正倉院しょうそういん宝物ほうもつを見てみよう

正倉院にはこのような宝物が所蔵されています。

  • 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
  •  琵琶はふつう弦が4本ですが、これは5本で、インドで生まれた楽器といわれています。五絃琵琶は世界中で正倉院にひとつしか残っていません。紫檀という南方の木で作り、貝がらを文様に切って貼る螺鈿という技法でかざっています。


  • 瑠璃坏(るりのつき)
  •  銀の脚が付いた紺色のガラスコップです。ガラスの部分はペルシアで作られたものです。しかし、脚は中国風の龍が線彫りであらわされ、ガラスの部分との取り付けには東アジア特有のうるしが使われています。


  • 紫地鳳形錦御軾(むらさきじほうおうがたにしきのおんしょく)
  •  天皇が身のまわりで使用していたひじつきです。おもてに貼られた美しい絹の織物は、ペルシアやローマで生まれたぶどう唐草文と中国で生まれた鳳凰(ほうおう)文を組み合わせた,国際性豊かな文様が表されています。


  • 鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)
  •  樹下にたたずむ美人が描かれた屏風です。衣服のところには鳥の羽根が貼られていたので、この名が付いています。絵は中国風ですが、描かれた紙がわが国のものだったので、日本で作られたことがわかりました。


  • 漆胡瓶(しっこへい)
  •  鳥の頭に似せたふたが付き、うるしを塗った水さし。このような形は古代ペルシアで生まれたもので、うるしは日本や中国などアジアの工芸技法です。シルクロードで結ばれた国々が1300年前にも交流していたことがわかります。