23。ずっと小さいと思っていたのですけれども,そういう年齢になったのだなと感じます。若い時の子どもで,今,20代でも私たちは40代でいられるというのは,良かったなと思います。そうであれば,余り遅くなく結婚してくれたら良いなと思いますが,こればかりは一人でなくて相手もあることですし,またそのことを強要することはありません。ただ,余り遅くなかったら良いのかなと。(妃殿下を振り向かれて)どうでしょう。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)そうでございます。私はまだ大学生と思っておりまして,余りそのようなことを考えることはなく過ごしておりますが,もしそのような出会いがありますならば,娘の気持ちや考えを聞いて,また,こちらの思いとか考えを伝えていきたいと思っています。

問5 殿下にお伺いします。殿下は昨年春頃から月に1回程度,皇太子さまとともに御所を訪れ,天皇陛下と定期的に懇談されています。象徴天皇としてのお考えや皇室の活動のあり方,今後の課題などが話し合われる貴重な機会となっておられると思います。ご懇談のご様子とあわせ,殿下の心に残ったやり取りをお聞かせください。また,こうしたご懇談の機会を持つことの意義について,殿下はどのようにお考えでしょうか。
殿下

懇談の様子とか,やり取りというのは,お話しするのは控えたいと思います。

ですが,天皇陛下と皇太子殿下,それで私がいて,そこに宮内庁長官がいるという一つの意味は,例えば,天皇陛下のところ,皇太子殿下のところ,それから私も含めてそれ以外の皇族,これをつなぐことができるのは宮内庁長官だけであるわけで,その意味でいろいろな事柄について見解を共有するということは,私はそれ自体非常に意義があることだと思っています。少なくとも,そういうことがなかった時に比べれば,もちろんそれぞれ意見が違うこともこれは当然あるわけですけれども,そういうことも含めて宮内庁長官が知っていてくれるということは,私は非常にいいことだと思っております。

またこれは,懇談とは直接関係ありませんけれども,時間帯的には大体お昼前くらいなんですね。それなので,終わった後に今度は,この時は長官は外れますけれども,皇后陛下も一緒に4人でお昼をする,これは非常にほっとするいい機会であると私は思っております。

関連質問1 殿下にお伺いします。宮内庁はこのほど,今後の御陵及び御喪儀のあり方についての発表をいたしました。火葬になることや,両陛下の御陵が隣り合わせになることなどが盛り込まれています。殿下も御了承されているとのことですが,今回の発表についてどのようにお考えでしょうか。
殿下

発表についての考え方ですけれども,火葬にする,これは相当前からそういうことが内々では話し合われていました。いつから宮内庁の方でもそれについて検討を始めたかということは,私,記憶にありませんけれども,今,日本国内ではほとんどが火葬になっている時代です。そういうことから見ても,私は今回の発表にありましたように,火葬にするというのは適切なことだと思います。

また みささぎについても,何と言っても多摩陵墓監区のあの場所が限られていますので,今までと同じようなみささぎを作ることはできないわけですので,合葬ではありませんけれども,一体化した形のみささぎを作るということも,私は将来的なことも考えて適当なことではないかと思っています。

関連質問2 先ほど,眞子内親王殿下と佳子内親王殿下の御結婚のことにちょっと触れられましたけれども,将来ですね,御結婚ということになった時に,個人的なお考えとして,皇室に残るという,残ってほしいなと,そういったお気持ちはおありでしょうか。
殿下

それは,この前までいろいろ議論があった女性宮家とも関係してくる可能性がありますね。

娘ですので,近くにいてくれたらいいとは思いますけれども,それは,皇室に残るという意味ではなく,物理的にそれほど離れてない所にいたらいいな,という気持ちはあります。ただ,今,かなり遠くにいても,スカイプとかいろいろできる時代になっているので。私はそんなに使いませんけれども。ただ,そういう気持ちはあります。

お言葉の重複や助詞など,わかりにくい表現の箇所は,若干の修正をしてありますが,ご発言の内容は変更しておりません。

文仁親王殿下のお誕生日に際してのご近影