皇太子殿下外国ご訪問前の記者会見内容に関してのご説明(6月8日)

皇太子殿下外国ご訪問前の記者会見内容に関してのご説明(6月8日)

私の,ヨーロッパ3ヶ国への訪問前の記者会見での発言に関して,少し説明したいと思います。

記者会見では雅子がこれまでに積み上げてきた経歴と,その経歴も生かした人格の大切な部分を否定するような動きがあった,ということをお話しました。その具体的内容について,対象を特定して公表することが有益とは思いませんし,今ここで細かいことを言うことは差し控えたいと思います。会見で皆さんにお伝えしたかったのは,私たちがこれまで直面してきた状況と今後に向けた話です。

記者会見以降,これまで外国訪問ができない状態が続いていたことや,いわゆるお世継ぎ問題について過度に注目が集まっているように感じます。しかし,もちろんそれだけではなく,伝統やしきたり,プレスへの対応等々,皇室の環境に適応しようとしてきた過程でも,大変な努力が必要でした。私は,これから雅子には,本来の自信と,生き生きとした活力を持って,その経歴を十分に生かし,新しい時代を反映した活動を行ってほしいと思っていますし,そのような環境づくりが一番大切と考えています。

会見での発言については,個々の動きを批判するつもりはなく,現状について皆さんにわかっていただきたいと思ってしたものです。しかしながら,結果として,天皇皇后両陛下はじめ,ご心配をおかけしてしまったことについては心が痛みます。

皆さんに何よりもお伝えしたいことは,今後,雅子本人も気力と体力を充実させ,本来の元気な自分を取り戻した上で,公務へ復帰することを心から希望しているということです。雅子の復帰のためには,いろいろな工夫や方策も必要と考えますし,公務のあり方も含めて宮内庁ともよく話し合っていきたいと思っています。多くの方の暖かいお励ましに,私も雅子もたいへん感謝をしています。雅子が早く健康を回復し,復帰できるよう,私自身も全力で支えていくつもりです。

最後に,雅子の回復のためには静かな環境が何よりも大切と考えますので,引き続き暖かく見守っていただければ幸に存じます。