展示について
儀装馬車(新御車寄)
昭和3(1928)年宮内省主馬寮の工場において製造されました。
重量1,100㎏,全長4.23m,幅1.91m,高さ2.2m,6頭立4頭曳の騎馭式,4人乗りの馬車です。
天皇皇后両陛下の御結婚(昭和34年)の馬車列に使用されました。
管絃(小御所)
管絃とは,雅楽の一つで,楽器による奏楽です。「三管両絃三鼓」の楽器編成で演奏します。
三管とは笙・篳篥・龍笛の三種の管楽器(吹き物)を,両絃とは琵琶・楽筝(こと)の二種の絃楽器(弾き物)を,三鼓とは鞨鼓・太鼓・鉦鼓の三種の打楽器(打ち物)をいいます。
代表的な曲に「越天楽(越殿楽)」があります。
三献の儀(御常御殿)
女御入内の儀式の一つで,御常御殿中段の間にて,三献の儀があり,女御親ら酌して天皇に献じ,次に天酌を受けられます。
3度飲むことを一献とし,これを3回繰り返します。
束帯,十二単(皇后宮常御殿)
束帯は男性の正装で,五衣唐衣裳(十二単)は女性の正装です。五衣唐衣裳は,江戸時代に俗称として「十二単」と呼ばれるようになりました。
天皇皇后両陛下の御結婚(昭和34年)の御装束は,黄丹御袍の束帯と十二単(紫の唐衣・萌黄の五衣)です。
板輿(春慶塗)(皇后宮常御殿 申口の間)
和宮親子内親王が使用された輿です。明治2(1869)年京都に戻られ,同7年に東京へ移られるまでの間に使用されました。金具に徳川家の紋章である三葉葵紋が彫金されています。
女御入内輦車の宣旨(玄輝門南側)
輦車とは人が引き動かす車で,輦車の宣旨とは輦車に乗ったまま宮門を入ることを許す宣旨です。女御の行列が,朔平門外で牛車の牛を解き榻を立てて,その前に立っている蔵人が吉上(宮門を守る官人)に輦車の宣旨を告げます。
ここから輦車に乗り換えますが,江戸時代以降では,牛車を人が引いて朔平門を入りました。
牛車(玄輝門南側)
牛車は,平安時代においては貴族の乗り物とされ,後ろから乗り,前から降ります。
現在この牛車は,葵祭の折に使用されています。