会見年月日:平成6年2月22日
会見場所:東宮御所
率直に申し上げて,もう34歳になったのかというのが,まず,私の率直な感想です。それとともに,夫婦揃ってこの日を迎えられたということに,大変大きな幸せを感じております。昨年は,私にとりましても,結婚という人生の大きな節目を迎えた訳ですけれども,この一年も二人揃って充実したものとしていきたいというふうに思っております。
この直接の答えになるかどうか判りませんけれども,雅子との結婚によって,今まで皇室の中で育った私にとって,色々と今まで私が経験したことがないような様々な話を聞くことができております。そういうものを通しまして,私自身の視野も広がっていったように思いますし,また,興味の対象も更に広げられているように思います。それから,全力で守っているかどうかということですけれども,これに関しては,私ができることでは,全力でこれを実行しているように思っておりますが。
兄としても,先輩としても,特にアドバイスしたことはございません。
このことに関しては,どのような立場の人であれ,個人として尊重されるべきものであるというふうに思っております。したがって,皇族であっても,個人としてのプライバシーは尊重すべきものではないかというふうに思っております。
この点に関しては,かねてから申し上げておりますように,両陛下をお助けしつつ,国民と共にある皇室を実現していきたいというふうに思っております。
現在も,今までやっておりました日本の中世の海上交通の研究,それから,イギリスの主として18世紀の交通の問題,この2つのテーマは引き続き研究を進めております。日本の中世の海上交通の問題については,今後は,さらに視野を,今まで瀬戸内海をやっておりましたものを,日本海あるいは外の地域にまで拡げて,それで人と人との結び付きに海の果たした役割というものを人の動き,それから,物の動きといったところから見ていきたいというふうに思っておりますし,イギリスの研究に関しましては,今までは,主に運河であるとか,川の交通を研究しておりましたけれども,今後は,そういったものと補完関係にあった,いわゆる陸上交通にも目を向けてみて,それで産業革命期のイギリスの交通の実態というものを研究していきたいというふうに思っております。
私にとりまして,30年近く住んだ旧赤坂御所の地に移るということは非常に懐かしさを感じる訳です。それとともに,5年近く住んだ,そして,しかも楽しい新婚生活を送ったこの仮御所を離れるということにも,一抹の寂しさは感じております。また,今まで両陛下が30年以上にわたって住んでおられた赤坂御所に私が移るということに,何か少し申し訳ないような気分もいたしております。今回,移って以後のことに関しましては,赤坂御所が30年以上経っているということもあって,必要な手入れをされるというふうに聞いております。そういった改修につきましては,色々聞かれたことに関しましては私なりの意見を申しました。
具体的には,…。
具体的には…。いちいちと言うとどうでしょうか。幾つかのことを申しましたけれども…。
そうですね,雅子も非常に音楽が好きですし,色々,こう二人で音楽を聴いたりすることもある訳ですけれども,そういった中で,具体的にどの作曲家とかいうのは,なかなかあれですけれども,今まで,自分がもちろん知っていて,ただその作品についてそれほど今まで詳しくは知らなかった,というような作曲家がいる訳ですけれども,知っていても,例えば,その曲を演奏する機会が余りなかったようなそういった作曲家について,例えば,少し色々作品を聴いてみようとか,弾いてみようとか,そういった興味はまた出ておりますね。何人かそういう作曲家がおりますね。読書についてもそうですね,同じようなことが言えます。
はっきり申し上げて,あれは否定のニュアンスです。
これはなかなか難しい問題だと思うのですけれども,前にもちょっと申し上げましたけれども,私としましては,真実の報道というものは非常に大切なもの,特に前回申しましたように,社会に報道というものは,非常に社会に与える影響というものは大きいものがあると思いますので,やはりこのようなものは,真実の報道を,マスコミの皆さんを始めとして,それに関係するような方々,是非していただきたいと思いますし,今回のように全く真実ではないことがそのようなふうな形でひとり歩きをしてしまうというのは,いかがなものかなというふうに思います。
今は,そうですね,さっき成果のことについてお話できなかったですけれども,今,少し瀬戸内海ですとか,それから日本の河川交通について,ちょっと幾つかまとめてみたいな,というものはございますね。まだまとめるまでには至っていないのですけれども。
そうですね,エピソードとか具体的にというと,うーん,なかなかお答えするのは難しいですけれども,やはり,一番私が感じておりますことは,やはり,本人が,今,どういうふうな,何をこう感じているか,どういうふうにしたいか,あるいは色々疲れていないかどうかとか,やはりそういった点を毎日様子を見ながら見ている訳なのですけども,そういったところで,少しでも気分を和らげてあげられることができたら,というふうに思いながら毎日を過ごしている訳です。
そうだとよろしいですね。いかがでしょうか。
非常にやはり側にいて,そして色々と相談相手になってくれる,前にも申し上げましたように,非常に良きパートナーであると思います。
やはり,私はこれは,やっぱり本人が一番,本人が一番幸せになってもらいたいというふうに,兄として思っております。それが一番大切なことなのではないのでしょうか。本人が納得して,そして本人が一番幸せになれるような,そういった結婚をしてもらいたいな,というふうには思っております。