所蔵資料詳細

盾形埴輪(たてがたはにわ)

盾形埴輪
奈良県奈良市に所在する皇后日葉酢媛命狭木之寺間陵(こうごう ひばすひめのみこと さきのてらまのみささぎ)から出土した盾形(たてがた)埴輪である。古墳時代の盾は主に革(かわ)や木などで作られていたが,それを粘土でかたどった盾面部分が円筒部分に取り付けられている。盾面部分の上部は失われているため,本来の高さは150㎝以上あったものと考えられる。この埴輪は,墳丘への出入り口と考えられる渡土堤をふさぐように並べられていた埴輪列のなかの一つである。同じ場所から出土した埴輪の円筒部分の直径はいずれも50㎝から60㎝あり,通常の円筒埴輪と比べるとかなり大きく,その置かれた位置とあいまって特別な意図を感じさせる。現状高116.5㎝。